4月末に発された石原都知事の「尖閣購入宣言」をきっかけに、メディアの注目が尖閣諸島に集まっています。
産経新聞では一週間以上に渡って「正論」欄で尖閣特集が組まれている他、6月12日時点で既に11億円もの購入支援寄付が東京都に寄せられており、国民の関心も高まっています。
しかし、今回の件を一過性の問題とするのではなく、「対中国を睨んだ長期の国防問題」として、より大きな視点で世論を喚起することが大切です。
◆中国の狙いは何か
幸福実現党創立者、大川隆法名誉総裁が御法話『宗教立国の実現』でも指摘されたように、中国は南西諸島を含む日本列島の太平洋側に「第一列島線」(九州・沖縄・台湾・フィリピン・インドネシア等を結ぶ線)を設定しています。
中国にとって「第一列島線」の突破は「東シナ海」という「面」の支配、「西太平洋」への進出ルートの確保という、重要な意味を持っています。したがって、海洋上の「点」ではなく、東シナ海という「面」を抑えることが、中国の国家戦略の本当のねらいなのです。
中国の国家戦略として一般に指摘されているのは「台湾統一」です。軍事評論家の平松茂雄氏は「中国は2020年までに台湾を統一し、2021年に中国共産党立党100周年の祝いを台北で上げることを考えているだろう」と指摘しています。
その台湾統一を有利に進めるために、中国は「南シナ海」「東シナ海」「西太平洋」という三つの海を支配下に置く構想を立てているのです。中国は三つの海を支配することで、台湾を海から包囲し、さらには米軍の接近を排除することが可能となります。
具体的に言うと、第一列島線の中に閉じ込められた湛江・青島・寧波の三つの海軍基地から、バシー海峡と宮古・沖縄海峡という2つのルートを経由し、西太平洋で中国艦隊を集結させようと考えています。
そうなった場合、台湾の安全保障も危機に置かれますが、当然、我が国のシーレーンも危機に陥ります。
◆沖縄は既に対中防衛の「最前線」
上記のように、中国が台湾を併合するため、第一列島線、すなわち「宮古島-沖縄海峡」の突破を行うことが構想されている以上、「台湾危機は日本の国防危機」と認識することが必要です。
更には、中国海軍の西太平洋進出の防波堤として、沖縄・南西諸島が既に「最前線」となっていることにも注意を向けなければなりません。
沖縄を再び戦場にしないためにも、「眼前の危機」を広く世に知らしめる必要があります。普天間基地の辺野古移設も、スムーズに進めなければなりません。
そもそも、中国が尖閣諸島の領有権を主張しているのも、日本が自国の主権を行使してこなかったことに原因があります。
かつて佐藤栄作総理のもとで、尖閣周辺の油田を日台韓三国で共同開発しようと計画が持ち上がったことがありましたが、中国が突如、領有権を主張すると共に、「日本軍国主義の再来ではないのか」とするバッシングを日本政府に対して行いました。
それを受けて、日本政府は何ら反論することなく、共同開発も立ち消えとなってしまいました。尖閣問題の「棚上げ」が始まるのはその直後のことです。
あの時、中国のバッシングに屈せず、堂々と自国の主権を行使して開発を進めていれば今頃、中国海軍の進出にも十分対抗できていたはずです。
◆今こそ国防を固め、中国の海洋覇権を阻止せよ!
このような中国の海洋進出に対応するためには、「宮古島―沖縄海峡」において中国海軍の通行を阻止し、西太平洋への自由なアクセスを遮断しない限り、尖閣諸島を含む東シナ海問題を根本的に解決することはできません。
具体的には、我が国も日中中間線上でガス田の試掘を行うなど、東シナ海において主権を行使していく他、憲法9条適用除外、自衛隊法改正等、中国の軍事的恫喝に屈しない法的整備を進めていくことが必要です。
また、集団的自衛権の行使を容認し、海上自衛隊と米海軍共同で対潜水艦戦を想定した演習を行うことも検討されるべきあり、次期主力戦闘機の納期確保も急務です。
更に欲を言えば、中国から日本・米国などに向けられた核兵器に対する、“何らかの抑止力”の保有も研究されることが望ましいと言えます。
以上のように、中国が覇権主義の姿勢を強めていることから、我が国としても国防を強化せざるを得ないことは明白です。
中国の国家体制が軍事独裁的であり続ける限り、国防問題が我が国の周囲で止むことはありません。
中国に自由と民主主義、信教の自由といった世界普遍の価値観を根付かせることが、アジアの平和と安定への道であります。(文責・HS政経塾一期生 彦川太志)
[HRPニュースファイル304]中国の海洋進出を抑えるために必要なこと。
本ブログの内容がメールマガジンでも読めます。(※無料です)
[HRPニュースファイル303]慰安婦碑問題で在米韓国人が反論。政府は強固に撤去をすすめよ
本ブログの内容がメールマガジンでも読めます。(※無料です)
前回、アメリカニュージャージー州の慰安婦石碑問題について紹介しました。私自身も慰安婦碑撤去の署名活動をし、最終的には3万以上の署名が集まったとされています。
さて、日本人による署名活動に対して、早速在米韓国人による反論がありました。
5月29日付のニューヨークタイムズ紙には在米韓国人による意見広告が掲載されました。意見広告は、今年の3月に次いで二回目ですが、今回の日本人による慰安婦撤去に関しての反論であることは間違いありません。⇒http://bit.ly/LU3mK7
記事にもある通り、韓国側はドイツのユダヤ人虐殺の姿勢に学ぶことを要求しています。
ナチスによるユダヤ人大虐殺と歴史的な資料価値自体に問題がある慰安婦問題を同列に扱うのはナンセンスであり、韓国側の要求は的外れです。
一体全体、どうやって20万もの慰安婦を強制連行したというのか、証拠となる書類や一次資料もないまま、アメリカのような第三国で一方的な歴史認識を浸透させる行為は許されません。
日本政府も当問題に対して正式に抗議をしており、自民党議員が近日に同市への訪問と慰安婦碑撤去を要求することが報道されました。
