12月の大統領選挙に向けて、韓国でも「政治の季節」が始まっています。
与党セヌリ党の朴槿恵(パク・クンヘ)元代表が7月10日に出馬を正式表明。同候補は、民主化運動を弾圧しながらも、経済発展の礎を築いた朴正煕(パク・チョンヒ)元大統領の娘で、「初の女性大統領」誕生の期待がかかります。
世論調査で4割以上の支持を集める同候補は、2位の安哲秀(アン・チョルス)ソウル大学教授を引き離しています。
大統領選では、経済問題が最大の焦点となっていますが、日韓関係を中長期的に考える上での材料になる話題も出てきています。
それは「韓国も核兵器保持の能力を持つべきだ」という主張です。
大統領選に出馬を表明している鄭夢準(チョン・モンジュン)FIFA名誉副会長は、北朝鮮の核武装を念頭に「米国に依存した核戦略を超え、我々も独自に核兵器保有の能力を持つべき」と主張しています。(6/28 朝日「『韓国も核保有能力を』大統領選候補の鄭夢準氏」)
支持率1%ほどの鄭氏は現段階で泡沫候補にすぎず、これで韓国がすぐに核武装するという話にはならないでしょう。
しかし実際に韓国は、核兵器製造能力の保持に近づきつつあります。韓国は現在、2014年で満了する米韓原子力協定について、改訂の交渉を行っています。
原発で使用された核燃料から、ウランやプルトニウムを取り出す「再処理」というプロセスがありますが、現在の協定ではアメリカの了承なしに韓国はこれを行えません。
今回の交渉ではアメリカが韓国に再処理を認めるかどうかが焦点で、韓国側には既に再処理の了承を取り付けている日本への対抗心も見え隠れします。
北朝鮮対策という大義は理解できるにしても、韓国が万が一にも核兵器を持つことがあれば、我が国の安全保障にとって大問題になります。
その理由は、韓国が核をちらつかせながら、いわゆる歴史問題や竹島問題をめぐって、日本に対する強力な「脅迫カード」を持つことになるからです。
韓国での日本の「軍事大国化」への恐怖心はいまだに根強く、それが韓国核武装の遠因となる可能性すらあります。最近でも日本の原子力基本法改正を機に、韓国各紙が「日本が核武装に踏み切るのでは」と警告を発しています。(6/22 朝日「韓国、日本の核武装に懸念 原子力基本法改正で」)
また、韓国紙は最近、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権は2005年、竹島問題などを理由に日本を「仮想敵国」とするようアメリカに提案していたと報じています。(7/1 中央日報「韓国与党議員「盧武鉉政権、日本を仮想敵国に…米国に提案」」)
分断国家が一つになれば、ナショナリズムが燃え上がることは確実であり、復讐心をもってその矛先を日本に向けることは想像に難くありません。
もし仮に半島が統一された場合には特に、日本は統一朝鮮の「反日ナショナリズム」と対峙しなければなりません。
民主主義国同士は戦争をしないという仮説もありますが、日韓あるいは日本と半島との関係を中長期的に見ると、この仮説への一つの試しになるとも言えましょう。
もっとも、幸福実現党は人類の道徳的な見地から、北朝鮮の圧制に苦しむ人々の解放、拉致被害者の救出を訴えており、自由と民主主義の下、北朝鮮ではなく、韓国によって半島が統一されることを切に望んでいます。
しかし、半島統一が自動的に東アジアに平和をもたらすと安易に考えるのは大間違いで、その時には、日本にとって現在の北朝鮮問題に匹敵するほどの、大きな国防の脅威が発生します。
日本政府は、北朝鮮解体を目指した政策を進めながら、半島が統一された後のシナリオ、北朝鮮の核兵器の扱いについても、早急に様々なシミュレーションに基づく対処を検討すべきです。
『日本武尊の国防原論』(大川隆法著、幸福の科学出版)には、「平和裡に朝鮮半島の統一ができるようになれば、今度は、韓国も核保有国になってしまう可能性があるわけです」「すなわち、日本の周りがすべて核に囲まれた状況になるわけですから、これほど危険なことはありません」とあります。
日本にとっては、朝鮮半島の統一を見据えて、朝鮮半島の非核化を目指すと共に、国防強化への備えが必要になるでしょう。
さらに、韓国内での反日世論の源泉になっている歴史問題について、真実を世界に発信することも忘れてはなりません。
