4月13日午前7時38分、北朝鮮による「人工衛星」と称する長距離弾道ミサイルの発射実験が行われ、高度120kmまで上昇した後、実験は失敗に終わりました。
北朝鮮のミサイル発射は、失敗はしものの、日本やアジア諸国の挑発的行為は地域の安全を脅かすものであり、断じて容認できません。同時に、野田政権の危機管理の重大な問題も露呈しました。
7時40分過ぎには米軍の早期警戒衛星(SEW)による情報が日韓に同時に伝えられ、米韓メディアは50分ごろから速報を始めました。しかし、日本では官邸から関係機関に緊急情報を伝える「Em-Net(エムネット)」での第一報が8時3分で、内容も「わが国としては確認していない」というものでした。
日本政府がミサイル発射を正式に公表したのは、ミサイル発射44分後の8時22分の田中防衛大臣の緊急会見で、内容も「何らかの飛翔体が発射されたとの情報がある」という曖昧なもので、1分弱で打ち切られました。この時点で、既に韓国国防省は「発射失敗」を発表しています。田中防衛大臣が「失敗だった可能性が高い」と発表したのは、なんと10時9分の会見でした。
今回、発射情報を自治体に速報する「Jアラート」(全国瞬時警報システム)は作動せず、自治体向けの緊急情報ネットワークシステム「Em-Net(エムネット)」の第1報も発射に20分以上遅れての午後8時3分に公表されました。(4/3 産経「瞬時警報システム作動せず 専門家『危機管理上、大いに問題』」⇒http://goo.gl/zx9Qi)
しかも、8時3分の発表は「発射を確認していない」という内容(http://goo.gl/C612j)ですが、この時点で既に官邸はアメリカから発射情報を得ており、全国に虚偽の送信していたことになります。
本来の計画では、日本政府はJアラートとエムネットの二段構えで発射情報を発信する予定でした。速報性はJアラートが優れ、アメリカが運用する早期警戒衛星が発射を探知してから2分ほどで防災無線などから避難を呼びかけることが可能とされてきましたが、いずれも機能しませんでした。
発射が失敗に終わっていなければ、既にミサイルが日本上空を通過している8時過ぎの段階で、政府がミサイル発射情報を掌握、伝達できていなかったことは極めて重大な問題です。日本領土に落ちてくるようなことがあれば、避難は完全に手遅れになり、火の海に陥っていた危険があります。
今回打ち上げられた弾道ミサイルは自己着火性を持つ「ヒドラジン」と「四硫化二窒素」という有毒物質を用いたハイパーゴリック推進剤による液体燃料方式によるものであったことを考え併せると、国民保護の上からも、情報の伝達は迅速に行うべきでした。
官邸は「誤情報を出さないために、ダブルチェックしていた」と釈明していますが、日本が整備するミサイル防衛の探知システムであるJ/FPS-5とJ/FPS-3改の2種類の警戒管制レーダーの性能は、ミサイルが水平線を超えればすぐに探知することができ、またそれを追跡することが可能なシステムです。このことから、少なくとも防衛省はこれを使用して情報を把握していたはずです。
防衛省からの情報は首相官邸に入る仕組みになっていますから、すべては収集された情報を使い、迅速に国民に伝えなかった首相官邸の怠慢そのものです。
今回のミサイル実験を巡る一連の怠慢は、野田首相、田中防衛大臣、藤村官房長官ら民主党政権の“気の緩み”から来ています。誤発表を恐れるあまり、「間違いないと判明するまで何も発表しない」という方針を取った野田政権の判断は、打ち上げが失敗していなければ、国民を危機に陥れていました。
今回のミサイル発射は、実績に乏しい金正恩氏の権威付けを急いだものでしたが、発射が失敗に終わったことで、金正恩氏の権威を取り戻すべく、さらなるミサイル発射や核実験の強行、前倒しも推測されます。
もはや「国民の生命・安全・財産」を軽視する民主党政権に、日本を任せることはできません。野田政権は即刻、退陣すべきです。
また、北朝鮮は打ち上げ失敗を認めていますが、北朝鮮としては弾道ミサイルの信頼性を上げるために失敗するリスクを承知で実験を行った可能性も考えられます。
今回の弾道ミサイルは3年前に発射された「テポドン2号」とほとんど変わらず、1段目は「ノドン」とみられる4本の中距離弾道ミサイルを束ねたもので、専門家は、今回の実験がプログラムした通りにミサイルの飛行や切り離しが確実に行えるかどうかを検証するのが目的ではないか指摘しています。(4/9 NHK⇒http://goo.gl/kn0zq)
今回打ち上げられたロケットは、「ノドン」と見られる信頼性の高い複数のロケットブースターを束ねて総合的な推力を上げる「クラスターロケット」であると見られますが、クラスターロケットは制御が難しいという欠点があります。
こうしたクラスターロケットが開発できるような段階にまで北朝鮮のロケット技術が進展したことは、日本を狙っている中距離弾道ミサイル「ノドン」の信頼性が増していることを意味しています。
今回の長距離弾道ミサイル「テポドン2号」の打ち上げ失敗は、射程となり得るアメリカにとっては一安心ですが、日本にとっては別の意味で脅威が増したことを意味します。その意味で、今後、日米間に北朝鮮に対する温度差が生じることも懸念されます。
今、日本がなすべきことは、今回の国連安保理決議に違反するミサイル発射を受け、ミサイルの信頼性を向上させるような実験を二度とさせないよう、米国、韓国や国際社会と連携して北朝鮮に圧力をかけ、「核の刀狩り」まで追い込むことであります。(文責・黒川白雲)
[HRPニュースファイル242]【北ミサイル失敗】日本の危機管理は大丈夫か?
