◆中国史から見る、大帝国建設の要因
中国歴代王朝における統治の、本質を突いた言葉があります。
「実は治世とは好景気のこと、乱世とは不景気の別名なる事が多い」(『中国史:上』宮崎市定(岩波全書)p.79)
中国の大帝国と言えば、唐・元・清ですが、それぞれの時代で繁栄を築いた要因として「対外交易の発展」が挙げられます。
唐時代には燃料革命がおこり、鉄器の生産が拡大しましたほか、ペルシア人やアラビア人との交易が盛んに行われていました。また、元帝国時代には東西交流が活性化し、清帝国時代にはキリスト教世界との貿易が活発となりました。
経済の発展が、大帝国を支える権力機構と軍事力の維持を可能とする。この構図は現在も変わっておりません。
◆失速する中国経済とその要因
急成長を続けてきた中国経済のエンジンは、(1)通貨の低いレートと安い労働力、低い資源コストと言った「輸出中心の経済成長」と、(2)98年から導入された住宅制度改革をきっかけとする「土地バブル」の二つに集約できます。
中国は、これら二つの強力なエンジンによって、軍事費増強の「元手」を稼いでいきました。
しかし、「輸出中心の経済成長」を目指した戦略は、米国による元のレート切り上げ要求や、人件費の高騰、新興国の台頭による世界的な資源価格の上昇によって破たんしていくことが確実視されています。(4/4 ロイター「中国の安い製造コストは過去のもの」⇒http://goo.gl/Q5o2U)
また、中国経済を力強くけん引してきた土地バブルも、崩壊が現実のものとなっています。(4/26 産経「不動産バブルの末期症状大幅な値下げ必至」⇒http://goo.gl/wEVgN)
◆「汚職」と「輸出不振」は中国経済崩壊の歴史的要因
中国評論家の石平氏は「中国における不動産価格高騰の一因に、独特の『不動産開発=汚職利権』の構造上の問題がある」ことを指摘しています。(『中国経済崩壊の現場』石平(海竜社)p.29)
唐帝国の衰退は、玄宗皇帝が楊貴妃を寵愛するあまり、宦官など官僚の専横を許してしまうなど、現代の中国と共通しています。さらに、急成長の要因となった輸出が振るわなくなり、大打撃を受けるというパターンは清帝国と共通点があります。
その底流には、諸外国を蛮族と見なして「朝貢外交」を求めるという、華夷秩序と呼ばれる世界観が流れています。当時の清帝国も、大英帝国との貿易を「対等な立場での貿易」ではなく、「天子への朝貢」として認識していました。(前掲『中国史:上』p.528)
帝国主義全盛の時代とはいえ、こうした清国の「自国中心的な態度」が英国をして「麻薬を売ってでも利益を取り返す」という悪名高い「阿片貿易」を招き、国の崩壊を招いた事実は否めません。
また、現在の中国経済の発展は、日本や米国などが中国製品の輸入先となり、育成されてきたものです。にもかかわらず、「ipad騒動」や「高速鉄道事件」が示すような国家ぐるみの知的財産侵害を平然と行うなど、相変わらず「自国中心的態度」を改めておりません。
こうした中国政府の態度は、やはり諸外国に対して「朝貢」を求める中華意識を受け継いだものと言えるでしょう。こうした中国の態度に対して、国際社会からは「元の切り上げ」圧力が高まると共に、TPPによって中国包囲網が形成され始めております。
◆「軍事力による富の収奪」を封じるべく、「自主防衛・日米安保」の強化を!
過去、中国において発生した「帝国」は、どれも経済の衰退によって滅んでいきました。地政学的要衝である「辺疆地帯」を抑える軍事力を維持することが困難となり、異民族の侵入を許してしまったからです。
景気変動の波を乗り越える手段やアイデアを持たない中国において、このまま経済の衰退が続けば、政治の民主化要求や経済の自由化要求が高まり、「第二の天安門事件」が起こる可能性も少なくありません。
しかし、注意しなければならないのは「軍事力によって他国の富を収奪する」という手段がまだ中国に残されていることです。それは「核の威嚇」によってなされることが予想されます。
幸いにも、5月1日の日米首脳会談で対中防衛を視野に入れた日米安保の強化が合意され、一段と中国の核に対する抑止力が高まった形となりましたが、野田首相には、もう一段、憲法9条改正によって「自主防衛」と「アジア防衛の役割」を果たす気概を示すところにまで踏み込んで頂きたいところでした。
昨日、幸福実現党は「憲法を変えて日本とアジアの自由を守る!国民集会&デモ」を開催致しましたが(⇒http://goo.gl/GDILa)、中国による「核の威嚇」を中心とした侵略行為を未然に防ぐためにも、今後とも「自主防衛強化」や「日米同盟強化」といった国防意識を喚起して参ります。(文責・HS政経塾1期生 彦川太志)
[HRPニュースファイル262]中国経済の崩壊と、軍事力行使に備えよ!