「従軍慰安婦」なるものが存在した証拠はなく、竹島が韓国の不法占拠であることは明らかですが、世界の主要メディアは韓国の立場に同情的になってきています。
米ニューヨーク・タイムズ紙にいたっては、ソウル日本大使館前の慰安婦像設置のニュースを、わざわざ写真付きで報じています。
韓国側は欧米紙に竹島の領有を主張する全面広告を打つなど反日PRに余念がありませんが、日本側は堂々と世界のメディアなどで何が正しいのかを訴える必要があります。
「反日」を共通理念にして、中国が統一国家をその影響下に組み入れた場合、日本は厳しい国難に面することになります。
歴史的に朝鮮半島は日本と中国との勢力の緩衝地帯となっており、朝鮮半島が中国の勢力下にある時には、蒙古・高麗連合軍による「元寇」のように、日本に国防の危機が訪れているからです。
中国は統一国家を手なづけ、在韓米軍を追い出し、北朝鮮と同様、統一国家を日米同盟に対する緩衝地帯として利用するものと予想されます。そうならないためにも、日米の連携が必要になってきます。
また、統一国家において、中国に親和性のある「主体思想(チュチェ思想)」の強い影響下にある北朝鮮人民の洗脳をいかに解くかも大きな課題となるでしょう。
民主主義国同士のつながりを強調することで、統一された朝鮮をしっかりと日米側に取り込み、新たな統一朝鮮が「反日外交」で中国と協調する事態を避けねばなりません。
地政学的に重要な朝鮮半島をめぐって、日本は先の先まで見据えて手を打っていく必要があります。(文責・呉亮錫)
[HRPニュースファイル335]日本は、朝鮮半島統一後の脅威まで見据え、今から備えを
本ブログの内容がメールマガジンでも読めます。(※無料です)
[HRPニュースファイル335]日本は、朝鮮半島統一後の脅威まで見据え、今から備えを
本ブログの内容がメールマガジンでも読めます。(※無料です)
12月の大統領選挙に向けて、韓国でも「政治の季節」が始まっています。
与党セヌリ党の朴槿恵(パク・クンヘ)元代表が7月10日に出馬を正式表明。同候補は、民主化運動を弾圧しながらも、経済発展の礎を築いた朴正煕(パク・チョンヒ)元大統領の娘で、「初の女性大統領」誕生の期待がかかります。
世論調査で4割以上の支持を集める同候補は、2位の安哲秀(アン・チョルス)ソウル大学教授を引き離しています。
大統領選では、経済問題が最大の焦点となっていますが、日韓関係を中長期的に考える上での材料になる話題も出てきています。
それは「韓国も核兵器保持の能力を持つべきだ」という主張です。
大統領選に出馬を表明している鄭夢準(チョン・モンジュン)FIFA名誉副会長は、北朝鮮の核武装を念頭に「米国に依存した核戦略を超え、我々も独自に核兵器保有の能力を持つべき」と主張しています。(6/28 朝日「『韓国も核保有能力を』大統領選候補の鄭夢準氏」)
支持率1%ほどの鄭氏は現段階で泡沫候補にすぎず、これで韓国がすぐに核武装するという話にはならないでしょう。
しかし実際に韓国は、核兵器製造能力の保持に近づきつつあります。韓国は現在、2014年で満了する米韓原子力協定について、改訂の交渉を行っています。
原発で使用された核燃料から、ウランやプルトニウムを取り出す「再処理」というプロセスがありますが、現在の協定ではアメリカの了承なしに韓国はこれを行えません。
今回の交渉ではアメリカが韓国に再処理を認めるかどうかが焦点で、韓国側には既に再処理の了承を取り付けている日本への対抗心も見え隠れします。
北朝鮮対策という大義は理解できるにしても、韓国が万が一にも核兵器を持つことがあれば、我が国の安全保障にとって大問題になります。
その理由は、韓国が核をちらつかせながら、いわゆる歴史問題や竹島問題をめぐって、日本に対する強力な「脅迫カード」を持つことになるからです。
韓国での日本の「軍事大国化」への恐怖心はいまだに根強く、それが韓国核武装の遠因となる可能性すらあります。最近でも日本の原子力基本法改正を機に、韓国各紙が「日本が核武装に踏み切るのでは」と警告を発しています。(6/22 朝日「韓国、日本の核武装に懸念 原子力基本法改正で」)