同様に、在米韓国人の権利を主張する韓国人有権者センターは、慰安婦碑があるパラセイズ・パーク市を訪問して抗議をする予定であることも分かっています。
厄介な問題は、同市のロトンド市長が、韓国側の主張を鵜呑みにし、記者会見で「慰安婦の碑は戦争と人権侵害が繰り返されないようにするための教育に必要だ」とコメントしていることです。⇒http://bit.ly/OnJPFW
国際社会においては「沈黙は金」ではありません。
きちんとした反論をしないと、アメリカのような第三国からもしっぺ返しをくらうことになります。実際、今回の慰安婦碑は、マイク本田議員が中心になって進めた日本への謝罪決議に基づいて設立されているのです。
前回も紹介した通り、マイク本田議員は河野談話が日本の慰安婦問題を公式に承認したと考えており、実際にアメリカ国内にも浸透しています。
パラセイズ・パーク市長が、慰安婦碑が教育上必要だと主張していることを見ると、残念ながら、韓国人による歴史操作はアメリカで成功していると言わざるを得ません。
そして、アメリカでは日本を糾弾する言葉として「Sex Slave(性奴隷)を積極的に行った国」として見なされつつあります。
この言葉は「Comfort women(慰安婦)」とは同じではありません。なぜなら、慰安婦は雇われている方々だからです。
これでは、私たちの先祖はあらゆる女性を傷つけたことを意味してしまいます。一国の政治家の謝罪は、外国では誇張されて伝えられるという危険性は、この事実を見ただけでも十分でしょう。
また、わが国は中国と「南京事件」に関する問題を抱えています。
特筆すべきことは、中国系アメリカ人のアイリス・チャン氏が記した「ザ・レイプ・オブ南京」(1997年)はアメリカ国内でも好意的に取り上げられ、アメリカ人の中では「なぜ日本人は南京事件に関して謝罪しないのか」という意見があることです。
加えて、中国の対外宣伝工作を行っている「中国人権発展基金会」と呼ばれる組織は2007年、アメリカ西海岸の名門スタンフォード大学に、アイリス・チャン氏の胸像を寄贈していることです。⇒http://bit.ly/L1ugnK
近年では、中国側は南京事件70周年にあたる2007年に何本も映画を作成し、国際社会で日本の非を主張しました。
最近、日本では名古屋市の河村たかし市長が南京事件に関して発言したことが取り上げられていますが、南京事件には歴史学者による精密な検証がなされており、アイリス・チャン氏の著作にはねつ造が多いことが判明しています。
彼女は2004年に謎の自殺をしていますが、いまだに真相は明らかではありません。にもかかわらず、中国は一向に対外宣伝工作をやめる気配はありません。このままでは以下のことが予想されます。
東洋事情に疎いアメリカ人は、アイリス氏の胸像を見て「日本は1937年に30万以上の南京市民を虐殺した」という歴史観が植え込まれ、第二のマイク本田議員が続々と誕生すること。そして、日本は外交上厳しい立場に置かれることです。
幸福実現党は、毅然とした外交と安全保障の強化を政策の柱に据えています。同時に、子供の学力低下に歯止めをかけ、歴史認識問題でも愛国心を醸成する教育を目指します。
国際社会で対等以上に渡り合う人材を輩出するためにも、歴史教育の見直しは急務です。今後も、引き続き歴史認識問題についても発信していく次第です。(文責:中野雄太)
[HRPニュースファイル302]主権者・国民の承諾なくして課税なし!―民主・自民の国民不在の談合増税を許すな!
本ブログの内容がメールマガジンでも読めます。(※無料です)
本年1月、野田首相が「最善かつ最強の布陣」と豪語した内閣改造から僅か5か月足らずの今月4日、2度目の内閣改造が行われました。今回の内閣改造は「自民党すり寄り内閣」であると揶揄する声が上がっています。
野田首相のなりふり構わぬ「すり寄り」が功を奏したのか、自民・公明が「社会保障と税の一体改革に関連する法案」(以下、消費税増税関連法案)を巡る修正協議に応じ、協議が進んでいます。
修正協議は、メンバーを「社会保障」と「税」の2グループに分け、修正内容を検討します。野田首相は、G20に出席することを考えると15日までにこれらの協議の決着をつけたいとしています。
特に「税制」に関しては、民主党と自民党の「談合」により、なし崩し的に増税法案が可決する可能性もあり得ます。
マスコミも「決められない政治」から、「決める政治」を合言葉に、民主党と自民党の談合を後押しし、ミス・リードしています。
11日に国会内で行われた3党実務者による税制に関する初会合では、自民党は、早々と消費税率を2014年4月に8%、15年10月に10%へ2段階で引き上げる政府・民主党案に同意しました。(6/11 時事通信「自民、10%へ2段階上げ同意」⇒http://goo.gl/5rMm3)
また、驚くべきことに、自民党は経済状況次第で増税を停止する景気条項に関しても、成長率の明記は必要ないとの見解を示しました。(同上)
本日も欧州危機の不安が再燃し、株価が下落しておりますが、近い将来、EUに端を発する不況が世界を飲み込む恐れが強まっており、そうした中、増税するのは「狂気の沙汰」であります。
社会保障に関しては、自民党が2009年民主党マニフェストで掲げた「最低保障年金を含む新年金制度の創設」と「後期高齢者医療制度の廃止」の撤回を要求していますが、民主党は応じていません。
しかし、自民党は有識者による「社会保障制度改革国民会議」(仮称)を設置し、抜本改革の議論を先送りすることも示唆しています。(6/10 朝日「民主、社会保障の超党派会議は容認へ 消費増税先行か」⇒http://goo.gl/60ibb)
自民党は国民不在の「国民会議」を利用して、社会保障改革を先送りし、「消費増増税」のみを先行させたいのでしょう。