本ブログの内容がメールマガジンでも読めます。(※無料です)
[HRPニュースファイル261]今こそ、憲法改正が急務だ!――5/3(祝)「憲法を変えて日本とアジアの自由を守る!国民集会&デモ」開催!!
本ブログの内容がメールマガジンでも読めます。(※無料です)
5月1日、野田首相は、民主党の首相としてオバマ大統領と初の公式日米首脳会談を行いました。日本の首相による公式訪問はなんと2009年2月の麻生首相以来のこと。民主党政権では初めてで、同盟国でありながら、実に3年の空白が生じました。
そもそも今回の共同声明は、2010年の日米安保条約改定50周年に発表するはずでした。しかし、ルーピー(愚か者)と呼ばれた鳩山元首相は普天間移設問題で迷走して頓挫。菅前首相になって修復を図ろうとした時に東日本大震災が発生、公式訪問を果たせないまま退陣しました。
これを見れば、2009年の政権交代後、米国の日本への不信感は増大し、日米同盟強化の試みは大きく停滞したことが分かります。
野田首相になって、ようやく共同声明の発表にこぎつけることができましたが、前任者二人の首相のレベルがあまりにもひどすぎました。
日米共同声明では、自衛隊と米軍の「役割分担」を強く打ち出し、「アジア太平洋地域と世界の平和、繁栄、安全保障を推進するために、ありとあらゆる能力を駆使することにより、われわれの役割と責任を果たすことを誓う」ことを謳っています。
議会の軍事費削減圧力により、アジアから漸次的に後退していくことは避けられない米側は、日本にアジア太平洋地域の平和と安定を実現する責任と負担を求める内容となっています。(5/2 産経「防衛分担 問われる覚悟」)
すなわち、日本が現実にアジアの平和と安定に責任を持つ覚悟が求められているのです。(参考:4/28 [HRPニュースファイル256]日米両政府、日米共同文書を発表―アメリカの真意は「日本の自立にあり」⇒http://goo.gl/wIiWB)
そのためにも、日本は憲法九条を改正し、一日も早く「毅然たる国家」「自立国家」に立ち戻る必要があります。
5月1日付産経新聞1面トップには世論調査結果として、「憲法改正は必要」が6割に達したと報じています。⇒http://goo.gl/VW9Rz
また、「自衛隊の位置づけを明文化し、集団的自衛権を認めるべき」との意見も62%にのぼりました。憲法改正に前向きな国民の認識が明らかになっています。
憲法改正により、日本が「集団的自衛権」を行使することが、本当の意味で、日本が信頼に足る同盟のパートナーとなるのであり、アジアの平和や中東の安定に貢献することができるのです。
そして何より、日本の隣国には中国や北朝鮮という「覇権主義」「先軍政治」の独裁国家が存在します。
「抑止力強化」という意味では、憲法改正自体が、国民の生命・安全・財産を守ることに繋がります。
野田首相は「前任者よりマシ」と思われて満足していてはいけません。日米同盟の重要性を言うは首相として当たり前のこと。日本は大国として、憲法改正を視野におきつつ、より主体的に、明確な戦略目標を示すべきです。
中国の軍事拡張と米軍の後退が明らかならば、結論としては、日米同盟を堅持しつつ、日本は「自分の国は自国で守る」ことを国是として明確にすべきです。
今、必要なことは、日本が世界に対して「自らの防衛努力を本気でやるのかどうか」、その意思と行動を示すことです。
政権交代から2年7ヶ月余り。民主党政権の素人丸出しの外交を見てきて、それができるとは到底思えません。
思いつきや責任放棄で日本の安全保障の危機を作り出した民主党には、これ以上、この国を任せられません。民主党外交のツケを支払うのは国民です。
つきましては、幸福実現党は憲法記念日の明日5月3日(木・祝)、「憲法を変えて日本とアジアの自由を守る!国民集会&デモ」を東京・日比谷で協賛開催し、全国に憲法改正のうねりを起こして参ります!⇒http://goo.gl/zq8Dn
これは日本のみならず、アジアの全ての方々の「自由」を守るための戦いです!全国からも賛同者が駆けつけます!