また、韓国紙は最近、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権は2005年、竹島問題などを理由に日本を「仮想敵国」とするようアメリカに提案していたと報じています。(7/1 中央日報「韓国与党議員「盧武鉉政権、日本を仮想敵国に…米国に提案」」)
分断国家が一つになれば、ナショナリズムが燃え上がることは確実であり、復讐心をもってその矛先を日本に向けることは想像に難くありません。
もし仮に半島が統一された場合には特に、日本は統一朝鮮の「反日ナショナリズム」と対峙しなければなりません。
民主主義国同士は戦争をしないという仮説もありますが、日韓あるいは日本と半島との関係を中長期的に見ると、この仮説への一つの試しになるとも言えましょう。
もっとも、幸福実現党は人類の道徳的な見地から、北朝鮮の圧制に苦しむ人々の解放、拉致被害者の救出を訴えており、自由と民主主義の下、北朝鮮ではなく、韓国によって半島が統一されることを切に望んでいます。
しかし、半島統一が自動的に東アジアに平和をもたらすと安易に考えるのは大間違いで、その時には、日本にとって現在の北朝鮮問題に匹敵するほどの、大きな国防の脅威が発生します。
日本政府は、北朝鮮解体を目指した政策を進めながら、半島が統一された後のシナリオ、北朝鮮の核兵器の扱いについても、早急に様々なシミュレーションに基づく対処を検討すべきです。
『日本武尊の国防原論』(大川隆法著、幸福の科学出版)には、「平和裡に朝鮮半島の統一ができるようになれば、今度は、韓国も核保有国になってしまう可能性があるわけです」「すなわち、日本の周りがすべて核に囲まれた状況になるわけですから、これほど危険なことはありません」とあります。
日本にとっては、朝鮮半島の統一を見据えて、朝鮮半島の非核化を目指すと共に、国防強化への備えが必要になるでしょう。
さらに、韓国内での反日世論の源泉になっている歴史問題について、真実を世界に発信することも忘れてはなりません。
「従軍慰安婦」なるものが存在した証拠はなく、竹島が韓国の不法占拠であることは明らかですが、世界の主要メディアは韓国の立場に同情的になってきています。
米ニューヨーク・タイムズ紙にいたっては、ソウル日本大使館前の慰安婦像設置のニュースを、わざわざ写真付きで報じています。
韓国側は欧米紙に竹島の領有を主張する全面広告を打つなど反日PRに余念がありませんが、日本側は堂々と世界のメディアなどで何が正しいのかを訴える必要があります。
「反日」を共通理念にして、中国が統一国家をその影響下に組み入れた場合、日本は厳しい国難に面することになります。
歴史的に朝鮮半島は日本と中国との勢力の緩衝地帯となっており、朝鮮半島が中国の勢力下にある時には、蒙古・高麗連合軍による「元寇」のように、日本に国防の危機が訪れているからです。
中国は統一国家を手なづけ、在韓米軍を追い出し、北朝鮮と同様、統一国家を日米同盟に対する緩衝地帯として利用するものと予想されます。そうならないためにも、日米の連携が必要になってきます。
また、統一国家において、中国に親和性のある「主体思想(チュチェ思想)」の強い影響下にある北朝鮮人民の洗脳をいかに解くかも大きな課題となるでしょう。
民主主義国同士のつながりを強調することで、統一された朝鮮をしっかりと日米側に取り込み、新たな統一朝鮮が「反日外交」で中国と協調する事態を避けねばなりません。
地政学的に重要な朝鮮半島をめぐって、日本は先の先まで見据えて手を打っていく必要があります。(文責・呉亮錫)
[HRPニュースファイル334]国家戦略室「日本再生戦略(案)」を検証する
本ブログの内容がメールマガジンでも読めます。(※無料です)
消費増税関連法が7月11日より参議院での審議が開始され、同日、消費増税導入の最終判断を決する「景気条項」への対処として「日本再生戦略(案)」が政府で審議され、月内にも閣議決定され、予算編成に反映される見通しです。⇒http://www.npu.go.jp/policy/policy04/pdf/20120711/shiryo4.pdf
「日本再生戦略(案)」では、100兆円の新規市場と480万人の雇用創出を目指し、2020年度までの経済成長率を名目3%、実質2%に高めることを謳っています。
これが実現すれば、日本経済は上向きますが、「日本再生戦略(案)」は果たして本物と言えるでしょうか?
