[HRPニュースファイル152]大学入試センター試験がスタート~世界最高水準の「大学教育」を目指せ!

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本格的な入試シーズンの幕開けとなる大学入試センター試験が14日、全国一斉に2日間の日程で始まりました。日本海側を中心に雪が降り、全国的に厳しい寒さとなっています。

14日のセンター試験では、ICプレーヤーや問題配布の遅れ等のトラブルが相次いでいますが、15日は受験生の皆様が、雪による交通ダイヤの乱れやインフルエンザによる体調不良等、様々なアクシデントが無く、実力をフルに発揮できることを祈念したいと思います。

平成24年度における「大学入試センター試験」の志願者数は555,537人(前年度3,447人減)と減少傾向が続いています。1992年に約205万人だった18歳人口が2012年に120万人になり、超少子高齢化が加速していることが原因です。

少子化に伴い、大学に入りやすくなったため、大学・短大進学率は2007年以来、50%を超え続け、昨年は54.5%となり、20年前の31.7%を大きく上回り、「最高学府時代」から「全入時代」を迎えているとも言われています。

出身高校からの推薦やA0(アドミッション・オフィス)入試による入学者が全体の45%を上回り、競争力の希薄さによる学力低下も深刻で、大学入学後に中学・高校の基礎学力を復習する大学もあるようです。

英国高等教育専門誌「Times Higher Education」は、昨年10月6日に世界の大学ランキングを発表し、東京大学が30位(前回26位)となり、国際競争における日本の大学力の低下が顕著になっています。⇒http://p.tl/Gfg3

日本を建て直すためには「教育の再建」が出発点であり、そのためには最高学府たる「大学力」の向上が不可欠であります。

かつて、ソビエト連邦が有人宇宙飛行を成功させたことを受けて、アメリカは「スプートニク・ショック」として「国家的危機」を認識し、科学技術立国・教育立国に向けて真剣に努力を重ね、アメリカは世界一の科学技術立国を実現するに至りました。

日本も、現在直面している国難を踏まえた「国家百年の大計」としての教育のあり方を再検討する必要があります。

日本の経済力・技術力に見合った世界的な使命を果たすために、「全世界の知力を結集させ、ノーベル賞受賞者数を世界一にするにはどうすればいいのか」という大きな国家構想を持ち、新しい創造を産み出す責任を果たすべきです。

また、教育を国力強化につなげるためには、産官学の連携を強化することでマーケットに貢献し、市場原理に支持される成果を生み出す機動力が求められます。加えて、規制緩和も不可欠です。

更には、日本の「若者の内向き志向」を変えていくことが不可欠です。文科省の統計によると、08年に海外の大学などに留学した日本人の数は66,833(前年比11.1%減、8323人減)で、4年連続の減少となり、減少幅は過去最高でした。

また、産業能率大が10年4月に入社した新入社員を対象に「新入社員のグローバル意識」を行ったところ、「海外で働きたくない」との回答が49%でした。07年の調査で「海外で働きたくない」と回答したのは36.2%でした。(「東洋経済」2011年1月12日号)

「海外留学をすると、帰国した際に就職できないかもしれない」という不安が留学生減少の要因といわれています。多くの企業が大学4年生以降の採用をしないためです。(The Japan Times 2011/12/7)

ハーバード大学の留学生数は、日本人は韓国の8分の1、中国の7分の1だと言われています。日本の若者は余りにも「内向き」になっています。(「SAPIO」2011年2月9日・16日号)

世界に出ていく若者を増やすためには、企業はそのような悪しき慣習を改めると共に、大学側も9月から新学期が始まることが多い海外の大学への留学・帰国を容易にする制度設計が不可欠です。

学問の根源には、個人個人が大いなる使命に目覚め、向上心や克己心に満ちて、日本や世界の幸福のために「高貴なる義務(ノブレス・オブリージュ)」を果たさんとする意志が必要です。この根源的な力が歴史を大きく動かして来たのです。

その根源の力こそ、正しい人生観であり、死生観であり、宗教的情操であり、信仰心に他なりません。その意味で、「宗教教育」を取り入れていくことも教育の再生には不可欠です。

大きく国際情勢が変動する中、今一度、日本のあるべき未来を描き、日本再建を目指して、大学教育を「世界最高水準」にしていく努力が急務です。(文責・小川俊介)


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