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4/13 Happiness Letter787〔幸福実現News号外発行!〕
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毎週金曜日連載のフジサンケイビジネスアイ「ついき秀学のMirai Vision」。本日のタイトルは「政府は中国に人権状況改善を要求せよ」です。
中国政府による宗教弾圧・人権侵害に対し、チベット族の焼身抗議が相次ぐ中、日本としてなすべきことは何か、ついき党首が論じます。是非、御一読ください。
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4月12日(木)21:00~の幸福実現TVは「日本の生命線・台湾」と題して、あえば直道広報本部長の台湾訪問の報告を交え、日本にとって台湾はいかに重要であるかについてお伝え致しました。
Video streaming by Ustream☆゜・:.。. .。.:・゜
【幸福実現News号外】「北朝鮮ミサイル燃料注入 今日にも発射か!?」をダウンロード頂けます。国防意識の強化に向け、ぜひ、全国で積極的に配布ください!
昨今の北朝鮮情勢のミサイル発射準備に関連して、幸福実現党から機関紙の号外(幸福実現News号外)を発行し、以下の提言を致します。
【幸福実現党の国防強化策】
・憲法九条を改正し、防衛予算を増強、自衛隊の増員や装備の充実・強化を図り、自衛隊を自衛軍として明確に位置づけ交戦権を認める。
・憲法改正までの間、北朝鮮のような身勝手なミサイル発射を抑止するため、「日本の平和を脅かす国家に憲法九条は適用されない」という憲法解釈により、主権国家として国際法上当然認められる自衛権を確立する。
・日本及びアジアの平和と安定のために、日米同盟を強化、韓国とも連携し、外交的・軍事的包囲網によって、北朝鮮の「核の刀狩り」を迫る。
チラシダウンロード(PDF)⇒http://goo.gl/DS1SE
また、日本とアジアの未来を守るために、今、私たちが知るべき危機と真実とは?4/11(水)に3冊同時発刊した書籍チラシも合わせてご活用ください。
4月11日3冊同時発刊書籍チラシ(PDF)⇒http://goo.gl/vn7fU
[HRPニュースファイル241]脱・無責任外交――日本から平和と秩序を世界に発信する気概を!
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4月11日に、金正恩氏が北朝鮮労働党の「第一書記」に就任しました。父・金正日を「永遠の総書記」とし、金正恩氏が新設した、北朝鮮労働党の「第一書記」に就任の背景には、父・金正日の権威を高め、その「遺訓」に従って統治をしていくことを宣言することで、3代世襲を正当化して、金正恩体制への求心力と安定化につなげる狙いがあるようです。
4月12日から、先軍思想(軍事優先)路線の象徴と見られる、衛星と称した長距離弾道ミサイルの発射予告期間に入りました(発射予告期間は、4月12日~16日:午前7時~正午)。
12日に発射は行なわれませんでしたが、今後も万全の対応が必要です。ロシアのインテルファクス通信は、北朝鮮が「衛星打ち上げ用運搬ロケット」と説明する長距離弾道ミサイルの発射は14日になる見通しと報じています。
今後も4月13日に、金正恩氏が最高人民会議で国防委員長に就任予定、4月15日に金日成主席生誕100周年と、大きな節目が続きます。
衛星と称した長距離弾道ミサイルの発射の動向にも十分な警戒が必要なことはいうまでもありませんが、さらに、これからの「日本の防衛をいかにするか」についても政府は考えを示すべきです。
なぜなら、過去の長距離ミサイル発射後(2006年7月、2009年4月)の数ヶ月以内に「核実験」を行なっており、日本の安全への大きな脅威が生じうるからです。
実際、北朝鮮が北東部・咸鏡北道豊渓里(プンゲリ)の核実験場で3回目となる核実験を準備しているとの見方を韓国政府消息筋も明らかにしており、アメリカの商業衛星からもその状況が確認されています。