産経新聞は「再生戦略は、22年6月に菅直人内閣が策定した『新成長戦略』を焼き直した項目も多い。新成長戦略自体、376項目のうち、成果の出ていない政策が約9割に上っている」と酷評しています。(7/10 産経)
それでは「日本再生戦略(案)」について、主要な3論点について見てみたいと思います。
(1) グリーン成長戦略
同戦略では「グリーン成長戦略」として、2020年までの目標として、50兆円超の環境関連新規市場、140万人の環境分野の新規雇用を掲げています。
その中でも、「政策資源を総動員して国民の省エネルギー、再生可能エネルギーの導入を力強く支援していく」と、再生可能エネルギー分野の振興を目指しています。
しかし、再生可能エネルギー分野においては、我が国の産業は競争優位を有していません。
例えば、再生可能エネルギーの中核となる太陽電池パネルは「日本のお家芸」のように思われていますが、実際には、2010年の太陽電池セル生産では、シャープは世界シェアの7%、京セラは6%に過ぎません。
一方、2010年の太陽電池セル生産では中国勢4社は合計51%、台湾を含めると65%ものシェアを占めており、技術競争の時代が終わり、熾烈なコスト競争の時代に入っています。日本が競争優位を得ることは難しい分野です。
むしろ、安全保障の観点も含めて、イラクに匹敵する石油埋蔵量を持つ尖閣諸島の油田開発を実現することで、国内における年間石油消費量10兆円規模となる石油を採掘し、国の収益とするような大胆なエネルギー政策を打ち出すべきです。
(2) ライフ成長戦略
次に、同戦略では「ライフ成長戦略」として、2020年までの目標として、医療・介護・健康関連サービスの需要に見合った産業育成と雇用の創出として、新市場約50兆円、新規雇用284万人を掲げています。
しかし、学習院大学・鈴木亘教授は「医療・介護産業は、多額の公費投入による価格ディスカウントでかろうじて支えられている産業であり、自律的な成長が期待できる分野ではない。
医療・介護費を増やせば自動的に多額の財政支出増となることを考えれば、これは成長戦略というより、一時的な財政政策に近いものと見るべき。」(『社会保障の不都合な真実』P.207~)と指摘しています。
社会保障に関連して、日本再生戦略を実現していく財源として、年金積立金管理運用独立行政法人等の公的マネー(H23年度末時点で、運用資産額:約113兆円、収益額:約2兆6千億円)が出て来ています。しかし、国民資産を運用して財源とするならば、復興増税や消費増税もすべきではありまえん。
鈴木亘教授が指摘するように「多額の公費投入が必要」で、「自律的な成長」が期待できない分野への資金投入は非効率を生み出すのみです。
但し、高齢化は今後とも進展していくため、幸福実現党が提言しているように、医療・介護・健康関連における参入規制の緩和・撤廃、市場原理の導入と競争の促進、価格の自由化、民営化の促進等の構造改革を進めるならば、成長産業になる可能性はあります。
(3) アジア太平洋経済戦略
「アジア太平洋経済戦略」として、2020年までの目標として、アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)の構築、ヒト・モノ・カネの流れ倍増、EPAカバー率80%程度、パッケージ型インフラ海外展開による市場規模19.7兆円を掲げています。
しかし、経済連携協定の拡大を見ても、締結国との貿易割合を80%まで引き上げるのは、TPPを実行しないと達成できない数値です。しかし、TPPは交渉参加表明で他国に出遅れ、民主党内の反対意見も根強くあります。
ベトナムのカーン首席交渉官は「8月末までに意思決定できれば、メキシコ、カナダに遅れることなく交渉参加が可能」と日本に判断を迫っています(7/11 時事)が、未だに政府の決断は不透明です。
また、「食農再生戦略」には、TPPへの戦略が無く、農家戸別保証や青年就農給付金などのバラマキ等のみで、イノベーションの意識は薄く、農業の輸出産業化に向けた熱意は見られません。
TPPについては即刻参加を表明し、TPP交渉でリーダーシップを発揮すると共に、農業分野においては、幸福実現党が提言しているように、参入の自由化、農業の大規模化・効率化、農地の自由売買等の構造改革を進めるべきです。
また、「パッケージ型インフラ輸出」は有望な分野ですが、韓国やフランスの大統領による原発のトップセールスのように、政府首脳が経済界のリーダーを多数引率して相手国にセールスする政治力が必要ですが、日本政府は苦手としており、日本企業もバラバラに行動しています。
以上、主要な3論点についての危惧を述べましたが、更に共通して欠落している点を一つ挙げるならば、「安全保障」の観点が欠けていることです。
中国の覇権主義を抑止できる自主防衛力の確立が無く、対等な外交交渉はじめ、領土や海洋資源を保持し、安心した経済活動を行うことは出来ません。また、経済成長の要となる新技術の開発は「防衛産業」にあります。
結局のところ、「日本再生戦略(案)」は、日本が置かれている厳しい国難を打破するための「戦略的発想」に欠けており、「消費増税導入のための数字作り」に過ぎないと言えます。
これでは、次期衆院選の選挙対策としての「バラマキマニフェスト」や「官僚の利権拡大戦略」と言わざるを得ません。
政府は、国家のサバイバルをかけて、日本を真に再生させる戦略を立て、断行していくことが求められます。(文責・小川俊介)
[HRPニュースファイル333]「原発大国」を目指す中国――日本は国家意思を明確にせよ!
