[HRPニュースファイル517]祝成人☆新成人の皆さまへのメッセージ

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本年、成人の日を迎えられた120万人の新成人の皆さま、希望に満ちた成人式を迎えられますことを心よりお祝い申し上げます。

成人を迎えられた皆さまの中には既に社会人として活躍されている方、また専門学校で技能を修め、短大、大学で学問に励んでいる最中の方もいらっしゃるでしょう。

お一人おひとりが希望を持って成人式を迎えられたことと思います。

◆父母への感謝

私たち一人ひとりには父母がいます。その父母には、またそれぞれ父母がいます。それを繰り返して20代まで遡っていくと、その人数は104万人になります。

その中の一人でも欠けていれば、自分の命はこの世に存在していません。そのことに気が付けば、今まで自分の命を育んでくれた父母に感謝せずにはいられないことと思います。

更には、これから皆さまが結婚し子供を授かる日が来れば、また、多くの命が未来に誕生します。それが連綿と続いていくのです。

自分の命が欠ければ、生まれるべき命もこの世に生を受けることは出来なくなります。

◆先人が築いた「チャンスの平等」

今、私たちが生きている時代は、祖先の努力の上につくられています。

もし、幕末の先人たちが、近代化に取り組むことなく江戸時代が今でも続いていれば、私達は、まだ「ちょんまげ」を結っていたかも知れません。

明治時代には、生まれた身分で地位が決まるのではなく、誰にもチャンスが平等に与えられ自分の努力で立身出世できる時代をつくりあげました。

その時代を象徴するかのように、学問を修めることで出世が出来ることを説いた福沢諭吉の『学問のすすめ』が当時のベストセラーとなりました。

また当時の覇権国家イギリスがなぜ覇権国家と成り得たのか、その理由は「自助努力」にあったことに気づいた中村正直は、サミュエル・スマイルズ「自助論」を翻訳し日本に紹介、この書籍も当時、広く読まれ明治をつくる「時代精神」になっています。

〈参考〉福沢諭吉著『学問のすすめ』⇒http://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=446

〈参考〉サミュエル・スマイルズ著『自助論―西国立志編』⇒http://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=444

「チャンスの平等」の時代は今でも続いています。努力で自らの人生を自由に切り拓くことを許されていることは幸福なことです。

もし別の国に生まれていれば、そうしたチャンスに恵まれることもなかったかも知れません。

◆「選挙権」の意義

また成人式を迎えた皆さまが、これまでなかった権利として「選挙権」が与えられます。「選挙権」は、政治に参加できる一つの権利であり、江戸時代には考えられなかったことです。

「選挙権」は明治の近代化の過程で、血のにじむような活動の末に勝ち取られた国民の権利です。

しかし、先の衆院選の投票率は約59%で過去最低でした。政治に対する失望の空気が国民の中に広がり、自分ひとりが選挙に行っても何も変わらないと思っているからでしょう。

これでは選挙権を確立するために奔走した先人の努力を無駄にしているようなものです。

世界には、限られた為政者の下で国の方針が決められ、政治参加も出来ない国がたくさんあります。

しかし、日本は国民の誰もが政治に参加する権利を与えられた恵まれた国であることを再認識する必要があるのではないでしょうか。

◆この国をより良くするために

内村鑑三は著書『後世への最大遺物』の中で、天文学者のハーシェルが20歳ばかりのときに彼の友人に語ったという「わが愛する友よ、われわれが死ぬときには、われわれが生まれたときより、世の中を少しなりともよくして往こうではないか」という言葉を紹介しています。

私たちは、先人から自らの力で道を切り拓くことの出来る「チャンスの平等」の時代と、政治に参加できる「選挙権」を与えて頂きました。

そのように私たちの先人が「自分が生まれたときより、世の中を少しなりともよくしよう」としてきた結果、今の日本を形成しています。

日本の先人が築き上げた現代を享受している私たちは、今度は次の世代に、今よりもっと素晴らしいより良き国として、残していかなければならないのです。

某政党が掲げるような自分の「生活が第一」をモットーとして国から「もらう側」だけの国民が増えていけば、いつか国は滅んでしまいます。

父母に感謝し、今の日本を築いた先人に感謝し、今度は私たちが、より良い国を次の時代に残して行く番です。

自らの努力で道を切り拓き、「もらう側」ではなく「与える側」の立場に立って国創りをして行くことこそが私たち国民のマインドでなければなりません。

その第一歩として、今年の参議院選挙には、素晴らしい日本を築く志と政策を持った政党を選び、皆さまの清き一票を投じていただきたいのです。(文責・佐々木勝浩)


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