日本は、国連安全保障理事会で「追加制裁決議採択」を目指し、国際社会で適切に対処する方針を、アメリカのクリントン国務長官と確認しています(4/12 産経)。
また、米ワシントンで開幕した主要8カ国(G8)外相会合の冒頭で、「われわれ(8カ国)は朝鮮半島の安定という強い利益を共有していると考える。そのために最善策を話し合う」とし、国際社会の連携を深める模索をしていますが、北朝鮮に大きな影響力のある中国が不在であることから、効果が疑問視されています。
さらに、忘れてはならないことは、2009年の北朝鮮のミサイル発射の際に、安全保障理事会での決議を求めましたが、当時は、中国とロシアが「強硬だと反対」し、法的拘束力のない「議長声明」としてアメリカが妥協したことです。アメリカ任せにも限界があります。
また、韓国では4月11日に総選挙の投開票が行なわれ、保守系与党のセヌリ党(旧ハンナラ党)が、全300議席のうち過半数となる152議席を確保し勝利しましたが、対北朝鮮政策は争点化せず、経済成長や福祉が主要な争点であったようです(4/12東京)。
対北朝鮮については、日本から率先して、韓国に働きかけていく必要があります。やはり、他国任せではなく、日本として自国の安全を守り、また他国に対して働きかけていくのかという「安全保障戦略」をしっかりと提示する必要があります。
そのためにも「武器協同開発戦略」をはっきりと持つ必要があるのではないでしょうか。
日本は、武器輸出三原則の緩和を受け、防衛装備品の共同開発と生産に乗り出すことを、イギリスと合意しました。イギリスとの共同声明には、日本の国連常任理事国入りを支持することも盛り込まれています(4/11毎日)。
イギリス以外にも、フランス、イタリア、豪州などから、水面下でのオファーもあるようです。日本の高い技術力への期待はもちろんあるでしょうが、日本としては、どの国とパートナーシップを組むかを戦略的に考えることは、日本としての安全保障の考え方を打ち出すことにも繋がります。
日本としては、シーレーン防衛など、国益の観点を踏まえて、アジア諸国とも、パートナーシップを広げるべきです。
武器輸出緩和すること自体が争いを助長するという反対の声もありますが、日本が平和を愛する国なのであれば、日本からの意見を発信して、争いの火種を刈り取るためにも、日本との価値観―「平和を愛する諸国民への信頼」―を共有できる国とのパートナーシップを構築するべきです。
日本では、税金など国内問題ばかり議論していますが、集団的自衛権の解釈、憲法9条の改正など、日本のこれからの防衛のあり方を論ずるべきです。
自分の国は自分で守る。これは国民の幸福の前提です。弱腰外交、他国任せ、日本海にミサイルが打ち込まれても何もいえない、「無責任外交」はもうやめにしなくてはなりません。
日本は大国です。自分の国のことだけを考える段階はとっくに過ぎています。むしろ、日本が世界の中心となって、平和の価値観と秩序を築き上げる強い決意と行動が必要なのではないでしょうか。(文責・吉井としみつ)
[HRPニュースファイル240]日銀の金融政策「据え置き」では不十分
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日本銀行(以下日銀)は4月10日の金融政策決定会合で、金融政策の現状維持を発表しました。唯一変化があったのは、成長分野に対しての貸付強化だけです。貸し付け総額は120億ドル。受付期間は2014年3月末までとすることを発表しています。⇒http://bit.ly/HuCCU4
同じく、日銀はデフレ脱却と経済成長を「極めて重要であると認識している」と表明しています。政府内でも、デフレ脱却のための閣僚会議を新設し、4月内には日銀の白川総裁もオブザーバーとして参加する方向性を定めました。
政府と日銀は、表向きはデフレ脱却と金融緩和に向けた姿勢を示したことは評価できます。ただ、結論としては、1%の物価上昇率を達成するのに「現状維持」では不十分です。
◇なんと金融引き締めをしていた!