本ブログの内容がメールマガジンでも読めます。(※無料です)
現在、民主党政権の下、脱原発に向けたステップが着実に進められています。
既報の通り、政府の「エネルギー・環境会議」が6月29日、今後のエネルギー政策について、「エネルギー・環境に関する選択肢」(2030年の原発依存度を基準に、(1)原発ゼロシナリオ、(2)原発15%シナリオ、(3)原発20~25%シナリオ)を取りまとめました。
これは、2030年に向けて、原発比率を0~25%の範囲で削減していく方針を明確に打ち出したものであり、2030年までの日本のエネルギー政策がこれで決定されます。
当初、存在していた「35%シナリオ(※)」は左翼委員によって途中で消されたため、現状の選択肢は全て「原発削減シナリオ」となっています。
※2010年の原発比率は26%であり、「20~25%シナリオ」は一見、現状維持に見えますが、【数字のトリック】が使われています。他の選択肢の前提条件と同様、原発稼働率67%(基準年2010年)⇒80%(2030年)、電力消費量1.1兆KWh(基準年2010年)⇒1.0兆KWh(2030年)と置くと、原発を維持した場合、2030年の原発比率は約「35%」になります。(26%× 80/67 × 1.1/1=34.15%)
また、私達がエネルギー政策について考える際、国内のみに目が向きがちになりますが、国外、特に、日本に覇権主義の矛先を向けている中国の原発政策にも注目する必要があります。
中国の原子力開発計画について、World Nuclear Association(世界原子力協会「Nuclear Power in China」⇒http://www.world-nuclear.org/info/inf63.html)によると、下記計画が明らかになっています。
現在、中国では、6か所の原発で13基の原子炉が稼働中です。現在運転中の原子力発電所の設備容量は1188万kW、原子炉は15基です。
発電量は、中国の総発電量の2%程度、日本の原発の設備容量(4896万kW(震災前))の4分の1に過ぎません。現状では、中国は「原子力大国」とは言えません。
しかし、同サイトによれば、中国で建設中、若しくは計画中の原子力発電所は8575万kW、77基あります。
実際、中国政府は今年初め、原子力発電所の設備容量は2020年までに8600万キロワットに達すると発表しています。(1/18 新華通信社)
さらに、構想中の原子力発電所は1億5400万kW以上、約150基とされています。これは概ね2030年までに達成される計画と考えられます。
建設中・計画中・構想中のものを合計すると、約2億4000万kW、震災前の日本の設備容量の約4倍が建設されることになります。これは中国の原子力が米国、フランスをも上回る世界一の規模になるということです。
さらに、上記ページには、2050年までに4億kW(原発約400~500基)が建設されるとされています。この急激なペースでの原子力開発は、中国の核兵器の増産とも無関係ではありません。
中国が「原発500基」を目指しているのとは対照的に、日本は原発廃止・削減に向かっています。これでは、経済的にも、安全保障的にも、日本は自ら窮地に向かっているようなものです。
今、エネルギー政策を通じて、日本が問われているのは「国家の戦略意思」です。
地球環境産業技術研究機構(RITE)が推計した2020年に原発をゼロにした場合の2030年時点における実質GDPへの影響は、自然体ケースに比べて46兆円(7.6%)減少するという結果が出ています。(2011年7月 国家戦略室「エネルギー・環境に関する選択肢」概要p.16⇒http://www.npu.go.jp/policy/policy04/pdf/20120705/shiryo1.pdf)
「脱原発」は電力供給の制約、電気料金の高騰等により、日本経済に致命的なダメージを与え、消費税増税とのダブルパンチにより、日本経済は奈落の底に沈みます。
また、原発を保有しているということは、日本が核兵器を開発できる潜在的能力を保有していることを意味し、安全保障上、大きな「抑止力」効果を持ちます。
「脱原発」は、安全保障上、日本が「丸裸」になることを意味しているのです。
エネルギー政策を通じて、日本は「経済成長していく意思はあるのか」「国を守る意思はあるのか」が本質的に問われています。
政府は冒頭に示した「エネルギー・環境に関する選択肢」について、広く国民的議論を呼びかけるため、7月2日から8月12日までの間、意見(パブリックコメント)を募集しています。⇒http://www.npu.go.jp/policy/policy09/pdf/20120702/20120702.pdf
