参院選に向け、本格化する憲法96条改正の動き[HRPニュースファイル634]

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◆参議院選の争点となった憲法96条

憲法96条は、憲法改正の手続きについて、衆参両院の総議員の「3分の2以上」の賛成で発議され、国民投票で過半数の賛成が必要と定めています。

安倍首相はこの発議要件を「3分の2以上」から「過半数」に引き下げる方向で動いており、今夏の参院選では、馴染みの薄かった憲法96条が、にわかに大きな争点の一つとなっています。

では、なぜ今、憲法96条の改正なのでしょうか?

それは「3分の2以上」というハードルが高過ぎ、我が国では昭和22年の憲法施行以来、一度も憲法が改正されていない現実があるからです。

ちなみに、第二次大戦後、ドイツは59回、フランスは27回、アメリカ合衆国は6回、韓国は9回の憲法改正を行っています。

時代に合わせて法律が変わるように、当然ながら憲法も適宜、改めていく必要があります。

例えば、憲法前文の「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」という憲法の前提は、中国や北朝鮮などの軍事的脅威が迫る現状に全く反しています。

改憲のためには、健全な憲法改正を阻害する「高すぎるハードル」を引き下げ、将来の憲法9条等改正への一里塚にしようというのが、今回の96条改正の動きの本質です。

◆憲法96条改正についての各党のスタンス

今月9日には衆議院で憲法審査会が開催され、初めて96条改正についての討論がなされました。

微妙なニュアンスの違いはありますが、大まかに言って、自民・日本維新・みんなの3党が改正に賛成、民主・公明・共産・生活・社民の各党が反対か慎重姿勢を表明しました。

その結果、日本の政界は、「改憲派」と「護憲派」の大きく二つに色分けされる形となりました。

「いったん改正のためのハードルを下げてしまうと、時の政権によって憲法が恣意的に捻じ曲げられる」という護憲派の危惧もなくはありません。

しかし、憲法96条が改正され、衆参両院の総議員の「半数以上」の賛成で憲法改正が発議されるようになったとしても、最終的に「国民投票」によって主権者である国民の意思が反映されるため、一定の歯止めは担保されます。

ちなみに幸福実現党は、憲法9条改正への一里塚としての96条改正先行はやむなしと考えております。⇒【詳細】5/9 【プレスリリース】憲法96条改正についての幸福実現党の考え方

幸福実現党は立党以来、一貫して自主憲法の制定、特に中国や北朝鮮の軍事的脅威に対処するための憲法9条改正の必要性を訴えてきたため、その一里塚となる96条改正も(取り組みが遅すぎる感は否めませんが)、歓迎するものであります。

◆「滅亡」か、「新たな希望」か

自民党は7月の参院選公約の柱の一つに「憲法改正」を掲げ、96条の先行改正を前面に出すと報道されています。

敢えて述べるとするならば、憲法9条改正という本来の目的と大義を、国民に真正面から語ることなく、曖昧なままで参院選を乗り切ろうとする安倍政権の姿勢はあまりに「政治的」であり、個人的に物足りなさを感じるのも事実です。

仮に夏の参院選で、幸福実現党を含む「改憲勢力」が「3分の2以上」を獲得し、1~2年以内に96条改正が実現したとしても、肝心の9条改正は、そこからさらに数年の歳月を要することでしょう。

我が国は今、中国・北朝鮮の軍事的脅威の前に、国家存亡の危機に瀕しています。幸福実現党は、これまで以上に憲法9条改正の運動を力強く推し進めて参ります。

また、憲法前文にある「平和を愛する諸国民」とは言えない国家(中国・北朝鮮)に対しては、9条を適用すべきではないという憲法解釈の変更で、大胆な国防力の強化に取り組んで参ります。

幸福実現党は96条改正のための一翼を担いつつも、もっと真正面から信念をもって、中国・北朝鮮の暴走を食い止め、地球規模の新たな平和と繁栄を築くための自主憲法の制定を訴え、夏の参院選において信を問う所存です。(文責・総務会長 加藤文康)


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