加えて、指摘しなければいけないのは、表向きの態度とは裏腹に、日銀は通貨供給量を絞っていたことです。
4月3日に発表された市中に流通する現金と日銀当座預金で構成される通貨供給量は3月、対前年同期比0.2%減と減少。2008年8月以来3年半ぶりの減少に転じました(2月の、11.3%増から大幅に縮小した)。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券景気循環研究所の嶋中雄二所長は、「まるで金融引き締めを実施したような収縮ぶりだ」と指摘しています。⇒http://bit.ly/IkLB6L
同氏は、日銀が通貨供給量を増やさないと、再度円高デフレが進行することに懸念を表明しています。
◇元日銀副総裁が苦言
日本経済研究センター理事長であり、元日銀副総裁の岩田一政氏も更なる金融緩和を提言。具体的には、長期国債買い入れを増やすなどを実施し、2%の消費者物価指数の上昇が必要であることを指摘(ただし2%は決して高くなく、不十分)。
もう一つ、岩田氏が注目すべき発言をしたのは「日銀券ルール」に関するものです。日銀券ルールとは、長期国債保有額を日銀券発行額の限度内に収めるものです。
ただし、早稲田大学の若田部昌澄教授によれば、「経済学的な根拠はない」とされ、量的緩和を導入する時に、いわば日銀が「勝手に」決めたものとして批判しています。
岩田氏は、「日銀券ルールは、経済が順調に成長しているとき通貨を供給するための、いわば平時のルール。戦時のルールではない。(中略)長期国債の買い入れを始めた2010年10月をもって日銀券ルールは放棄された」とまで発言しています。⇒http://bit.ly/IdHt8Y
実質上「日銀券ルール」が放棄されているならば、岩田氏が指摘するように長期国債買い切りオペを断行するべきであって、「金融引き締め」をするべきではありません。
◇金融緩和のカギは「インフレ予想」と期待に働きかけること
金融政策には効果があります。
例えば、08年のリーマン・ショック時に米英の中央銀行が2倍以上バランスシートを拡大し、デフレと景気悪化を食い止めたのは金融緩和でした。米英の景気回復は緩慢ですが、少なくともデフレは止めています。
FRBのバーナンキ議長をはじめ、世界の中央銀行が大量の株や証券など購入をして通貨供給を増やしたのは、大恐慌や日本のバブル崩壊の反省に基づいているからです。言い換えれば、「不況から恐慌を食い止めるためには金融緩和が必要」という共通認識が、中央銀行関係者には共有されているのです。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング経済・社会政策部主任研究員の片岡剛士氏の研究によれば、昭和恐慌や米国の大恐慌からの経験は次のようにまとめられます。
金融緩和→デフレ予想の払拭→資産価格上昇→資産が増えることでの消費拡大や為替レートの円安による輸出企業の業績改善等→総需要の増加→デフレ脱却→企業の借り入れ増による金融システムの復活。詳細はこちら⇒http://bit.ly/Hx4juD
つまり、上記のような過程を経て初めてデフレ脱却が可能となるのです。現在の日銀の金融政策では規模が小さく、一過性の効果しかもたらしません(実際、日経平均株価は下がり始めている)。
言い換えれば、金融政策が効果を発揮するには一定の時間が必要だということ。さらに言えば、人々がマイルドなインフレになるという期待が起こるまで継続すべきです。
今後の課題としては、金融政策の目標達成責任を明確にすること。事実上のインフレ目標を導入した以上、日銀法の改正も視野に入れた金融政策の実効性を高める努力も必要となることでしょう。 (文責:中野雄太)
[HRPニュースファイル239]日本はグローバルな安全保障戦略を構築せよ!
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オーストラリア北部の都市ダーウィンに4月3日夜、同地に駐留を始めるアメリカ海兵隊の第1陣約200人が到着したとオーストラリア政府が発表しました。
駐留は2011年11月にオバマ米大統領が同地で発表したアジア太平洋地域への米軍再配置計画の一環で、アメリカ海兵隊は今後6カ月交代でオーストラリアに常駐し、有事に備えた訓練をオーストラリア軍と共同で実施し、同盟関係を強化する予定です。
アメリカにとってオーストラリアは、日本に次ぐ同盟国であると言え、両国は日本よりも濃い関係にあると言えます。
オーストラリアは第一次世界大戦以降にアメリカが参加した戦争すべてに派兵した唯一の国であり、アメリカにとって「死活的国益」である「西半球防衛」という観点から、オーストラリアとの同盟関係は必須であると言えます。
では、アメリカはなぜこの時期にオーストラリアのダーウィンに軍事力を配備するのでしょうか?
オーストラリアのアジアへの玄関口であるダーウィンは、エネルギーや食糧の重要な「シーレーン」となっているマラッカ海峡やインド洋に近接しています。
特に、ダーウィンはマラッカ海峡を通航することなくインド洋に展開できる拠点であり、インド洋を睨んだものであると見られます。
アメリカがインド洋において、このような戦略を取る理由は、ひとえに中国のインド洋における戦略的展開にあります。
中国は「真珠の首飾り戦略」によって、パキスタン、スリランカ、バングラデシュ、ミャンマーなどに手を伸ばし、港湾建設に投資するなどの関与を推進し、艦艇が寄航できる港湾を確保し、インド洋権益を確立する体制を整えつつあります。
インド洋を舞台として、米国と中国のグローバルな戦略が衝突する形となりますが、日本も、もっとグローバル(汎地球的)に物事を考え、安全保障戦略を立てるべきです。
なぜなら、中東の原油にエネルギー安全保障を依存している日本にとっては、マラッカ海峡における安全な運航を維持していくことは死活的に重要だからであり、その重要度はアメリカとは比較にならないくらい大きいからです。
在日米軍再編見直し協議では、沖縄からグアムへ4200人、オーストラリアやハワイなどに3500人の海兵隊を移転させ、この中に地上戦闘部隊の大半が含まれることがほぼ固まりました。
日米両政府は米軍が国外に分散配置されても、「太平洋全体で日本への脅威に対抗できる」と説明していますが、局所的な米海兵隊のプレゼンス低下を補完するためには、憲法9条を改正し、「自主防衛」を強化していく必要があります。
中国の飽くなき覇権主義を抑えていくためには「自分の国は自分で守る」という「自主防衛」の基本に立つと共に、アメリカを代表とする日本と利害を同じくする多くの国々と連携し、シーレーン防衛等、グローバルな安全保障戦略を早急に構築すべきです。(文責・黒川白雲)
[HRPニュースファイル238]不誠実な野田首相の対話集会――野田首相はまず、国民の信を問え!