この選択が、2030年までの日本のエネルギー政策を決定します。日本を守り、繁栄の未来を築くためにも、パブリックコメントに参加し、日本の平和と繁栄、国家の存続を守り抜きましょう!(文責・黒川白雲)
7/13 Happiness Letter831〔本日13日(金)大好評!!「億万長者への道」〕
本ブログの内容がメールマガジンでも読めます。(※無料です)
本日13日(金)、フジサンケイビジネスアイ紙に党首コラム「未来への決断」が掲載されます。タイトルは「オスプレイ 沖縄にこそ配備必要」です。
中国の脅威に対し、オスプレイ配備による抑止力強化が必要であることを論じます!是非、御一読ください。
☆゜・:.。. .。.:・゜
昨日7月12日(木)21:00~の幸福実現TVは「沖縄のルーツはどこ?」と題し、ゲストに明星大学戦後教育史研究センターの勝岡寛次氏をお招きしてお送り致しました。
「琉球のルーツは中国にある」と主張する中国の論理を論破できる画期的な内容となっております!ぜひ、こちらからご覧ください!⇒http://www.ustream.tv/recorded/23936717
☆゜・:.。. .。.:・゜
本日7/13(金)に開催される「第2回政策研究会」では、大好評の前回に続き、聖学院大学政治経済学部教授 鈴木真実哉先生を講師にお迎えし、「億万長者への道」と題し、本格的に富を形成し、億万長者になるための秘訣を講義いただきます。
私達が豊かになり、富を形成し、繁栄していくことが、国富を生み出し、日本から世界へと繁栄を広げていく大きな要因となります!大いに富を肯定し、大いに豊かになって参りましょう!!
《第2回ウィークデー政策研究会 開催概要》
鈴木真実哉教授『億万長者への道』
【開催日時】7月13日(金)20:00~21:30
【開催場所】ユートピア活動推進館
港区赤坂2-10-8(地下鉄溜池山王9番出口から徒歩3分)
電話:03-6277-6937(休館日を除く10時~18時)
【参加対象】 どなたでもご参加いただけます。
【会費】2000円
※「ウィークデー政策研究会」終了後、経済繁栄系祈願を執り行います。ぜひ、祈願も合わせてお受けください。
開催祈願―『大黒天成長祈願』『プレアデス―運命の輪を回す祈り』『経済繁栄の祈り』
◆鈴木真実哉先生プロフィール
1954年生まれ。早稲田大学大学院を経て聖学院大学政治経済学部教授。専門の金融論の他、理念経済学やシュンペーター、ハイエクを研究。
著書、共著に『カオスの中の貨幣理論』『金融入門』『金融の自由化、国際化の経済学』『格差社会で日本は勝つ』など多数。
[HRPニュースファイル332]日本から世界に、信用ある金融のあり方を提示すべき~LIBOR(ライボー)不正操作疑惑からの教訓
本ブログの内容がメールマガジンでも読めます。(※無料です)
LIBOR(ライボー)不正操作疑惑――世界の金融市場に動揺が広がっています。
事の発端は、イギリスの名門銀行のバークレイズが6月27日に、ロンドン銀行間取引金利(LIBOR)を不正に操作したとしてアメリカ・イギリスの金融監督当局から総額2億9千万ポンド(約360億円)の罰金を科せられたことに始まります。
そもそも、「LIBOR(ライボー)」とは何かというと、「London Interbank Offered Rate」の略で、「ロンドン銀行間取引金利」を意味し、ロンドンで金融機関がお互いにお金をやりとりする際の金利のことです。
これがなぜ重要なのかというと、「LIBORを基準に一定の金利上乗せ」して、多くの契約が行われ、融資や住宅ローンの利率や、金融派生商品(先物取引やオプション取引)の価格形成に影響を与えているからです。
その規模は、世界で360兆ドル(約2京8000兆円)という推計もあり(7/11 毎日)、LIBORは、世界の金融市場に大きな影響を持っています。
◇原因究明に急ぐイギリス
現在、バークレイズ銀行には2つの疑惑があります。
第一に、実際の取引より高い金利をイギリス銀行協会に報告(2005年頃から2008年)を行い、LIBORを不正に高く誘導して、市場取引で不当な利益を得たという疑惑です。
第二に、財務状況を実際よりも良く見せるために、実際の取引よりも低い金利を、イギリス銀行協会に報告(2008年秋のリーマン・ショック時)していた疑惑です。
