政治に経営力を!公会計改革で政治の経営判断を高めよ![HRPニュースファイル613]

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4月16日、衆議院本会議において、92兆6115億円となる平成25年度予算が可決され、参議院に送付されました。

予算成立の目処は立ったものの、国の借金が1000兆円に迫る中、財政健全化が大きな課題となっており、毎年の予算編成は単なる税金の垂れ流しなのか、経営判断に基づくものなのかが問われています。

◆「予算単年度制」の問題点

憲法86条には「内閣は、毎会計年度の予算を作成し、国会に提出して、その審議を受け議決を経なければならない」と明記され、財政は「予算の単年度制」を原則としています。

しかし、「予算の単年度制」には、目先の予算獲得による行政コストの肥大化や、年度末に余った予算を無理に使い切る予算消化など大きな欠陥があります。

このような税金の無駄づかいを払拭するために、幸福実現党は立党以来、「予算の単年度制」廃止を提言して来ました。

大規模な国家プロジェクトに対しては複数年度にわたって予算を編成することや、好況で税収が増えた際には積み立てていく「ダム経営」など、政治にもっと「経営力」を導入すべきです。

貸借対照表(バランスシート)に基づく経営判断など、企業で行われている努力が、政治においても当然に行われるべきです。

実際、衆議院憲法審査会は4月18日、憲法第7章「財政」について審議し、複数年度にまたがる予算編成を可能とすることに前向きな姿勢を示しています。(4/18 読売)

◆「単式簿記・現金主義」の問題点

同審議では、会計制度についても議論されました。現在の会計制度は「単式簿記・現金主義」に基づいており、単に現預金の出納だけ記帳する方式で、予算を「使ったか」「使わなかったか」しか分かりません。

その結果、「予算=決算」という民間企業では信じられない「予算消化」が繰り返されてきました。

新会計制度と言われる「複式簿記・発生主義」では、経済資源の増減について取引の発生ごとに記帳され、「資産(ストック情報)」「支出(コスト情報)」「費用対効果(コストパフォーマンス)」「経営評価(経済性・効率性)」など、マネジメントの視点を重視し、予算の執行だけでなく、決算という評価を行うものです。

これは企業経営では当然のことで、予算以上に決算が重視され、経営の改善・イノベーションを不断に重ねています。

東京都は平成18年度から会計に複式簿記・発生主義会計を取り入れた新公会計制度を導入。本年度からは愛知県をはじめ、財政難となっている地方自治体に新公会計制度が広がり始めています。(2012/12/20 愛知県「愛知県における公会計改革の取組」)

石原慎太郎氏は17日の党首討論後、記者団に対して「公会計制度は、あなた方メディアの不勉強で、日経新聞なんか1行も書かないし、こんな馬鹿な無駄を放置している国はないよ。単式簿記とかやってる国は日本の他にないんだから、本当に。こんなものがはびこっているから、役人が勝手なことをして、国民が馬鹿みるんだよ。こんなことやってる国なんて、北朝鮮とパプアニューギニアとフィリピンだけだよ。先進国では日本ぐらいだ」(4/18 朝日)と、公会計改革の必要性を訴えています。

◆早急に公会計改革を進めよ!

サッチャー首相の死去により、サッチャーの政治手腕が再考されていますが、「イギリス病」から復活を遂げた背景にも公会計の導入がありました。

サッチャー首相とも親交のあった公会計研究所・所長の吉田寛教授は「会計の基本的な機能は、帳簿を作ったり、財務諸表を作ったりすることではありません。約束を守れる人か、守れない人なのかを伝えることが重要な機能です」と、主権者である納税者への説明責任がなされ、信認すべき政治であるか、政権選択を行えるところまで行くことが公会計の使命であると啓発活動を展開されています。

「公会計研究所」方式では、借金が増えているのか、減っているのか、というマネジメントの側面のみならず、さらに踏み込んで、納税者である主権者がどれだけの負担をしているの、本当に必要な施策なのかを主権者が判断できるところまで明示する公会計を提唱しています。

幸福実現党は「新日本国憲法試案」第十一条で「国家は常に、小さな政府、安い税金を目指し、国民の政治参加の自由を保障しなくてはならない」と国のあるべき姿を示しております。

今こそ、新たな公会計の導入を推し進め、税金の無駄をなくし、主権者である国民が正しく政治参加できる本物の民主主義政治を実現すべきです。(幸福実現党 三重県本部参議院選挙区代表・小川俊介)


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