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野田首相は7日、社会保障・税一体改革に関する政府主催の「明日の安心」対話集会に初めて出席し、自ら消費税増税への理解を訴えました。
この対話集会は2月からスタートし、民主党の議員が、社会保障・税一体改革の必要性を訴えてまわり、今までに32府県をめぐりました。
会場に選ばれたのは兵庫県西宮市の甲南大学。若者を中心に現役世代が集まりました。首相は、集会前に「一体改革は若者の支持が低い。若者の理解が大切だ」とアドバイスを受けていたということです。
質問のトップバッターの19歳男性は「増税は仕方がない。高齢化で年金の負担が増えていくことは避けられない」と理解を示す質問でした。
首相は「今日よりも明日が良くなるという展望を持つためには一番の不安を取り除くことが前提。一番の不安は、社会保障の持続可能性だ」などと応じ、対話集会では、社会保障の説明にかなり多くの時間を割きました。
つまり、首相が強調したかったのは、「社会保障・税一体改革は、若者の将来の安心につながりますよ」ということです。
しかし、消費税増税によって、現行の日本の社会保障、特に年金制度を維持することは、もはや不可能と見られます。
東京財団上席研究員の原田泰氏の試算によれば、高齢者一人あたりの社会保障給付費を現状の水準で一定とし、名目GDPが生産年齢人口に連動して減少していくと仮定すれば、社会保障給付費の増加分を全て消費税で賄うなら、実に58.8%もの税率アップが必要と予測されています。
60%超の消費税率は誰がどう見ても非現実的です。「できない」ことを「できる」と言って、お金を集めるのは、無限連鎖講(ネズミ講)と同じ詐欺行為です。
野田首相が強調する「社会保障と税の一体改革」は絵空事と言わざるをえません。
また、野田首相は「未来世代にツケを回さない」と語っていますが、そもそも、これまでの政治家や官僚による予算管理や年金管理・年金予測の杜撰(ずさん)さによって窮状に至っているのであり、それを「増税」という形で「国民にツケをまわしてはならない」のは当然のことです。
増税しても税収が増えるとは限りません。税収増は、経済成長によってこそ可能になります。政治家は、若者に対して、経済成長、所得倍増、GDP2位奪還作戦、自助努力の精神など、もっと夢やビジョンを語り、若者が「夢を持てる国・日本」を目指すべきです。
「下山の思想」が流行る時代、もう一度、「坂の上の雲」を目指して、国のあるべき姿を次世代に示すのが政治家の責務です。
日本が高度経済成長を成し遂げた後、政治家も官僚も「国家の未来ビジョン」を持てず、目先の問題の解決に追われているのが現状です。
「現状維持」を前提とするのが官僚の発想であり、「現状打破」を行うのが政治家の発想です。野田首相の発想はせいぜい「官僚」レベルです。
そして野田首相は、のうのうと対話集会で「増税キャンペーン」を行う前に、2009年の衆院選で「消費税を上げない」と公約したのにもかかわらず、消費税増税法案を国会に提出したことについて、全国を「懺悔(ざんげ)キャンペーン」して回るべきです。
野田首相のような不誠実な大人の態度を若者は見ています。そして、国民は政治への不信感を募らせています。
消費税を増税をしたいなら、民主党政権は衆議院を解散し、正々堂々と「消費税増税」をマニフェストに掲げて選挙で戦い、「国民の信」を問うべきです。(文責・竜の口法子)
[HRPニュースファイル237]迫る北朝鮮ミサイル発射――北朝鮮の「核の刀狩り」を迫れ!