幸福実現党支援者の皆さまは日本にとって、「最後の希望」です!ぜひ、本日、日比谷公園大音楽堂に大結集いただき、日本とアジアの「自由と繁栄を守る闘い」を始めて参りましょう!!(文責・竜の口法子)
5/2 Happiness Letter795〔【拡散】明日5/3(祝)「憲法改正を求めるデモ&集会」開催!!〕
本ブログの内容がメールマガジンでも読めます。(※無料です)
昨日5月1日、野田首相は、北朝鮮が先日のロケット発射に次いで、過去の例に倣って近い将来、核実験を行う「可能性が大きい」と述べました。(5/1 ウォール・ストリート・ジャーナル「北朝鮮は近い将来核実験行う可能性高い=野田首相」⇒http://goo.gl/Ow6Ya)
北朝鮮の核の小型化が完成すれば、いつでも日本に核ミサイルを打ち込める状態となり、わが国は危急存亡の時を迎えます。(参照:[HRPニュースファイル259]迫り来る北朝鮮の3回目の核実験――憲法改正に向け、「最後の決断」の時⇒http://goo.gl/iocm0)
日本国民の生命・安全・財産を守るためには、日米同盟をさらに強化・深化させるとともに、日本国憲法第9条を早急に改正し、中国・北朝鮮の軍事的脅威と対峙しうる国防体制の強化が急務です。
つきましては、幸福実現党は憲法記念日の明日5月3日(木・祝)、「憲法を変えて日本とアジアの自由を守る!国民集会&デモ」を東京・日比谷で協賛開催し、全国に憲法改正のうねりを起こして参ります!⇒http://goo.gl/zq8Dn
★登壇予定者
小林節氏(慶應義塾大学教授、著書に『憲法守って国滅ぶ』他多数)
惠隆之介氏(拓殖大学客員教授、元海上自衛官、著書に『海の武士道』他多数)
鳴霞氏(「月刊中国」主幹、著書に『中国人民解放軍の正体 平和ボケ日本人への警告』)
トゥール・ムハメット氏(中央アジア研究所代表兼研究員、ウイグルの人権活動家)
オルホノド・ダイチン氏(モンゴル自由連盟党幹事長、自由モンゴル編集長)
ついき秀学氏(幸福実現党党首)ほか
★「プレイベント」のお知らせ
5月3日当日の「国民集会&デモ」は13時より開演致しますが、その前に12時20分から「プレイベント」を実施します!!
プレイベントでは、最初にトークショー、ミニライブ等を行い、12時50分より10分間、ついき秀学党首が出演し、映画「特別映像」を撮影致します!
会場にお集まりの皆様にも、エキストラとして、ご参加頂く予定です!明日、会場にはどうぞお早めにお越しください!!
★〈寄せ書き〉ご協力のお願い
南モンゴル民主化運動の象徴的存在であるハダ氏が、2010年12月、刑務所から釈放された直後から中国政府に拘留された妻子と共に行方不明になっています。
また、「ハダ氏の釈放日にはお祝いをしよう」とモンゴル族に呼びかけた作家のホーチンフ女史も、違法に軟禁され、暴行を受けている写真がネット上に流出しています。
ハダ氏とその家族、ホーチンフ女史の釈放を求め、モンゴル族がいる全世界の国々で、民主化支援のメッセージを寄せ書きした大きな布を作る運動が進められています。5月3日当日の「国民集会&デモ」会場に〈巨大!寄せ書き〉を準備いたしますので、是非とも、ご協力ください!
本集会は、日本のみならず、アジアのすべての方々の「自由」を守るための戦いです!お一人でも多くの方のご参加をお待ちしております!
【開催日時】5月3日(木・祝)12時00分開場・13時00分開演
【場所】日比谷公園大音楽堂
【デモコース】日比谷公園大音楽堂→虎ノ門→溜池山王→六本木→流れ解散
【チラシダウンロード(PDF)】http://goo.gl/Mm5Us
持ち物等:お持ち頂ける方は、プラカードをお持ちください。
※雨天決行します!必要な場合は雨具をご用意下さい。
【主催団体】「中国の脅威から子供の未来を守る会」連絡先080-3411-3448(事務局)
[HRPニュースファイル260]迫り来る北朝鮮の3回目の核実験――憲法改正に向け、「最後の決断」の時
本ブログの内容がメールマガジンでも読めます。(※無料です)