ロンドンは、ニューヨークと並ぶ国際金融センターであり、このままではロンドンの信用を失墜させることにもなりかねません。イギリスのキャメロン首相は、議会に委員会を設けて徹底調査に乗り出しています。
◇世界に広がる大手銀行への捜査
しかし、この問題はイギリスを飛び越えて、他国にまで広がっています。その理由は、LIBORの決定方法にあります。LIBORは実際の取引結果ではなく、主要行による自己申告をベースに決められます。
各銀行が報告する金利を基に英国銀行協会が集計していますが、異常値を反映しないように、ドル建てのLIBORだと18行のうち、最も高い金利と最も低い金利の4行ずつを除き、残る金利を平均して算出されています。
すなわち、バークレイ銀行単独では、LIBORの不正操作を行うことができないため、他行と結託して、LIBORの不正操作を行っている「談合」疑惑が取り沙汰されています。
スイスのUBS銀行や、アメリカのシティグループにも調査が広がり、アメリカでは、議会にFRBバーナンキ議長やガイトナー財務長官を月内に招致することになっています(7/12東京)
日本の金融マーケットでは、LIBORが適用されるのは外貨建て定期預金などに限られ、国内への大きな影響はないと見られています。
しかし、今回の出来事を教訓に、日本が更に信用ある金融を実現するべく、2つの方向性について提案致します。
(1)透明性のあるLIBOR決定の制度改革
日本ではLIBORの代わりに、TIBOR(タイボー)が使われています。金利決定プロセスはLIBORと同じなので、金利決定の方向性を考えるべきです。
LIBORは「各行がまとまった資金のやりとりができると考える想定金利」を報告しています。実際に貸し借りをする際の金利ではなく、あくまで見込みの金利です。
一部のプロが利用していたうちは問題になりませんでしたが、1990年代以降、金融技術の発展で、LIBORが様々な局面で使用されて重要性が増す一方、銀行が厳しい経営環境から抜け出すために、金利操作の誘惑が常にあったことも原因として考えられます。
「透明性のあるLIBORの決定方法」へとイノベーションをするべき機会と捉えるべきです。
(2)金融界の倫理の見直し
金融における信用の源をもう一度見直す必要があります。金融派生商品自体は、資金調達の多様化を可能としており、今後も推し進めるべきです。
しかし、その土台となる「金融における倫理観」を今一度確かなものにしておくべきではないでしょうか。
金融の機能は、お金の流れを円滑にする公の機関であり、金融に携わる人は高い倫理をもって、自らを律すことが求められます。
そして、自助努力と勤勉さを持つ個人や法人に、お金が円滑に流れ、豊かな社会の実現に貢献することこそ、本来の金融の役割であるはずです。
今こそ、日本がリーダーシップを取って、「世界の金融センター」となる構想を持ち、法人税の減税など「お金を誘致できる政策」を打つべきではないでしょうか。
今回のLIBOR不正操作疑惑を払拭するくらいの「信用ある金融のあり方」を、日本から世界に発信すべきです!(文責・吉井利光)
[HRPニュースファイル331]エネルギー政策に冷静で公平な議論を
本ブログの内容がメールマガジンでも読めます。(※無料です)
日本のエネルギー政策にとって大事な月となる7月。
全国では脱原発や再稼働に対するデモが行われています。また、昨年話題をさらった静岡県の浜岡原発ですが、現在は市民運動家が中心となって再稼働を県民投票によって決める動きが鮮明になっています(投票を呼びかけるサイト⇒http://bit.ly/OZutt0)。
県内の首長レベルでも脱原発を正式に表明する方も増えており、浜岡原発が位置する御前崎市の隣の牧之原市議会では、浜岡原発の永久停止が主張されており、県民の間でも支持する勢力が増えています。
日本国憲法では「思想・信条の自由」と「表現の自由」が保障されています。私は上記の動きがあること自体は否定しません。
ただ、一連の動きには注意も必要です。主要論点は下記の三点です。
第一の問題点は、浜岡原発の再稼働は静岡県だけの問題ではないことです。中部電力のサービスエリアでは、静岡県東部の富士川以西全域と愛知県、長野県、岐阜県、三重県の5県にまたがっています。
浜岡原発は東海地方の電力供給に関わる問題であるため、静岡県民だけの意見を反映するには無理があります。全国では、沖縄電力と北海道電力以外は複数都府県にまたがっていますので、他の地域でも同じ問題が生じるでしょう。
第二に、原発の停止は「電気事業法」や「原子炉等規制法」に基づいて行われるべきです。法令に違反していない原発を強制的に止めることの方が法令違反と言えます。