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韓国政府当局者は7日、北朝鮮が「人工衛星」打ち上げと称して発射を予告している長距離弾道ミサイルの1段目のブースター(噴射装置)が6日までに、北西部・平安北道にある東倉里(トンチャンリ)基地の発射台に設置されたことを確認しました。(4/7読売)
北朝鮮は12~16日の間を発射予告していますが、13日には、金正恩が最高指導ポストの国防委員長へ就任する最高人民会議があり、15日には金日成生誕100年の記念行事が予定されています。
以上の点から13日の「最高人民会議」と15日の「金日成生誕100年の記念行事」の間の14日、世界の報道陣を前にミサイルを発射、金正恩を北朝鮮の「将軍」として祭り上げる「祝砲」とするのではないかという見方もあります。(4/7 読売「北朝鮮ミサイル、14日発射有力」⇒http://goo.gl/apDrV)
北朝鮮の長距離弾道ミサイル試射は1998年にテポドン1号、2006年と09年にテポドン2号が行われました。そこから2つの教訓を見出すことが出来ます。
一つ目の教訓は、非常任理事国である日本が、国連で国際社会に北朝鮮に対する強い姿勢を訴えても、常任理事国である中国が北朝鮮をかばい、制裁決議を妨げて来た構図があります。
今回の場合も、日本の玄葉外務大臣は、中国で行われた日中韓三か国外相協議で、中国の楊潔チー外相に対し、中国が密接なパイプを持つ北朝鮮に、発射中止を働きかけるよう要請、「発射を中止させる」と強い言葉を引き出したとされます。(4/8 朝日⇒http://goo.gl/DNRcd)
しかし、中国は北朝鮮を利用して日米韓を牽制しながらアジアの覇権を狙っているため、中国を通して北朝鮮のミサイルを封じることは事実上、不可能です。
国連を通して日本が北朝鮮のミサイル発射を封じ込める力を持つためには、日本は戦略的に「常任理事国入り」を目指す必要があります。
二つ目の教訓は、2006年7月、2009年4月の過去2回のミサイル発射後、数か月以内に「核実験」を行っているということです。
これは、ミサイルの性能と射程距離を誇示すると共に、「核弾頭」をいつでも搭載できる実力を持っていることを国際社会に知らせることが目的です。
ですから、ミサイル発射と核実験はセットで実行されることは間違いありません。既に、韓国情報当局者は8日、「北朝鮮が過去2回の核実験を実施した咸鏡北道・豊溪里で3回目の核実験を密かに準備している」ことを掴んだことを明らかにしています。
最近撮影した商業衛星映像を分析した結果、従来の二つの坑道以外に新しい坑道を掘削しており、工事が最終段階にあることが確認されています。(4/8 中央日報「北朝鮮で3回目核実験の動き=韓国情報当局」⇒http://goo.gl/4mq73)
北朝鮮のミサイル性能の向上と核弾頭の小型化成功が組み合わされば、「核武装国」としての脅威が増し、日本のみならず、アジアを不安定に陥れます。
こうした事態を受け、米韓両国は北朝鮮の内戦を想定して、韓国軍を直接北朝鮮内に10万人を投入する米韓軍合同演習(キー・リゾルブ)を2月末から3月初めに実施しました。(4/6 朝鮮日報「韓米両国、北の内戦を想定し初の訓練」⇒http://goo.gl/vWbZg)
米軍が関わって韓国軍の北朝鮮直接投入を想定した訓練は初めてのことです。
訓練は金正恩体制移行期の不安定化した情勢にあって内部の分裂と強硬派の抵抗を想定したもので、米韓軍としては、核開発にまで踏み出している北朝鮮をいかに管理するかを課題としています。(4/7 産経)
これに抗する意志表示なのか、北朝鮮は3月29日、2発の地対艦ミサイルとみられるミサイルを西部沿岸地域から発射しました。これを見ても、北の3回目のミサイル発射、3度目の核実験の流れは避けられないものと考えられます。
日本外交の方向性としては、北朝鮮と裏で同盟関係にある中国にどんな働きかけをしたところで効果はなく、米韓と連携し、外交的・軍事的包囲網によって、北朝鮮の「核の刀狩り」を迫るべきです。
そのためには、日本は憲法9条改正、若しくは集団的自衛権の行使を認めるための憲法9条解釈の見直しが急務です。
日本は「国家の気概」を取り戻すか、それとも、座して国家の滅亡を待つのか、「最終の分岐点」に立っていると言えます。(文責・佐々木勝浩)
[HRPニュースファイル237]迫る北朝鮮ミサイル発射――北朝鮮の「核の刀狩り」を迫れ!
