東日本大震災の教訓を無駄にするな!ーー明確になった日米の危機意識の差 [HRPニュースファイル558]

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◆日米首脳会談を受け、TPP交渉参加へ

安倍首相は22日午後(日本時間23日未明)、オバマ米大統領とホワイトハウスで会談しました。

首脳会談ではTPPについて「日米ともに2国間貿易上のセンシティビティー(慎重な検討を要する重要品目)が存在する」との認識で一致、米側から例外品目の可能性を引き出しました。

安倍首相は首脳会談を受け、衆院選公約で聖域なき関税撤廃を前提とする限り交渉参加に反対としたTPPに関し、「聖域なき関税撤廃が前提でないことが明確になった」と説明。TPPへの交渉参加を近く表明する運びです。(2/23 産経「日本、TPP交渉参加へ 首相近く表明『例外』言及の日米声明受け」)

幸福実現党はTPPこそが成長戦略の鍵であり、同時に日米同盟強化、中国包囲網戦略の要であると主張し続けて参りましたが、安倍首相は国内の既得権益勢力の猛反発を乗り越え、毅然としてTPP参加に突き進むべきです。

◆北朝鮮の脅威に強く反応する米国政府

また、両首脳は日米同盟の重要性を再確認し、核実験を行った北朝鮮に対し、追加制裁を含む国連安全保障理事会決議の早期採択を目指すことで一致しました。

北朝鮮は、1万キロを射程とする「長距離弾道ミサイルの発射実験」と「3度目の核実験」を成功させたことにより、米国本土を核攻撃できる能力を手にしました。

北朝鮮・国防委員会は「われわれが継続して発射する衛星や長距離ロケット」が「米国を狙うことになる」と軍事利用を明言し、まさに「事実上の宣戦布告」とでも言うべき状態です。

北朝鮮が核実験を強行した2月12日、オバマ大統領は「北朝鮮の核兵器と弾道ミサイル計画は、アメリカの安全保障上の脅威だ」と激しく非難し、パネッタ国防長官にいたっては「北朝鮮の脅威に対処する準備をしなければならない」と一歩踏み込んだ発言をしています。

これは、米国防総省が「アメリカによる先制攻撃」を検討に入れた可能性が高いと見られています。(2/20 週プレNEWS「北朝鮮の『宣戦布告』にアメリカが先制攻撃を仕掛ける可能性」)

北朝鮮がアメリカ本土を射程範囲とする核攻撃力を持ったニュースを受けて、アメリカでは危機管理のフェーズが変わって来ています。

◆北朝鮮の脅威に鈍感な日本

しかし、日本においては、日本全土が射程となるノドンミサイル300基がすでに配備されているにも拘わらず、政治家をはじめ、日本人の多くは対岸の火事のように危機感を感じていないかのようです。

ここで、東日本大震災での教訓が思い返されます。

それは、津波警報や避難の呼びかけに対して、「自分は大丈夫だ」と認識して、危機感を感じずにいたことが、多くの犠牲者を出した原因になったと言われています。

災害心理学に「正常性バイアス」という言葉があります。「バイアス」とは「先入観」や「思い込み」という意味です。

何か非常事態に遭っても、人はそれを正常の範囲内のことと思い込み、逃げ遅れがちになると言います。

もともと人の心は安定した日常を送るために、外界のささいな変化に過敏に反応せぬように出来ています。

しかし、災害時にはその日常の心の惰性があだとなって、身に迫る危険が認識できなくなるのです。

さらに、この「正常性バイアス」は周りの人への「同調」によって一層強まります。

他人が危険がないかのように振る舞っていると、自分もそれに合わせてしまう「同調性バイアス」です。(2011/3/31毎日)

例えば、レストランで食事をしていて、急に非常ベルが鳴っても、「非常ベルが壊れたんじゃない」とすぐに逃げ出さずに食事を続けて、必死に逃げる人を白けた目で嘲笑うような空気が、日本中に満ちているように思います。

「日常」から「非常」への意識の切り換えが出来るかどうかが、生死を大きく分けたことが報告されています。

このことは、震災だけの事ではなく、危機管理全般に言えることです。

この「正常性バイアス」「同調性バイアス」を打破する方法は、「強く危機感を実感するこ」とが必要です。

誰かが強く声をあげること、実感を伴う所まで突きつけることが必要です。

◆日本は「有事」の最中にあるという認識を!

幸福実現党は、2009年より、北朝鮮からの「飛翔体」を曖昧にせず、「ミサイル攻撃」と認識して警鐘を鳴らして来ました。

日本本土で多数の犠牲者が出る前に、「敵基地先制攻撃」を行なう「抑止力」の必要性を訴え、自主防衛強化の推進を提言して、過激と言われて来ましたが、4年の月日が流れ、事態が深刻化した今、ようやく自民党においても検討されることになりました。(2/20 産経「敵基地攻撃能力保有へ北朝鮮の核ミサイルに対抗政府・自民が本格検討開始」)

「非常ベル」は鳴り続けています。

中国フリケード艦から火器射撃レーザーを照射されても、何も出来ずに回避行動をしている現状。日本はすでに尖閣周辺の領土・領海の実効支配が出来なくなりつつあります。

日本を取り巻く危機的な状況を示しており、「宣戦布告無き開戦」に突入していると言えます。

日本はどうすべきでしょうか?本当に今のままで大丈夫なのでしょうか?

「正常性バイアス」「同調性バイアス」を打ち破る必要があります。

今、日本は「有事の中にある」と自覚すべきです。

健全な危機感があれば、今国会においても、自衛隊法の改正、集団的自衛権の行使、憲法9条解釈改憲、防衛軍の創設など、自主防衛強化を真摯に審議して、毅然とした判断を降すことが当然のことであるはずです。

「安全運転」という逃げ腰では国民を守ることは出来ません。

正々堂々と議論して、独立国としての国家主権を守り抜く責務があります。それが出来ない国会議員には、国政を託すことはできません。(文責・幸福実現党 三重県参議院選挙区代表 小川俊介)


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