国民には「社会保障」という餌をぶら下げつつ、結局は「増税」のみを先行したいのが本音なのです。
たとえ民主、自民、公明の間で合意形成され、法案採決への道筋ができたとしても、国民は断じて増税を承諾していません。
これに関して、民主党の藤井党税調会長は「消費税増税関連法案」を決定した後に必ず国民に信を問う。法の施行は総選挙の後であると詭弁を弄し、自らを正当化しています。(6/11 プライムニュース)
しかし、当然ながら、国民に信を問うてから採決を決めるべきです。09年の衆院選、10年の参院選においても、日本国民は消費税増税を承諾していません。
民主党も「消費税について4年間は議論すらしない」と言って政権を取りました。今回、消費税増税を決めるのであれば、即刻、解散・総選挙を行い、民意を問うべきです。
万一、民主党政権と自民党の談合により、消費税増税法案を可決されるようなことがあれば、日本は18世紀以前の民主主義確立以前の状態であると言わざるを得ません。極めて恥ずべきことであり、民主主義に対する愚弄です。
1789年のフランスの人権宣言の第14条には「税の負担には人民の承諾が必要だ」と記されており、1776年米国独立宣言には、英国から独立する理由の一つが「我々の合意なしに課税をした」と記されています。(幸福実現党発行『増税亡国論』⇒http://goo.gl/gvPx2)
このように税金は、国民生活にとって最大の問題です。歴史を紐解けば、人民が暴政による重税に抗議し、命に代えて戦って来た上に、民主主義国家は築かれて来たのです。
幸福実現党は、野田首相が2009年総選挙の際、「徹底して税金の無駄遣いをなくし、消費税を上げない」と公約し、当選しておきながら、消費税増税に政治生命をかけようとしている「民主主義の愚弄」を看過することはできません。
増税をしたいのなら、即刻、解散総選挙によって国民の信を問うべきです。それが「憲政の王道」です。(文責・加納有輝彦)
[HRPニュースファイル301]「国益」よりも「社益」――丹羽駐中国大使を一刻も早く更迭せよ!
本ブログの内容がメールマガジンでも読めます。(※無料です)
今、大ヒット中の映画『ファイナル・ジャッジメント』(http://www.fj2012.com/)は、オウラン国(仮想のアジアの軍事大国)により、日本が侵略されることを描いた作品です。
同映画ではオウラン国の少女リンが主人公に対して「金欲しさに日本の国を売ったのは誰だ!」と語る台詞が出てきますが、まさに「商売のために領土を売る」ような中国大使の言動が問題になっています。
民主党の「政治主導」の象徴として「初の民間出身の中国大使」となった丹羽宇一郎駐中国大使は、英紙のインタビューで「石原都知事の計画が実行されれば、日中関係に極めて重大な結果をもたらす」「日中のビジネスに影響を及ぼす可能性がある」などと述べ、その馬脚を表しました。(6/8 ANN⇒http://goo.gl/e4q4B)
日本政府の関係者が尖閣諸島の購入計画について反対意見を表明したのは初めてのことで、藤村官房長官は、丹羽氏の発言を「政府の立場を表明したものでは全くない」と否定。民主党の前原誠司政調会長は「大使の職権を超えており、適切な発言ではない」と強く批判しています。
丹羽氏は5月4日にも、習近平国家副主席に対して、日本国内で沖縄・尖閣諸島の購入表明を支持する意見が多数を占めることについて、「日本の国民感情はおかしい」と述べています。(6/8 産経「丹羽大使、尖閣購入支持『おかしい』」⇒http://goo.gl/WFiZS)
尖閣諸島購入を真っ向から否定する丹羽大使の発言は事実上、「尖閣諸島には日本の主権が及ばない」ことを国際社会に対して宣言したものであり、明らかに日本の「国益」に反します。
中国紙も丹羽氏の発言を報道しており、今後、「尖閣諸島は中国の領土」とする中国の主張の根拠となるでしょう。
また、「日本の領土を守りたい」と心から願い、善意で行っている寄付行為に対して、「日本人の行動はおかしい」などと侮辱し、貶める丹羽大使は、一体どこの国の人間なのでしょうか?
玄葉外相は、丹羽氏が「大変申し訳ない」と陳謝したことをもって、現時点では処分する考えはないとしています。しかし、これは陳謝して済む問題ではなく、「大使としての資質」の問題であります。
丹羽氏は中国ビジネスを積極的に展開している伊藤忠商事の元社長であり、同じく、実家のイオングループが積極的な中国展開をしている岡田副総理が強力に主導して起用しました。
丹羽氏の「ビジネスに影響を及ぼす可能性がある」などの発言を聞くと、丹羽氏には「領土保全」といった日本の主権を守る意識は毛頭なく、商社の「利益代表」として「社益」を追求する意識しか持ち合わせていないのでしょう。
実際、丹羽氏は既に役割を終えた対中政府開発援助(ODA)を「日中関係改善のために続けるべきだ」と外務省に強く意見具申しています。
GDP世界第二位の中国にODAを続けるなど、丹羽氏の言動は常軌を逸しており、外務省幹部からも「伊藤忠が中国にモノを言えるわけがない」といった冷めた批判が出ています。(前掲、6/8産経)
丹羽氏は、2010年9月に起こった尖閣諸島中国漁船衝突事件の対応で、深夜に中国政府に呼び出され、強い圧力をかけられました。深夜、中国政府に呼びつけられるままに出頭した丹羽大使の行動は、外交専門家からは「素人同然」と厳しく批判されています。
常に中国の顔色を伺い、国賊的な言動を続ける丹羽氏を見れば、同氏の中国大使起用は「完全な失敗」だったと言わざるをを得ません。
丹羽氏は、起用された時の総理大臣、菅氏と同世代で、学生時代は学生運動に明け暮れ、60年安保闘争では、自治会委員長を務めるなど「学生運動の闘士」として先頭に立った人物です。その時、大きな挫折を味わっていることでしょう。
今、「資本主義の行き詰まりを起こし、自由主義の時代を終わらせたい左翼運動」と「もう一度、奪回の機会を狙う、安保闘争世代」の願いが結託して、日本を弱体化させるための最後の悪あがきをしているように思います。
