日米両政府は、沖縄の米海兵隊のグアム移転と米軍普天間飛行場移設とを切り離し、先に4700人をグアムに移転させることで合意しました。(2/6 読売「沖縄海兵隊のグアム移転、4700人で合意」⇒http://goo.gl/6MZeT)
2006年の日米合意では、沖縄県宜野湾市の普天間米軍基地を県内の名護市辺野古に移転することを約束し、「米海兵隊8000人のグアム移動」「普天間移設と嘉手納以南の施設返還」もパッケージとして合意していました。
ところが、普天間基地移転問題に進展がないため、海兵隊を先に移動させることに両国が方針を変えた形です。
既に、在沖米海兵隊のグアム移転計画をめぐって、米国防総省が米議会との水面下の交渉で、米軍普天間飛行場の名護市辺野古沖への代替施設建設を断念する意向を伝達していたことが報道されています。(2/4 共同「米、普天間の辺野古移設を断念へ」⇒http://goo.gl/q6UX9)
その結果、「世界一危険な普天間飛行場」が固定化される恐れが強くなっています。
私は普天間飛行場のすぐ隣の小学校のグラウンドに立ったことがありますが、真上を手が届きそうなくらいの近さで飛行していく状態は背筋が凍るくらい恐ろしいものでした。
普天間基地周辺には住宅が密集しており、「早く安全性を確保しなければ」と痛感しました。
この事態を招いた責任は3代の民主党政権が迷走し、沖縄に責任を押し付ける形で「日米合意」を履行しなかったことにあります。
「日米合意」を全く無視して、「最低でも県外」と、できない約束をなし、沖縄県民の心を弄び、後に「抑止力を学びました」と訂正し、退陣した鳩山氏の罪は大きすぎます!
そして、一川氏、田中氏と、相次ぐ「素人防衛大臣」の起用により、普天間基地問題をこじらせた野田首相の責任は重大です。
2月5日に告示された沖縄県宜野湾市長選では、自公推薦の佐喜真氏は「県外移設」を訴えており、社共推薦の伊波洋一氏は一貫して「県外、国外移設」を求めています。
幸福実現党は先般の沖縄県知事選も含めて「県内移設」を訴えて参りましたが、沖縄と日本の防衛のためには辺野古移設以外、現実的な選択肢はありません。
このような中、米国は、中国軍の「接近阻止・領域拒否戦略(A2AD:Anti-Access Area Denial戦略)」への対応として、グアムに移転する海兵隊を5千人弱とし、3千人をハワイ、豪州、フイリピンに分散移転する計画を立てています。
この構想が実現すれば、米国は移転費用削減と、対中国への対応は果たせる反面、朝鮮半島や尖閣諸島など日本直近の有事には、日本の守りが手薄になる恐れもあります。
米側は「民主党政権が続く限り、普天間移設は進まない」と、現政権への不信感を強めています。
今、必要なことは、日米同盟の信頼と日本の安全保障を企図し、早急に、自ら沖縄を訪問し、普天間移設の必要性を説得し、国家主導で普天間基地移設を進めるべきです。
しかし、野田首相は就任以来、一度も沖縄入りしていないではないですか!
今の日本では「増税」より「国家の安全保障問題」の方がずっと重要です。
野田首相は「増税」などに不退転になるのではなく、不退転の決意で「普天間飛行場の辺野古移設」に臨み、日本政府の威信を懸けて「日米同意」を実現すべきです。(文責・竜の口法子)
[HRPニュースファイル175]野田首相は「増税」ではなく、「普天間基地固定化」回避に全力を尽くせ!
2月 6th, 2012
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