5月1日、野田首相は、北朝鮮が先日のロケット発射に次いで、過去の例に倣って近い将来、核実験を行う「可能性が大きい」と述べました。(5/1 ウォール・ストリート・ジャーナル「北朝鮮は近い将来核実験行う可能性高い=野田首相」⇒http://goo.gl/Ow6Ya)
実際、北朝鮮は2006年にミサイル発射実験を実施した3カ月後に核実験を行っており、また、09年に発射実験を行った際も、1カ月後に核実験を行なっていることを考えると、核実験が近いことは容易に予想されます。
また、4月30日付の韓国紙・中央日報は、消息筋の話として、北朝鮮が早ければ今週中に3回目の核実験を強行する可能性があるとの見方を米国政府が韓国政府に伝えたと報じています。(4/30 時事「北朝鮮、今週にも核実験=ウラン型か-米が見解」⇒http://goo.gl/KggCZ)
北朝鮮の核実験に関しては、月刊『ザ・リバティ』6月号誌上で長谷川慶太郎氏が、北朝鮮ミサイルの打ち上げ実験の失敗を正確に予告した上で、すぐに3回目の核実験を行うであろうと述べています。(記事収録は4/11、ミサイル発射は4/13)
北朝鮮は傷ついた威信を回復すべく、新たな強硬策に出る可能性が高く、実際に核実験場で新たなトンネルを掘る作業が確認されており、3度目の核実験を行う恐れを同誌編集部も指摘しています。
一方、長距離弾道ミサイル打ち上げ失敗により、北朝鮮の未熟な技術が露呈し、ある種の安堵感を感じた日本人がいたとすれば、その判断は非常に危険です。
北朝鮮は、すでに韓国向けには、射程の短いスカッドミサイルを配備しています。同様に日本を、ほぼまるごと射程に入れているノドンミサイルもすでに多数実践配備されています。(平成23年度『防衛白書』⇒http://goo.gl/1F4ME)
ゆえに、核の小型化が完成した段階で、日本に対していつでも核ミサイルを打ち込める状態となり、長距離弾道ミサイルの実験が成功するか失敗するかに関わらず、わが国にとっては一段と脅威が増します。
一昨年11月、北朝鮮のウラン濃縮施設を訪れたアメリカの専門家(核物理学者のヘッカー元ロスアラモス国立研究所長)は、「北朝鮮は効率的な機材を使っており、核開発計画はイランよりもずっと進んでいる」「北朝鮮は現在、核兵器を持っているが、ミサイル搭載用を開発するには核実験がもう1回は必要だろう」と警告しています。(2011/9/10 共同通信)
3回目の核実験で、ミサイルに搭載可能な小型核弾頭が完成に近づけば、日本は国家存亡の危機の瀬戸際に追い込まれることを意味します。韓国も同じであります。
日本は北朝鮮の長距離弾道ミサイルより、「核の小型化」をこそ警戒すべきです。核ミサイルで恫喝されるわけですから、経済制裁等すべての対抗策が無力化されることになります。だからこそ、北朝鮮の核ミサイル保有は、全力で阻止しなければなりません。
しかし、日本政府からは、そうした意志が全く感じられません。米中からも、現状では北朝鮮の核ミサイル配備を本気で阻止しようという強い意思は感じられません。
こうした状況下にあって、日本は「自分の国は自分で守る」防衛体制の整備が急務ですが、残念ながら、現在の憲法9条下では、中国の脅威や北朝鮮の核ミサイル攻撃から日本を防衛するのは不可能に近いと言っても過言ではありません。
日本国民の生命・安全・財産を守るためには、日米同盟をさらに強化・深化させるとともに、日本国憲法第9条を早急に改正し、中国・北朝鮮の軍事的脅威と対峙しうる国防体制の強化が急務です。
つきましては、幸福実現党は憲法記念日の明日5月3日(木・祝)、「憲法を変えて日本とアジアの自由を守る!国民集会&デモ」を東京・日比谷で協賛開催し、全国に憲法改正のうねりを起こして参ります!⇒http://goo.gl/zq8Dn
国民一人一人の憲法改正を求める声が高まってこそ、日本の間違った未来を変えていくことができます!ぜひ、明日の国民集会&デモに、多くの皆さまのご参加をお待ち致しております!(文責・河田成治、加納有輝彦)
[HRPニュースファイル259]日銀の追加金融緩和に潜む意図とは?