90年代に冷戦の終結で自由主義陣営が勝利しました。しかし、日本では左翼マスコミが生き残り、不況の波に乗って、「格差是正」を掲げた左翼運動が息を吹き返しました。
そして、「マルクスの亡霊」に取り憑かれた時代遅れの種族が、こんなところで生き延びているのです。丹羽氏はその象徴と言える人物です。
丹羽氏の根底には「商売のためには領土を売っても構わない」という売国的発想があり、丹羽氏が大使を続けること自体、「日本は領土問題よりも経済関係を重視している」というメッセージを中国に送り続けることになります。
中国は今、強大な軍事力を背景に尖閣諸島周辺海域の領海侵犯等を繰り返しています。
先日の日中首脳会談で、温家宝首相は尖閣について譲れない国家利益を意味する「核心的利益」という言葉を使い、尖閣諸島への武力侵攻の意図を実質的に表明しました。日本の領土が今、大きな危険にさらされているのです。
安全保障上も、中国大使の人選は極めて重要です。政府は、一刻も早く丹羽氏を更迭し、日本の国益にかなった相応しい人選をなすべきです。(文責・竜の口法子)
[HRPニュースファイル300]「今こそ国防!」――朝日新聞の世論誘導と沖縄の危機
本ブログの内容がメールマガジンでも読めます。(※無料です)
5月9日、朝日新聞は沖縄タイムス社との共同世論調査の結果として、「沖縄の米軍基地が減らないのは『本土による差別だ』と答えた人が、沖縄では50%に上った」と報じました。(5/9 朝日「基地集中は『本土の差別』沖縄で50%」⇒http://goo.gl/t9KEA)
記事には「沖縄では2010年ころから、米軍基地の押し付けを『差別』と捕らえる見方が広まってきた。《中略》復帰40年、本土は米軍基地を沖縄へ押し付けたまま、結局のところ何もせずに傍観してきた」と報じています。
このようにして、本土や沖縄の左翼マスコミ主導で「米軍基地撤退」に向けた世論が形成されている現状は大問題です。
沖縄に米軍基地が集中しているのは、本土による「沖縄差別」でも、「沖縄への負担の押し付け」でもありません。純粋に、日本とアジア防衛の「要衝の地」であるという沖縄の地政学的理由によるものです。
現在、沖縄に米海兵隊基地があるという「プレゼンス」そのものが、沖縄侵攻を躊躇させる抑止力となっています。
沖縄に米軍基地がある限り、沖縄に対する攻撃は同時に「米軍への攻撃」と見なされ、米軍による反撃が行われるため、米軍基地自体が「トリップワイヤー(仕掛け罠)機能」を有しているのです。
また、沖縄から、海峡有事が予想される台湾までは約600km、半島有事が予想される韓国のソウルまでは約1300kmの近さにあり、沖縄の米軍基地こそが一触即発の極東情勢勃発を抑止している「蓋(ふた)」の役割を果たしています。
したがって、米軍を沖縄県外・国外に撤退させれば、平和がやってくるかと言えば、逆に中国による台湾・尖閣・沖縄侵攻を呼び込み、次には九州、日本全域が中国の属国になる日がやってきます。
中国は1974年、ベトナム戦争で米国が撤退すると、「力の空白」に乗じ、ベトナム統治下のスプラトリー(南シナ海南沙)諸島に進出。抗戦の末、ベトナム兵70人を殺害し、軍事力で実効支配しました。
更に92年、米海軍がフィリピンから撤退すると漁船に偽装した海洋調査船を多数派遣、95年にはフィリピンの排他的経済水域のパラワン島近くのミスチーフ環礁に軍事建造物を建設しています。(6/8産経「『尖閣』危機 南シナ海に学び『空白』を作るな」⇒http://goo.gl/ocGZt)
先日も中国の漁業監視船が尖閣諸島周辺の接続水域を航行しました。東京都の同諸島購入方針表明以降2度目であり、今年5回目になります。(6/6産経 「挑発?尖閣周辺に中国監視船 都の尖閣購入方針表明後2度目」⇒http://goo.gl/cX9za)
昨今の中国海軍の尖閣・沖縄侵出の活発化は、第一列島線(九州・沖縄・台湾・フィリピンを結んだ線)内にある南シナ海、東シナ海を「中国の海」にするという、一貫した海洋戦略(「戦略的辺彊」論)に基づく計画によるものです。
したがって、南シナ海で起きたことは、東シナ海でも起きます。日本は「南シナ海の教訓」に学ぶべきです。
フィリピンから米軍が撤退したきっかけは、国内で「米軍反対運動」が起こったからでした。今の沖縄と酷似しています。
一方、中国の海洋進出の野望に気づいたマレーシアは、85年に領有を主張するラヤンラヤン島に人工島を増設し、滑走路を建設し、海軍を常駐させました。これに対して中国は「漁船保護」の名目で武装漁業監視船を派遣、更にガス田海域で資源探査を開始しました。
マレーシアもこれに対して、近隣地へ哨戒ヘリを配備する航空基地を建設。また、兵器の近代化によって中国に対抗しています。こうした毅然たる態度によって、マレーシアは軍事的均衡を保ち、自国を守ってきたのです。(前掲、6/8産経)
別の角度から見ると、「地方分権」を進めて来たフィリピンと、「中央集権」による国家統治が強いマレーシアとの違いでもあります。「地方分権」だと政府の力が弱まり、フィリピンのように地域の反対運動で国防政策が左右されることになります。
こうした教訓からも言えるように、日本の安全を守るためには、中国の海洋覇権の野望を見抜き、決して米軍を撤退させ、「力の空白」を作ってはならないということです。また、民主党や橋下市長らが推し進める「地域主権論」などは許してはなりません。
国難突破のためには「日米同盟」強化、並びに憲法9条改正を通じた「自主防衛強化」こそが、中国の覇権主義を抑止する最も有効な施策です。
「今こそ国防!」――私たち幸福実現党は、それを強く訴えて止みません!(文責・佐々木勝浩)
[HRPニュースファイル299]普天間基地オスプレイ配備反対運動と「無防備国家日本」の実態
本ブログの内容がメールマガジンでも読めます。(※無料です)