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韓国政府当局者は7日、北朝鮮が「人工衛星」打ち上げと称して発射を予告している長距離弾道ミサイルの1段目のブースター(噴射装置)が6日までに、北西部・平安北道にある東倉里(トンチャンリ)基地の発射台に設置されたことを確認しました。(4/7読売)
北朝鮮は12~16日の間を発射予告していますが、13日には、金正恩が最高指導ポストの国防委員長へ就任する最高人民会議があり、15日には金日成生誕100年の記念行事が予定されています。
以上の点から13日の「最高人民会議」と15日の「金日成生誕100年の記念行事」の間の14日、世界の報道陣を前にミサイルを発射、金正恩を北朝鮮の「将軍」として祭り上げる「祝砲」とするのではないかという見方もあります。(4/7 読売「北朝鮮ミサイル、14日発射有力」⇒http://goo.gl/apDrV)
北朝鮮の長距離弾道ミサイル試射は1998年にテポドン1号、2006年と09年にテポドン2号が行われました。そこから2つの教訓を見出すことが出来ます。
一つ目の教訓は、非常任理事国である日本が、国連で国際社会に北朝鮮に対する強い姿勢を訴えても、常任理事国である中国が北朝鮮をかばい、制裁決議を妨げて来た構図があります。
今回の場合も、日本の玄葉外務大臣は、中国で行われた日中韓三か国外相協議で、中国の楊潔チー外相に対し、中国が密接なパイプを持つ北朝鮮に、発射中止を働きかけるよう要請、「発射を中止させる」と強い言葉を引き出したとされます。(4/8 朝日⇒http://goo.gl/DNRcd)
しかし、中国は北朝鮮を利用して日米韓を牽制しながらアジアの覇権を狙っているため、中国を通して北朝鮮のミサイルを封じることは事実上、不可能です。
国連を通して日本が北朝鮮のミサイル発射を封じ込める力を持つためには、日本は戦略的に「常任理事国入り」を目指す必要があります。
二つ目の教訓は、2006年7月、2009年4月の過去2回のミサイル発射後、数か月以内に「核実験」を行っているということです。
これは、ミサイルの性能と射程距離を誇示すると共に、「核弾頭」をいつでも搭載できる実力を持っていることを国際社会に知らせることが目的です。
ですから、ミサイル発射と核実験はセットで実行されることは間違いありません。既に、韓国情報当局者は8日、「北朝鮮が過去2回の核実験を実施した咸鏡北道・豊溪里で3回目の核実験を密かに準備している」ことを掴んだことを明らかにしています。
最近撮影した商業衛星映像を分析した結果、従来の二つの坑道以外に新しい坑道を掘削しており、工事が最終段階にあることが確認されています。(4/8 中央日報「北朝鮮で3回目核実験の動き=韓国情報当局」⇒http://goo.gl/4mq73)
北朝鮮のミサイル性能の向上と核弾頭の小型化成功が組み合わされば、「核武装国」としての脅威が増し、日本のみならず、アジアを不安定に陥れます。
こうした事態を受け、米間両国は北朝鮮の内戦を想定して、韓国軍を直接北朝鮮内に10万人を投入する米韓軍合同演習(キー・リゾルブ)を2月末から3月初めに実施しました。(4/6 朝鮮日報「韓米両国、北の内戦を想定し初の訓練」⇒http://goo.gl/vWbZg)
米軍が関わって韓国軍の北朝鮮直接投入を想定した訓練は初めてのことです。
訓練は金正恩体制移行期の不安定化した情勢にあって内部の分裂と強硬派の抵抗を想定したもので、米韓軍としては、核開発にまで踏み出している北朝鮮をいかに管理するかを課題としています。(4/7 産経)
これに抗する意志表示なのか、北朝鮮は3月29日、2発の地対艦ミサイルとみられるミサイルを西部沿岸地域から発射しました。これを見ても、北の3回目のミサイル発射、3度目の核実験の流れは避けられないものと考えられます。
日本外交の方向性としては、北朝鮮と裏で同盟関係にある中国にどんな働きかけをしたところで効果はなく、米韓と連携し、軍事力を背景にした外交的努力によって、北朝鮮の「核の刀狩り」を迫るべきです。
そのためには、日本は、憲法九条を即刻改正し、早急に日本の国防強化を進めていくべきです。
日本は「国家の気概」を取り戻すか、それとも、みすみす国家の滅亡を待つのか、「最終の分岐点」に立っているのです。(文責・佐々木勝浩)
4/8 Happiness Letter786〔ロシア・プーチン新大統領と帝国の未来〕
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■緊急発刊!『ロシア・プーチン新大統領と帝国の未来――守護霊インタヴュー』⇒http://goo.gl/N10f2
プーチン大統領の本音が明らかになる、守護霊インタヴュー。中国が覇権主義を拡大させるなかで、ロシアはどんな国家戦略をとるのか!? 日本の未来にも多大な影響を与えるロシア大統領の本心に迫る。
目次
・プーチン氏の「本音」を引き出したい
・今回の大統領選を振り返る
・「強いロシア」とは何なのか
・「ロシアの未来」と国際情勢の見通し
・「ロシア経済の発展」は何が目的か
・「宗教・民族問題」をどう考えるか
・プーチン氏の驚くべき「過去世」
・北方四島返還の条件
■「消費税増税に反対する請願」署名について
「消費税増税に反対する請願」署名を、第二次締切(最終締め切り)として、4/10(火)までに以下の宛先に、お送りいただきますようお願い申し上げます。
国民の声の結集が増税を食い止めます!一人でも多くの署名を集めて頂きますよう、お願い申し上げます。
郵送先:郵便番号104-0061 東京都中央区銀座2丁目2番19号 幸福実現党
■新ラジオ番組「ついき秀学の『日本の未来はここにあり』」について
4月8日(日)より、ついき秀学党首のラジオ番組が始まります。ついき党首が、ゲストと共に、今注目すべき事象に対して、正しい見方をわかりやすく解説します。司会は田中順子さんです。
第1,2回のゲストはハドソン研究所首席研究員 日高義樹氏
第3,4回のゲストは桐蔭横浜大学大学院教授 ペマ・ギャルポ氏です。
放送局:ラジオ大坂1314kHz 毎週日曜7:30~8:00、和歌山放送 毎週日曜20:00~20:30
放送エリアの詳細はこちら
ラジオ大阪 http://www.obc1314.co.jp/company/area.php
和歌山放送 http://wbs.co.jp/program/index.html
[HRPニュースファイル236]文科省の大学改革に未来はあるか?――「未来創造の砦」としての大学改革を!