本ブログの内容がメールマガジンでも読めます。(※無料です)
日銀が27日の金融政策決定会合で、追加金融緩和を決定しました。
内容としては、長期国債購入基金は、65兆円から70兆円に5兆円積み増しました。また、長期国債の購入は10兆円増やす一方、金融機関に対する低金利貸し出しは5兆円減額となり、差し引き5兆円のお金が増える計算です。
さらに、これまで購入対象としていた国債の残存期間(償還=返済までの残存年数)を2年以下から3年へと拡大するなど、長期の変数に対しても影響を与える効果を発表したことが大きな特徴です。詳細→http://bit.ly/IBf5w5
白川方明日銀総裁も記者会見を行い、金融緩和の強化を強調しました。→要旨はこちら→http://bit.ly/JS6zwm
さて、追加緩和を行った日銀の姿勢はある程度よいとしましょう。問題は、果たしてどこまで本気なのかということです。
市場関係者から見れば、今回の金融緩和はある程度織り込み済みだったようです(週刊エコノミスト4月24日号参照)。
また、日銀の金融政策に対して学者から政治家まで幅広い意見が掲載された「週刊エコノミスト」は大変興味深い内容となっております。
その中でも、日米の「事実上のインフレ目標」を導入した日銀とFRB(米連邦準備制度理事会)について、ドイツ証券シニアエコミストの安達誠司氏の論文は注目に値します。
安達氏は、両者は「似て非なるもの」と言い切ります。
「金融政策の力を信じるFRB」と「及び腰で被害者意識が強い日銀」という表題通り、日銀の追加緩和の「本気度」に疑問を呈しているわけです。
例えば、英訳するにも海外に対して誤解を招いた「目途」という言葉です。
安達氏によれば、FRBのバーナンキ議長は、インフレ2%は「長期的な目標値」であり、2014年まで低金利を継続することをはっきりと言及しているに対して、日銀の白川総裁は「目途」として、達成義務のある「目標」という表現には否定的な見解を示していることを紹介。
さらに、1920年代の大恐慌に対して、金融政策の重要性を強調するFRBと高橋是清が行った日銀の国債直接引きが、後のハイパーインフレにつながったとする見方は対照的です。
言い換えれば、FRBは、デフレ脱却のためには金融緩和は当然行うべき政策であるとするのに対して、日銀は金融緩和を通じたインフレの安定は無理だとしながらも、あえてインフレ政策を導入した弱腰姿勢に問題があるというわけです。
つまり、日銀が金融緩和をやりすぎると、ハイパーインフレとなったとする「被害者意識」とインフレに対する及び腰がある以上、安達氏は日銀の金融緩和は本気ではないというわけです。
こうした歴史認識の違いが、日銀とFRBの金融政策に影響を及ぼしているのは間違いないと思われます。
海外の新聞記者も同じ論調も見てみましょう。
例えば、英フィナンシャル・タイムズ紙のF・ニューマン記者は、日銀の金融政策に関して金融緩和が魔法の解決策でないとしながらも、日銀が積極的な行動をためらうリスクを指摘しています。
一度、緩和を決めたならば、真剣さを示す必要があると結んでいます。英語版→http://on.ft.com/IepXSd 日本語訳→http://bit.ly/KjMRqf
では、翻って真剣さとはなんでしょうか。
普通に考えれば、デフレの脱却と経済成長を実現するまで日銀として最大限金融政策を行うことです。そのためには、金融政策を一層大胆に推進していくことも選択肢の一つです。
幸福実現党が主張する日銀による国債引き受けを実施することも可能です。やる以上は、明確な成果が出るまで行うべきです。
しかしながら、白川総裁は、記者会見の中で「金融緩和が毎月続くというわけではない」ということにも触れています。
さらに、日銀の追加緩和に隠れた本心として、JPモーガン証券のチーフエコノミストの菅野雅明氏は、「意図は明確だ。緩和打ち止め感を出したいということだ」とし、日銀は市場や政治家からの追加緩和圧力を打ち止めたいということを指摘しています。関連記事→http://bit.ly/IlcVos
最後に、今後の見通しについて触れておきましょう。
日銀は物価の見通しを発表しています。実際に、彼らの予想通り1%の目標が達成されたとします。問題は、その時に利上げをするかどうかです。
いわゆる「出口戦略」ですが、日銀の本音は金融緩和を打ち止めして、早期に利上げをしたいという思惑が見え隠れします。
最近10年の歴史を見れば、2000年のゼロ金利解除と2006年の利上げをした実績からみて、日銀が来年から2014年の段階で消費者物価指数上昇を見据えて引き締めに入ることは十分に考えられます。
日銀が金融引き締めを行った後には不況が来ている以上、出口戦略を急ぐことには注意が必要です。
ゆえに、今後は、デフレ脱却から出口戦略を同時にウォッチしていく必要があるでしょう。 (文責・中野雄太)
4/30 Happiness Letter795〔「消費税増税に反対する請願署名」の経過報告〕
本ブログの内容がメールマガジンでも読めます。(※無料です)
野田政権が推し進めようとしている消費税増税法案に対する請願署名活動は1月6日より開始され、4月10日までの3ケ月間で、全国より署名が111,234名の方々から寄せられました。
全国より、ご支援ご協力を賜りましたことを心より感謝申し上げます。
届きました請願書の中には、雨の中、一生懸命、署名活動を行った形跡のある署名や、お一人で数十人、数百人の署名を集められた方もいらっしゃり、全国よりの「絶対に増税を許さない!」という熱い思いが伝わって参りました。
現在、増税反対を表明している小沢一郎氏の「無罪判決」は、消費税増税法案の国会通過にも影響を与えようとしています。
そのタイミングでの今回の11万を超える請願提出は、「増税反対」の国会議員を後押して野田政権を揺さぶるインパクトがあります!