沖縄・米軍普天間基地に配備される米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイについて、日米両政府が配備前に米軍岩国基地(山口県)に搬入し、試験飛行を行う方向で動き出しました。(6/10 中国新聞⇒http://goo.gl/Ja6oW)
現在、沖縄では普天間基地の移転問題に加え、オスプレイの普天間基地配備に反対する運動が激化しています。そのため、本土の岩国基地で一旦、機体の安全性の確認作業を行い、その後、普天間に配備することで、沖縄県民の反発を和らげる狙いがあるとみられています。
オスプレイは両翼にヘリコプターのような二つの回転翼を備え、その角度を変えることで垂直離着と水平飛行ができる米軍の最新式の輸送機です。(youtube動画⇒http://goo.gl/kaI3Z)
米軍が保有する従来のCH46輸送ヘリに比べ、航続距離、搭載量が2倍以上向上するとされています。
特に注目されるのが、オスプレイの配備によって、沖縄の米軍海兵隊の作戦行動半径が飛躍的に伸びることです。現在のCH46の作戦行動半径は148kmですが、オスプレイは実に685Kmにもなります。空中給油等を併用した場合、最大で約3700km以上の飛行が可能になります
つまり、有事の際の米軍の海兵隊の迅速な展開範囲が、沖縄本島から410km離れた尖閣諸島はもちろん、600km離れた台湾にまで広がるのです。これは台湾侵攻を企図する中国にとっては大きな脅威です。
中国が日本の尖閣諸島について「核心的利益」という言葉を使って、その確保のためには武力行使も辞さないことを宣言している今、尖閣・沖縄の含めた離島防衛とアジアの平和のために、普天間基地へのオスプレイの配備は極めて有効な抑止力強化の一つです。
しかし、オスプレイ配備に対し、普天間基地のある地元宜野湾市はもちろん、県内全41市町村議会中39市町村議会が、開発段階での事故多発や機能上の欠陥を理由に、配備に反対し撤回を求める意見書や決議を可決。県内で盛んに反対集会を繰り広げています。
その背後には、地元の二大左翼系新聞の世論誘導と、自治労や教職員組合と左翼活動家らの根強い反米基地闘争があるのはもちろんですが、さらに見えない形で、中国共産党の工作員が暗躍している事実も忘れてはなりません。
普天間基地の県外移転を主張し、辺野古移設に反対する一方で、オスプレイの普天間基地への配備にも反対する――つまり憲法9条に象徴される平和憲法に基づく「無防備こそが平和をつくる」という間違った考えこそが、沖縄の左翼陣営の論理と行動の特徴の一つです。
安全保障について不勉強のまま総理になった鳩山元首相が「学べば学ぶにつけ、海兵隊のみならず、沖縄の米軍がすべて連携しており、その中で抑止力が維持できる」と語りましたが、「抑止力こそが平和を守る」というのが世界の常識です。
特に、沖縄で強く見られる「空想的平和主義」は、実は戦後60数年、日本全土に蔓延してきたのも事実です。
筆者は先般、沖縄本島から500キロ離れた日本最西端の島「与那国島」を視察してきました。中国本土(福建省)から約350キロ、台湾から111キロ、その両国が領有を主張する尖閣諸島からわずか約150キロという位置にある、文字通りの「国境の島」です。
人口は約1700人で、もちろん小学校も中学校も存在します。しかし、驚いたことに、この島には自衛隊も、関連の施設も存在しません。島民を守っているのは、わずか2人の交番勤務の警察官のみで、「二丁拳銃で国境を護っている」と揶揄されています。
この与那国島でも、自衛隊配備を反対する世論が盛り上がり、住民投票を求める動きが強まっています。もし、この丸裸の島に中国の人民解放軍や工作員が上陸したら、何の抵抗もできずに簡単に占領させるでしょう。これが今の日本の「国境防衛」の現実なのです。
しかも、それは日本の最西端の与那国島だけではなく、日本の最南端の島である有人島である波照間島も同様です。また、宮古島にも航空自衛隊のレーダー基地があるだけで、自衛隊は沖縄本島以西と以南には、部隊も施設も存在していないのです。
それはあたかも、自分たちを狙っている隣国というオオカミに対して、柔らかい腹部を無防備に晒しているような姿です。
そうした「無防備国家」――これが戦後60数年の間、日本の政府が歩み、国民が容認してきた国家の姿なのです。
もちろん、それが可能だった理由は、ひとえに日米同盟に基づいて、日本本土と沖縄に米軍が駐留していたからに他なりません。
そして今、迫りくる中国の脅威に対して、自衛隊では足りない「抑止力」を増強すべく、米軍がオスプレイの配備を進めようとしています。
しかし、それに対して、誤った平和論に固執し、反対運動を繰り広げる沖縄の左翼陣営と、それに翻弄され続ける政府民主党。そして、そうした政権を生んでしまった戦後教育、マスコミ、市民運動……今の日本に内在する、安全保障上の問題の全てが沖縄に凝縮されています。
そうした戦後60数年の過てる安全保障神話を正し、真に日本国民と国土を守るため、そしてアジアの自由と平和のためにに立ち上がったのが幸福実現党です。
現在、幸福実現党では尖閣諸島と沖縄・九州防衛に特化した「沖縄・九州防衛プロジェクト」が進展しています。(進捗状況⇒http://goo.gl/uExVw)
また、来週末6月16日(土)には「中国・マスコミ問題研究会」公開セミナーにおきまして、「沖縄祖国復帰40年、沖縄に迫る危機!」と題し、「沖縄・九州防衛プロジェクト」の活動報告と驚くべき沖縄の無防備な現状、左翼陣営による沖縄工作等をご報告させて頂きます。⇒http://goo.gl/XDmKm
皆さまの「沖縄・九州防衛プロジェクト」への更なるご支援とご協力の程、何卒よろしくお願い申し上げます。(文責・矢内筆勝)
[HRPニュースファイル298]日本は米国と共にアジア太平洋の「自由の守護者」たれ!
