[HRPニュースファイル194]米、法人税大型減税で国際競争力強化~日本も法人税半減で経済成長を目指せ~

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米企業の競争力強化に向け、米財務省が「法人税改革案」を発表しました。米企業の競争力強化、産業の空洞化阻止が狙いで、最高税率を現在の35%から28%に引き下げる方針です。(2/23 時事⇒http://goo.gl/nI9N0

米国の大規模な法人税改革はレーガン政権下の1986年以来で、改革案は法人税率を現行の最高35%から28%に引き下げ、製造業の実効税率は25%以下に抑え、中小企業には減税措置も講じる方針です。(2/24 産経「米法人税28%に引き下げ 四半世紀ぶり大型改革」)

米法人税の法定実効税率は2011年時点で39.2%と、OECD加盟国では日本(39.5%)に次いで2番目に高い水準となっており、米企業の競争力の足を引っ張っています。

ガイトナー米財務長官は会見で「(現在の)税制はインターネットや携帯電話、中国が台頭する前に作られた。現代的に改革する必要がある」と見直しの意義を強調しました。

この減税政策は、大統領選挙を控え、減税を求める共和党の潜在支持者に対する選挙対策的な側面も勿論含まれているでしょう(共和党は最高税率を25%に引き下げる改革案を発表)。

しかし、オバマ大統領は、1月16日の「一般教書演説」においても「米国製造業の復活を目指す経済政策」を目指し、「まず税制から始めよう」と述べ、「法人税減税」を掲げています。

また、一般教書演説では「法人税減税」のみならず、「経済成長戦略」を実現すべく、「企業活動を阻害する規制改革」「起業家を生み出すための優遇税制」「基礎研究への投資」「不公平貿易を調査する貿易是正部門の設置」等も掲げ、経済成長路線に向けた本気度が伺われます。

近年、世界各国、特に欧州各国やアジア諸国では国際競争力強化に向けた法人税率の引き下げが相次いでおり、日米はその流れに取り残され、世界平均と比較して10~15%高い水準で高止まりしていました。

欧州では、2008年にドイツが約39%から約30%、イギリスが30%から28%、2010年には再びドイツが29.4%へと法人実効税率を引き下げています。

アジアでも、2008年に中国が33%から25%、2009年に韓国が27.5%から24.2%、2010年に台湾が25%から17%、韓国は2012年に22%とする予定で、引き下げの流れは顕著です。(第一生命経済研究所経済調査部⇒http://goo.gl/MDJ3d

日本でも法人税率を10%引き下げれば、企業のキャッシュフロー増加や資本コスト低下により、減税10年目の設備投資拡大効果は乗数効果を含め、4.9兆円にも達します。(同上)

また、法人税率10%引き下げにより、6四半期後の対内直接投資が5.79%拡大、2年後の雇用者数が約20万人増加し、10年目には設備投資を7.0%、個人消費を0.8%拡大し、GDPを1.1%(5.9兆円)押し上げる効果が期待できます。(同上)

実際には、法人税減税が昨年12月に施行されたのに伴い、法人税は5%引き下げられて、国税と地方税を合わせた法人実効税率が約36%となりましたが、14年度までの3年間は「復興特別法人税」を1割上乗せするため38.01%となります。

各国が国を挙げての経済成長を目指していることと比して、日本は法人税の減税幅が余りにも小幅で、十分な減税効果は期待できません。

実際に、筆者自身「日本で40%の法人税を取られるなら、香港に事務所を開いて16%の法人税を取られたほうがまししだ」という、国外脱出を真剣に検討している経営者達の声を耳にしています。

幸福実現党は日本国内に企業を誘致し、雇用を確保し増大させ、国際競争力を高め、経済成長による税収増を目指して、法人税は速やかに諸外国並みの20%程度に引き下げ、中小企業に対する法人税(現行18%)についても引き下げる方針を掲げています。

重要なことは「国家の意志として経済成長を目指すこと」であり、企業こそが雇用を確保し、次の時代に向けた研究開発をなし、税収を増大させる源であるということです。

儲かっている企業から取れるだけ取ろうとする「格差是正」「搾取されたものを取り戻す」といった左翼的・労働組合的な発想では「国富」を減らすだけです。企業の国際競争力の強化に向けた「法人税半減」こそが今、求められているのです。(文責・小川俊介)


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