【写真】全国から届いた署名を「増税が国を滅ぼす国民会議」議長の内山優氏に託し、固く握手をするついき秀学党首⇒http://goo.gl/0Eb80
今回、国会請願は、4月27日「増税が国を滅ぼす国民会議・内山優議長」より国会請願に向けて衆参各紹介議員へ託され、衆議院議長、参議院議長に提出されます。(JTRホームページでの経過報告⇒http://goo.gl/QZj7E)
消費税増税関連法案を全力で廃案に追い込み、日本のさらなる経済的没落を断固阻止して参りましょう!!
☆゜・:.。. .。.:・゜
幸福実現党は今年4月16日から6日間の日程で、モンゴル国に「日蒙政治・経済交流視察団」(団長・矢内筆勝、党の支援企業の経営者ら5人)を派遣し、同国の政府関係者や民間人との幅広い交流を進めました。⇒http://goo.gl/rFp4w
また、やない筆勝局長をはじめ、視察団はモンゴルの有力な民放テレビ「チャンネル9」に生出演!幸福実現党の支持母体である「幸福の科学グループ」の創設者・大川隆法総裁や教義の紹介、思想のエッセンス等、約20分に渡って全モンゴルに放映される機会にも恵まれました。
[HRPニュースファイル258]幸福実現党「日蒙政治・経済交流視察団」報告
本ブログの内容がメールマガジンでも読めます。(※無料です)
幸福実現党は今年4月16日から6日間の日程で、モンゴル国に「日蒙政治・経済交流視察団」(団長・矢内筆勝、党の支援企業の経営者ら5人)を派遣し、同国の政府関係者や民間人との幅広い交流を進めました。本日はそのご報告です。
モンゴル国は1992年に、それまで旧ソ連の影響下だったモンゴル人民共和国が社会主義を放棄して誕生した新しい民主主義国家です。日本の約4倍の国土に、人口は約267万人。主な産業は畜産業と鉱業が中心です。
経済規模は、日本のGDP比で鳥取県の4分の1と決して大きくはありませんが、石炭、銅、金、石油やウラン、レアメタルなど、豊富な天然資源などを有し、2011年の実質経済成長率ランキング(GDPの成長率)では前年度比17.26%と、中東のカタールに続く世界第2位と、アジアで最も経済成長が著しい、若く可能性に満ちた国です。
加えて、白鵬、朝青龍などの相撲ブームも背景に、若者の日本語学習熱も非常に高い「親日国家」の一つです。
また、モンゴルには「うかうかしていると、中国の植民地にされてしまう」という危機感があります。
モンゴルには、20世紀初頭に「革命軍」を称する中国の軍隊から多くの庶民が略奪を受けた記憶も残っており、中国に対して強い警戒心を抱いています。(参考:2010/8/4サーチナ「モンゴルで反中・民族主義団体が隆盛」⇒http://goo.gl/Y6yFn)
また、モンゴルの南部に位置する南モンゴルは1949年に中華人民共和国の内蒙古自治区となって以降、モンゴル人の大量虐殺、モンゴル語の禁止、資源の強奪、漢民族の大量入植等、中国の実質的な「植民地」として、過酷な弾圧が続き、モンゴル人の反発を買っています。
モンゴルは、地政学的には中国を西北から見下ろす位置にあります。
幸福実現党としても、マニフェストにモンゴルとの連携強化を掲げていますが、将来、政治・経済に加え、軍事的な協力関係を深めることができれば、日本とモンゴルが中国を東西から挟み込む形となり、両国の防衛上もメリットもあります。
今回の視察団は、そうした将来の「日蒙同盟」の土台作りを視野に入れ、両国の政治、経済、文学、教育、そして軍事も含めた友好と交流を目的として発足致しました。
主な訪問先・面談者としては、公官庁ではモンゴル国文部科学省と、防衛省アカデミー関係者、ウランバートル近郊のエルデニ郡郡長。教育関連では、日本語教育でモンゴルNO1の実績を持つモンゴル文化教育大学(学生約700人)とモンゴル最大の私立大学イフ・ザスグ大学学長、さらに元国会議員や政党関係者、民間の会社経営者、芸能文化関係者など、同国の幅広い分野のリーダー層の方々と交流を持つことができました。
【写真】モンゴル国防省アカデミーを訪問、安全保障に関する情報を交換しました。
また、私、やない筆勝を含め、視察団はモンゴルの有力な民放テレビ「チャンネル9」にも生出演。幸福実現党の支持母体である「幸福の科学グループ」の創設者・大川隆法総裁や教義の紹介、思想のエッセンス等、約20分に渡って全モンゴルに放映される機会にも恵まれました。
【写真】モンゴルの主要民放テレビ「チャンネル9」に生出演し、幸福の科学グループの活動を紹介しました。