本ブログの内容がメールマガジンでも読めます。(※無料です)
パネッタ米国防長官は、米国を「太平洋国家」と位置づけた今年1月の新国防戦略発表後、インドを含むアジア諸国を初めて歴訪しました。(6/5 産経「パネッタ米国防長官アジア歴訪、中国牽制の狙い達成」⇒http://goo.gl/SnQz1)
「リバランス(軍事力の再均衡)」をキーワードとした歴訪は「中国への牽制」を念頭にアジア太平洋地域の同盟・友好国との関係強化を図るものであり、「インド洋を含むアジア太平洋地域で、中国に絶対覇権を握らせない」(国防総省関係筋)という米国の強い意志の表れであります。(同上)
今回の歴訪で、パネッタ国防長官がベトナムとインドを訪れたことはアメリカ新国防戦略の重心が太平洋地域およびインド洋地域に移ることを意味しています。
また、パネッタ国防長官は2日、シンガポールで開かれている「アジア安全保障会議」で演説し、2020年までに米軍の海軍力の6割(現在5割)をアジア太平洋地域に集中させる方針を明らかにしました。(6/2 読売「米海軍力6割をアジア太平洋に集中へ…国防長官」⇒http://goo.gl/pPnwJ)
米海軍は現在保有する艦艇285隻を太平洋と大西洋に半数ずつ展開しており、現在、米海軍の部隊は太平洋地域を管轄する「太平洋艦隊」、大西洋地域を管轄する「艦隊総軍」、地中海を管轄する「第六艦隊」、ペルシャ湾や紅海、アラビア海を管轄する「第五艦隊」に分かれています。
米海軍の中で太平洋地域およびインド洋地域を管轄するのは「太平洋艦隊」に属する「第七艦隊」で、日本とも深い関係があります。同艦隊は東経160度線以西の太平洋地域(東経160度以東は同じく太平洋艦隊に属する「第三艦隊」が管轄)、及びインド洋地域という非常に広大な地域を守るために存在しています。
こうした「アメリカ海軍の太平洋地域への集中」のねらいは、第一には、海軍力強化が著しい「中国に対する牽制」があります。
中国が軍事力に物を言わせて過激な活動に走るのを抑止すべく、米海軍の戦力配置のバランスを変えて、アジア太平洋地域の軍事力を増強すると共に、同盟・友好国との連携を強め、「中国包囲網」を築くことがねらいです。
第二のねらいは、中国のカウンターパートとしての「インドとの安保強化」です。
パネッタ国防長官は6日、訪問先のインドでアントニー国防相と会談。軍備増強を進めてアジア地域で台頭する中国をにらみ、海洋などでの安全保障の協力強化を確認しました。(6/6 産経「中国にらみ安保強化確認 米インド国防相が会談」⇒http://goo.gl/6FE7F)
米国はインドを自陣営に加えることで、中国とインドとの間で勢力均衡を図り、アジアに安定をもたらす狙いがあります。アメリカの新国防戦略にインドが名指しされているのはそのためです。
こうした米国の大胆な新国防戦略の背景には、アメリカにとって日本が「主要な同盟国」であるという大前提があります。それは中国が海洋に進出する際に、地理的に塞がっているのが日本であるからです。
パネッタ国防長官は2日、アジア太平洋地域でカギを握る同盟国として、日本、韓国、オーストラリア、フィリピン、タイの5か国を挙げ、特に、日米同盟は「アジア太平洋の平和の礎であり続ける」と重要性を強調しました。(前掲、6/2 読売)
しかし、これは日本に対して厳しい現実を突き付けているとも言えます。それは日本がアジア太平洋の「自由の守護者」として自立し、「自分の国は自分で守る」ことを求められているという現実です。
これは普通の国にとっては当たり前のことですが、日本にとっては憲法9条改正を含む、根本的な国防方針の転換が求められているということです。
中国の覇権主義の拡大、北朝鮮の核兵器保有等、国際情勢の現実を考慮に入れれば、憲法前文にある「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して」などと悠長なことは言っていられる現状ではありません。日本も自立すべき時期に来ています。
米国は日本をアジア太平洋地域で「有数の軍事力を持つ国」であると認識しています。それは、今日まで米軍と自衛隊が築き上げてきた協力関係から見ても明らかです。
日本としても「自主防衛」に道筋をつけると共に、インド、ベトナム、タイ、ミャンマー、フィリピン等のアジアの国々と友好を結ぶことによって、「中国包囲網」を築くべきです。
そのためにも、日本はまず、自国の領土である尖閣諸島、沖縄を断固、守り抜く姿勢を示すべきです。そして、日本は米国と共に、アジア太平洋の「自由の守護者」たらんと決意すべきです。(文責・黒川白雲)
6/8 Happiness Letter816〔自衛隊を「軍隊」とする解釈改憲を急げ!〕
本ブログの内容がメールマガジンでも読めます。(※無料です)
本日8日(金)、フジサンケイビジネスアイ紙に党首コラム「未来への決断」が掲載されます!タイトルは「自衛隊を『軍隊』とする解釈改憲を急げ」です。
現実に即した憲法9条の解釈改憲と、それに伴う自衛隊の行動規範の変更を論じます。ぜひ、御一読ください!
☆゜・:.。. .。.:・゜。
■ラジオ番組「ついき秀学の『日本の未来はここにあり』」
今月6月はゲストに憲法学の第一人者である慶應義塾大学教授・弁護士の小林節氏、そして明海大学名誉教授で『ニュ-・フロンティア戦略― 「宇宙」と「海洋」を拓けば日本は甦る』(幸福の科学出版)等、多数の著作を出されている杉山徹宗氏をお迎えします。
小林節教授からは「憲法改正について考える」(3日)、「政教分離・信教の自由」(10日)、杉山徹宗教授からは「日本を守る新発想『平和宇宙戦艦構想』」(17日)、「これから求められる国家としての危機管理」(24日)と題し、それぞれお話を伺います!