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桜の花がほころぶ中、新学期がスタートしましたが、日本の教育界も新時代の門出に立とうとしています。
東京大学の懇談会は3月29日、学部の秋入学への全面移行を積極的に検討すべきだとする最終報告書をまとめ浜田総長に提出、東大は4月に正式な委員会を発足させ、今後5年をめどに全面移行を目指す(産経3/29)など、国際競争力の低下に危機感を抱く各大学におけるイノベーションが真摯に検討されています。
そのような中、4月3日、文部科学省は「大学改革」に向け、中央教育審議会大学分科会大学教育部会の「審議まとめ」として、「予測困難な時代において生涯学び続け、主体的に考える力を育成する大学へ」を公表しました。⇒http://goo.gl/9YBFk
今回の「審議まとめ」は、一言で言えば「大学は主体的に学ぶところである」という、当たり前の凡事徹底を促す内容です。
今、日本の大学生の国際的な学力低下が問題視されています。日本の学生の学修時間(授業、授業関連の学修、卒論)は一日4.6時間とのデータもあり、日米を比較をしても、かなり低いことが分かります。
授業に関連する学修の時間(1週間あたり)は、米国が0時間0.3%、1~5時間15.3%、6~10時間26.0%、11~15時間58.4%に対し、日本は0時間9.7%、1~5時間57.1%、6~10時間18.4%、11~15時間14.8%となっています(東京大学大学経営政策研究センター(CRUMP)『全国大学生調査』2007年)
一般に、「アメリカの大学は入学は簡単だが卒業が難しい」と言われているように、アメリカの大学では学問の成果を厳しく求めることで、必然的に自主的自律的に学修する環境が形成されています。
安易に卒業させるのではなく、より学修成果を重視した「単位取得」や「学士取得」にすれば、学修時間の確保も必然的に増えはずです。
「審議まとめ」は「予測困難な時代の中で、どんな状況にも対応できる多様な人材」が求められているとして、「教育環境の変化」に注目していますが、それ以前の教育力の低下を言い訳しているようにしか映りません。
振り返ってみれば、日本の繁栄を築かれて来た先人の方々も、いつの時代も、激しい変化の時代の中で、知恵を編み出して生き抜いて来たはずです。
さらに、「審議まとめ」においては、「質を高める」ことも課題としていますが、学生以上に、教授人材の学術的価値が問われている面もあります。
学生を惹きつける学際的研究成果を発表し続けている教授の下に、熱意ある学生が集まるものです。
やる気のない学生を手取り足取り指導してアベレージを高めることも大切でありますが、教授人材が世界的に影響力を持ち、学生を感化し得る見識と情熱を有していることが求められています。
最高学府において、国家の命運を賭けた新産業開発などを担う「天才教育」を推し進める投資も重要です。
本来、大学教育は「文明の進化」を規定するという意味で、「国家百年の大計」を超えた「新文明創造」に向けた責務があります。
新たな基幹産業、未来産業となり得る分野として、航空・宇宙産業・防衛産業・ロボット産業の創出、海洋開発、新エネルギー開発、食料増産などフロンティアは数多くあります。
世界的な競争に打ち克つ未来ビジョンを描く政治力を基点として、「産・学・官」の力を結集し、経済成長戦略の要となる新産業を生み出す、次世代の技術開発を実現する国家プロジェクトを構築するべきです。
そして、高い志と強い使命感、豊かな教養を備えた有為な人物を養成していくことを「大学の使命」とすべきです。
真の「大学改革」は、繁栄の未来を切り拓こうとする「未来創造の情熱」と、世界を牽引せんとする「国家の気概」から生み出されることを忘れてはなりません。(文責・小川俊介)