幸福実現党は国防政策の一環として、更には日本経済の更なる発展に向け、アジアにおける自由主義諸国との関係深化、中国包囲網の構築を進めて参ります。
その具体化の一歩として、今後とも、こうした自由主義諸国と親善・交流を深めつつ、「アジアの新時代」建設に取り組んで参ります。ご支援の程、よろしくお願い申し上げます。(文責・矢内筆勝)
4/29 Happiness Letter794〔日本、危うし!いまこそ国防〕
本ブログの内容がメールマガジンでも読めます。(※無料です)
【幸福実現News第33号】「日本、危うし!いまこそ国防」が発刊されました!緊迫の一途をたどる北東アジア情勢。日本占領を避けるためには、憲法9条改正、若しくは解釈変更が急務です!ぜひ、全国で配布ください!!(PDF⇒http://goo.gl/wpbLM)
☆゚・*:.。. .。.:*・゚
■5月3日(木・祝)憲法改正を求めるデモ&集会 in 日比谷公園大音楽堂
幸福実現党は日本侵略の危機を回避すべく、憲法記念日の5月3日(木・祝)、日比谷公園大音楽堂で開催される沖縄返還40周年記念「憲法を変えて日本とアジアの自由を守る!国民集会&デモ」に協賛参加致します。⇒http://goo.gl/zq8Dn
同集会&デモでは、日本の国防強化に向け、「憲法九条改正」を力強く訴えると共に、ウイグル・モンゴル・チベットなどの中国の少数民族の代表者が中国の植民地支配の実態を訴え、中国の自由化、民主化を強く訴えて参ります!
まどろみの中にある日本国民の「国難意識」を高め、国防や政治の抜本的改革の必要性を啓蒙していくことが、日本の間違った未来を変えていく唯一の道です。
既に全国各地よりバスでの参加の報告も来ております!ぜひ、お誘い合わせの上、全国からご参加頂きますよう、よろしくお願い申し上げます。
【開催日時】5月3日(木・祝)12時00分開場・13時00分開演
【場所】日比谷公園大音楽堂
【デモコース】日比谷公園大音楽堂→虎ノ門→溜池山王→六本木→流れ解散
【チラシダウンロード(PDF)】http://goo.gl/Mm5Us
持ち物等:お持ち頂ける方は、プラカードをお持ちください。
※雨天決行のため必要な場合は雨具をご用意下さい。
【主催団体】
「中国の脅威から子供の未来を守る会」連絡先080-3411-3448(事務局)
[HRPニュースファイル257]日米両政府、日米共同文書を発表――アメリカの真意は「日本の自立にあり」
本ブログの内容がメールマガジンでも読めます。(※無料です)
4月27日、日米両政府が沖縄の基地負担を縮小する合意文書を発表しました。(4/27 産経「米軍再編 日米共同文書(全文)」⇒http://goo.gl/D6Dhe)。
発表された日米共同文書のをまとめると、以下の8つのポイントになります。
1.沖縄県の米軍普天間飛行場移設に関して、(1)運用上有効、(2)政治的に実現可能、(3)財政的に負担可能、(4)戦略的に妥当の4つの基準を満たす方法で取り組むこと。
2.名護市辺野古への県内移設計画は、これまでに特定された唯一の有効な解決策であること。
3.代替施設が完全に運用可能となるまで普天間を補修して使用し、経費は日米が分担すること。
4.沖縄本島中南部の米軍5施設・区域は3分類し、段階的に返還すること。
5.在沖縄米海兵隊約9千人を国外へ移転し、グアム、ハワイ、豪州に分散。沖縄に約1万人が残留すること。
6.海兵隊グアム移転の日本の財政負担は平成21年の協定通りとすること。
7.日米の戦略的な拠点としてグアムを発展させ、地域における二国間の動的防衛協力を促進する新たな取組を探求すること。
8.日米両政府はグアム及び北マリアナ諸島連邦における自衛隊及び米軍が共同使用する施設としての訓練場の整備につき協力することを検討する。
共同文書の最大のポイントは、米国の財政事情や民主党という「国防素人政権」の日本の政治事情を反映しつつ、中国や北朝鮮などの軍事的な脅威の抑止に向けた戦略的に可能なラインを打ち出したものと言えるでしょう。
普天間飛行場の辺野古移設については、「唯一有効な解決策」としつつも、文言の前に「これまでに特定された」と付記されており、今後、嘉手納基地への統合案も含め、辺野古移設方針の軌道修正をにじませる内容となっています。
また、アジア・太平洋地域の米海兵隊の配置を見直し、現在、沖縄にある即応性の高い海兵空陸任務部隊(MAGTF)を中心にグアム、ハワイ、豪州に分散配置し、抑止力の強化を目指しています。