放送はラジオ大阪(毎週日曜日7:30~8:00)、和歌山放送(毎週日曜日20:00~20:30)となります!
なお、エリア外の皆様も、放送後は番組公式ホームページからお聴き頂けます。また、過去に放送した番組(ゲスト:日高義樹氏、ペマ・ギャルポ氏、増田悦佐氏、石平氏等)もお聴き頂けます!⇒http://goo.gl/4annW
☆゜・:.。. .。.:・゜
■幸福実現TV「南モンゴルの現状と新たな選択」
昨日6月7日(木)の幸福実現TVは「南モンゴルの現状と新たな選択」と題し、ゲストに、モンゴル自由連盟党幹事長を務めるオルホノド・ダイチン氏をお迎えしてお送り致しました。
中国による南モンゴル(現、内モンゴル自治区)に対する侵略、大虐殺、そして大弾圧の真実が伝えられます。日本も祖国を失う悲劇を迎えることのないよう、ぜひ本番組をご覧ください!収録映像はこちらから⇒http://goo.gl/3pHaI
[HRPニュースファイル297]経済成長と女性政策で人口減少にストップを!
本ブログの内容がメールマガジンでも読めます。(※無料です)
少子化問題が深刻化する中、厳しい内容の統計が厚生労働省から発表されました。2011年に生まれた子どもの人数が105万698人で戦後最低となりました。(6/5 日経⇒http://goo.gl/jRJ6V)
出生率は、最低だった2005年の1.26以降、緩やかな増加傾向にあり、2011年は2010年と同じく1.39%でしたが、若年女性の絶数減自体が減っているため、出産数は減少する傾向にあります。
さらに今回の発表で注目すべき点は、34歳以下の母親の出産が減少傾向にある一方、35歳以上の出産は増加傾向にあることです。初産の平均年齢は30.1歳となり、初めて30歳を超えました。
高齢初産には……
・妊娠しにくくなる
・切迫流産・切迫早産になりやすい
・妊娠中毒症を起こしやすい
・微弱陣痛になりやすい
・先天異常の子供が生まれやすい
・出産後の母体の回復が遅い
などの問題があります。
平均初婚年齢も高くなる傾向があり、男性が30.7歳、女性が29.0歳と過去最高を記録しています。結婚が遅くなり、出産年齢が高齢化している理由として「所得の減少」が一番に挙げられます。
内閣府の調査によると、将来結婚を希望している人に「結婚への不安」について尋ねると、男女共に半数以上が「経済的に十分な生活ができるかどうか」を挙げています。
また、「子どもを増やしたいけれども、実際には子どもを増やさない」という夫婦に理由を聞くと、「お金がかかりすぎる」が最多となっています。(平成23年版「子ども・子育て白書」⇒http://goo.gl/aM3Tp)
厚生労働省の資料をみると、子どもを養育している世帯の年収は600万円台の後半から700万円台の前半となっています。(厚生労働省「各種世帯の所得等の状況」⇒http://goo.gl/EmrUy)
しかし、20代、30代世代にとっては、それだけの所得を得ることが難しくなっています。20代の雇用者について給与の分布をみると、1997年では300万台の雇用者が一番多かったのに比べて、2007年は200万円台前半まで減少しています。
30代についても、97年は年収が500万円~600万円台の雇用者の層が一番多かったのに対して、2007年は300万円台が最も多くなっています。(前掲「子ども・子育て白書」より)
こういった統計を見ていくと、20代、30代世代の所得の落ち込みによって晩婚化や高齢出産が増えている原因となっていることが理解できます。
したがって、少子化問題解決策の第一は長引く不況の早期克服と「経済成長」にあります。
政府は平成24年度の予算案に少子化対策として3兆2085億円を計上していますが、その半分近くが子供手当てと高校の授業料無償化といったバラマキ政策です。しかし、バラマキ政策は経済問題の根本的解決にはつながりません。
「人に魚を与えれば一日で食べてしまうが、釣りを教えれば一生食べていける」という諺の通り、少子化問題も長く続かないバラマキではなく、魚をとれる環境をつくること、すなわち、「経済成長」が必要なのです。
幸福実現党は「インフレターゲット」の導入等の大胆な金融緩和と交通革命や未来産業等に対する積極投資、規制緩和等により、飛躍的に経済成長率を向上させて参ります。
「デフレ不況」を20年以上も放置してきた自民党でも、深刻な「消費税不況」を引き起こそうとしている民主党でも、少子化問題に歯止めをかけることは永遠にできません。
少子化問題解決策の第二は「女性が働きながら、子どもを育てられる環境」をつくることです。
厚生労働省の調査によると、妊娠・出産を機に退職した女性の正社員に理由を聞いたところ、「家事・育児に専念するために自発的にやめた」という人が39%と最多となっています。(平成22年版「働く女性の実情」⇒http://goo.gl/KB1gX)
実際、20代半ばから結婚する女性も多いですが、彼女たちの一番の悩みは子どもを育てながら仕事が続けられるかどうかです。
新卒の定着率が悪い現在、入社4年目、5年目でも中堅と若手の間を取りもつ重要な仕事をしている女性もいます。出産を機に退職するのは企業にとっても痛手ですし、社会全体にとっても大きな損失です。
仕事と育児の両立のためには、保育所の整備やフレキシブルに働けるような環境づくりが必要です。
そのため、幸福実現党は子育て産業の育成など、女性が安心して子供を産み育てられる社会インフラづくりを進めています。
例えば、現在、保育所(保育ビジネス)への新規参入が制限されているため、100 万人とも言われる待機児童の問題が解消されません。
幸福実現党は保育所の設置規制を緩和し、女性の残業に対応できる保育所など、働く女性のニーズに見合った政策を進めて参ります。