今回の共同文書で特徴的なことは、日米両国の「動的防衛協力」という新たな概念が加わったことです。これは米軍の地理的分散に合わせて日米同盟を発展させていくことを意味します。
具体的には、グアム島及び北マリアナ連邦、つまりマリアナ諸島と呼ばれる地域において、日米共同の訓練場を整備することが掲げられています。
「動的防衛協力」は中国の覇権主義拡大に対する抑止力強化に繋がる可能性がありますが、その実効性を担保するためには、日本が国際社会において主体的に行動する覚悟が不可欠です。
アメリカは「動的防衛協力」において、中国包囲網に日本を巻き込むと共に、日本が目覚めて主体的に行動することを求めているものと推察されます。
日本が憲法を改正し、日本とアジアの平和を守る覚悟を固めれば、日米は真の意味で「対等な同盟関係」となり、アジア太平洋地域の安全保障をリードする時代を迎えます。
日本にその覚悟が無かった場合、アメリカとしては、日本側に相応の資金負担を求めることになるでしょう。
いずれにせよ、アメリカは日本に「最後の選択」を突きつけていると言えます。
それは「自由を守る大国としてアジアをリードする」という名誉ある選択と、「経済大国でありながらも応分の責任を果たさない」不名誉な選択の二者択一です。
野田首相は認識していないかもしれませんが、これは約束を守らず、煮え切らない民主党政権に対して、アメリカが一種の「最後通牒」を突きつけた形です。
今こそ、日本はアジアの平和と安定に貢献する「世界のリーダー国家」となる意思表示をなすべきです。
そのためには、憲法を改正し、「自分の国は自分で守る」覚悟を固めることが不可欠です。
つきましては、幸福実現党は憲法記念日の5月3日(木・祝)「憲法を変えて日本とアジアの自由を守る!国民集会&デモ」(日比谷公園大音楽堂にて)に協賛参加致します。⇒http://goo.gl/zq8Dn
日米同盟を基軸としつつ、憲法第9条を改正し、中国・北朝鮮の軍事的脅威に対峙し得る国防体制の強化が急務です。(文責・佐々木 勝浩)
5/2 Happiness Letter793〔「アー・ユー・ハッピー?」6月号発刊!!〕
本ブログの内容がメールマガジンでも読めます。(※無料です)
「もっと知的に、もっと美しく、もっと豊かに。」をテーマとする話題の女性誌「アー・ユー・ハッピー?」の最新刊6月号が本日、発刊となります!!⇒http://goo.gl/Q4kLw
本日4月28日(土)発売の「アー・ユー・ハッピー?」では、巻頭企画「今月のmuseミューズ」で幸福実現党・青年局長の釈量子(しゃく・りょうこ)氏のインタビューが掲載されます!!⇒http://goo.gl/HkWCH
北朝鮮の「ミサイル問題」や中国の覇権主義台頭の折、「国を守る透明な情熱」と題し、国防と生活の身近な関わりについて、女性に分かりやすい切り口で解説します!!
釈局長の透明なる国防への情熱が胸に迫ってくるお話を、一人でも多くの方にお読みいただきたいと思います。
「これから数千年にわたる世界の女性のモデルを日本の皆さんと共に創っていきましょう!」という釈局長の熱い魂の叫びは、多くの方の心を揺さぶってやまないでしょう。
そして、この現代のミューズ(芸術・学問をつかさどる女神)の限りなく美しく、凛とした佇まいにもぜひご注目ください!!
また、幸福実現党・竜の口法子女性局長による好評連載企画「いま、伝えたいこと」では、チベット問題研究家のペマ・ギャルポ氏をお迎えして、チベット問題の本質に迫っています!
「日本のチベット化を防ぐこと」は6月公開の映画「ファイナル・ジャッジメント」(⇒http://www.fj2012.com/)の大きなテーマでもありますが、竜の口局長のペマ氏へのインタビューにより、女性の目線から見たチベット問題が浮き上がってきます。
想像をはるかに超える中国のチベット弾圧の実態を多くの方に知って頂きたいと思います。
焼身自殺によって中国政府の宗教弾圧、自由の弾圧に抗議する僧侶は後を断たず、現在までに30名近いチベット人が亡くなられています。
ペマ氏の言葉「不況を認めない中国であっても、チベット人から信仰を奪うことはできません。信仰は内面のものです。暴力で信仰を奪うことはできないのです。」という言葉に、中国の苛酷な弾圧からチベットを守っているのは、信仰から来る強さであることが理解できます。
女性の視点から、現代の世相に鋭く斬り込む「アー・ユー・ハッピー?」最新刊6月号にぜひご期待ください!