また、私案ですが、一つのアイデアとして大学在学中に結婚・出産しやすい環境をつくるということも考えられると思います。
比較的時間のある大学時代に結婚、出産、育児をすませてしまい、卒業すると同時に新入社員としてバリバリ働くという方法です。
実際、欧米の大学では既婚者のための学生寮や保育園、幼稚園がキャンパスに併設されています。また、結婚・出産費用に対する無利子の融資や、妊娠・出産による休学期間中の授業料の免除、休学をしても必要単位が取れれば卒業できるようにするなどの措置が考えられます。
ただ、この提言は在学中に、経済的に自立した相手と出会えた幸運なカップルだけに適用できる処方箋です。
また、異性に対して奥手な男性が増えたことも少子化問題の一因となっています。まだ結婚相手が見つかっていないという男性に対しては、次の言葉を贈りたいと思います。
女性はどんなに強がっていても(猛女のように見えても)、王子の出現を待っています。男性の皆さまは是非、勇気を振り絞って一歩を踏み出してください!(文責・HS政経塾1期生 伊藤希望)
[HRPニュースファイル296]アメリカニュージャージー州の慰安婦石碑建立を考える
本ブログの内容がメールマガジンでも読めます。(※無料です)
最近FacebookなどのSNSで話題騒然となったアメリカニュージャージー州(以後NJ州)に設立された在米韓国人による従軍慰安婦碑問題が注目を浴びています。
政府と自民党も、当問題に対して外務省を通じてNJ州に意見と石碑撤回を求める運動を起こしています。(関連記事はこちら⇒http://bit.ly/Ng8Pkm)
まずは、話題となっている慰安婦碑問題を見てみましょう。
アメリカNJ州パリセイズパーク市の図書館前には、日本の従軍慰安婦を糾弾する石碑が建立されています。「日本軍は、20万人の韓国人女性を慰安婦として強制連行した」ことが石碑には書かれています。
事の発端は、1993年、当時の官房長官であった河野洋平氏が「河野談話」で、従軍慰安婦に対する謝罪をしたことです。
しかしながら、当時官房副長官であった石原信雄氏は「随分探したが、日本側のデータには、強制連行を裏付けるものはない。慰安婦募集の文書や担当者の証言にも、強制にあたるものはなかった」とコメントしています(1997/3/9 産経)。
従軍とは、「軍属」といい、軍人ではなく軍に関連した仕事を行う者、例えば医師・看護婦、僧侶・神父などの宗教家やカメラマンなどの職種に従事する者を指しました(例:従軍看護婦)。
慰安婦は民間の業者が慰安婦を連れて軍に着いて行き商売をしていたのです。慰安婦は貧しい家庭に育ち親などに売られたり、業者にだまされて連れてこられたりしたのが実態です。
つまり、「従軍慰安婦」という概念はなかったのです。また、何かと日本軍による強制連行が指摘されますが、上記の通り強制連行の史実はなく、むしろ日本軍は衛生面の徹底管理や女性をだまして慰安婦にする悪徳業者を取り締まるなどして慰安婦を保護していたほどでした。
しかしながら、韓国国内では、李明博大統領が慰安婦像を日本大使館前に建立し慰安婦問題は再燃しています。ただ、普通に考えて一国の大使館前に慰安婦像を建立することは無礼極まりません。
法律上は、1965年日韓基本条約により戦後賠償が決着済みです。国家間の「示談」にあたる賠償問題が済んでいるにも関わらず、問題を蒸し返すほど愚かなことはないのです。
更に言えば、基本条約締結前に韓国は日本からの賠償を得るためにありとあらゆる被害を提示してきました。しかし、当時韓国政府は、慰安婦問題を一切持ち出しませんでした。これは、日本軍に連行された「従軍慰安婦」という存在が無かったことを物語っています。
貧しい家庭に育ち慰安婦となった女性の苦労には思いをはせることが必要ですが、慰安婦問題再燃はナンセンスであり、日本政府は断固抗議し、慰安婦碑撤回を求めるべきです。
■問題は政治家が謝罪したこと
最大の問題は、当時の官房長官の河野氏が外交摩擦を避けるために、強制連行の事実が確認できないにもかかわらず、安易に丸く収めようとして謝罪してしまったことに帰着します。
日本では謝罪は美徳かもしれませんが、政治の世界では巨額の賠償金が動くことを意味します。しかも、国民の血税が使われます。
さらに、中国や韓国の姿勢を見ても分かる通り、謝罪しても一向に問題は解決しません。むしろ、要求がエスカレートしているほどです。
いわゆる「河野談話」にあたる謝罪声明は、1995年の「村山談話」、2010年の「管談話」と踏襲されてしまいました。
小泉総理も05年に同様の見解を発表したことがありますし、保守のプリンスと呼ばれた首相でさえ、07年の訪米前にニューズウィーク誌のインタビューで「軍の関与と強制連行に対する謝罪」にあたる見解を発表してしまいました。それほど、日本の政治家の間では慰安婦問題は鬼門となっています。
こうした政治家の曖昧な態度が、アメリカではマイク本田議員による日本政府に対する謝罪要求決議に至っています。日本側から猛烈な反論が識者を通じて行われましたが、これに対してマイク議員は河野談話を持ち出して反論をしたとされます。
要するに、日本は1993年の河野談話以降、日本を糾弾する勢力からは「国家が正式に慰安婦問題を認めた」と認識されてしまったのです。
■日本国全体が歴史認識問題を直視するべき
国民全体でも、教育現場での教科書の採択から始まり、社会科教員の歴史認識を改めるのは至難の業です。社会科教師の率直な意見では、教科書だけでは問題解決にならないことが指摘されています。
今後、日韓交流を深めていく際に、日本人は卑屈で韓国人が高慢な態度をとられ、一体どうやって友好関係を築くというのでしょうか。そろそろ歴史認識問題を直視し、修正を加える時期に来ているのは間違いありません。(文責:中野雄太)