現政権は法的根拠がないことを承知で、原発を停止するのではなく、「お願い」という形をとり、電力会社が自主的に再稼働を行わない状態が続いています。
したがって、県民投票によって反対が多数を占めたとしても、本来は再稼働を禁止する法的根拠はありませんが、このままでは中部電力が「自主的に」再稼働を停止する状態が続くと思われます。
一人あたりの県民所得でみたら、愛知県は2位、静岡県は3位の経済圏です。同時に、東海地方には、トヨタをはじめ世界的に有名なメーカーと関連企業が点在しており、日本経済の「中心地」としての重要な役割があります。
東海地方の住民の生活と国益の観点を考慮すれば、県民投票という手段をとるのではなく、政府は責任を持って浜岡原発を再稼働する英断をしなければなりません。
繰り返しますが、浜岡原発再稼働は静岡県だけの問題ではありません。東海地方、並びに国家のエネルギー政策の視点から検討されるのが筋です。
第三に、経済と安全保障面での配慮です。(当論点は全国共通の課題)
わが国は「資源希少国」です。エネルギー自給率は、原子力発電を除くとわずか4%です。原子力発電を含めた場合も20%以下です。このまま、全国で脱原発となれば火力依存が高まり、電気代の高騰に加え、電力会社の天然ガスや石油輸入が増えます。
それまで国内に電力を供給して利益を上げていたものが、輸入の急増という形で利益が減るわけです。年間数兆円の国富流出は、GDPの減少や企業の海外移転、失業の問題に結びつくのです。
あるいは、ホルムズ海峡や台湾海峡などのシーレーン上での紛争が起きれば、原油輸入の80%以上を中東に依存しているわが国では、安全保障面上の危機にも直面します。
最悪のケースでは、脱原発と再生可能エネルギーの大量導入による電気料金の上昇、原油やガス価格の高騰、慢性的な増税に日本経済が襲われた場合、一般物価が上昇するインフレと不況が同時に襲うスタグフレーションとなることです。
中東情勢にもよりますが、こうした最悪のリスクも考慮する必要があるでしょう。
これまで見てきたように、エネルギー問題は、発電技術を含めた経済的効果や国防的観点、放射線防護、法律論など複数の専門的視点から考える必要があります。
しかしながら、メディアでは放射線防護ないし放射能の恐怖だけが喧伝されています。これでは公平な議論ができません。
一方、7月2日から31日までの期間で政府が募集しているパブリックコメントを募集しています。こちらは、国民の声を幅広く集めていく上では重要な活動となります。(募集要項⇒http://goo.gl/4DkBh、パブリックコメント投稿フォーム⇒http://goo.gl/KkbPU)
読者の皆様は、どうか巷間の情報だけではなく、今回の論点などを参考にしながら、是非、パブリックコメントに参加してみてください。
そして、今後増えると予想される住民投票や県民投票が行われる際には、総合的な視点から議論がされているか否かをチェックすべきです。(文責・中野雄太)
[HRPニュースファイル330]「国難」の元凶――財務官僚、マスコミによる国家支配を許すな!
本ブログの内容がメールマガジンでも読めます。(※無料です)
消費税増税を柱とする社会保障と税の一体改革法案の審議が、11日から参議院で始まります。また、消費税増税に反対し民主党を離れた小沢新党は、同じく11日設立総会を開催し、重点政策を公表する予定です。
NHK世論調査では、小沢氏が11日に結成予定の「新党に期待できるか」との問いに、大いに期待6%、ある程度期待18%、余り期待せず25%、全く期待せず45%との結果が出ています。
小沢新党に対する国民の期待が少ない、さらに嫌悪する原因として、マスコミ報道も原因の一つと考えられますが、集散離合を繰り返す「壊し屋」小沢氏の究極の目的が何であるのか、理解できないことも一因です。
かつて同志であった小池百合子衆議院議員は「小沢氏の政治行動の基準は、わずか2枚のカードに集約される」と分析しています。(「小沢一郎研究」新潮45,2010/04)
それは「理念カード(政策原理主義)」と「政局カード(政局原理主義)」の二つのカードです。「政局カード」は、政策論をかなぐり捨ててでも、目先の選挙にとにかく勝つためのものであります。
今回は「消費税増税は、民主党のマニフェスト違反」「国民の生活第一」の理念に戻るという「理念カード」を切っているようです。
「理念カード」が手詰まりになれば、「政局カード」を切り、それも難しくなると、改めて「理念カード」に戻る。このカードマジックを何度も繰り返すといいます。
この「ご都合主義」とも取れる小沢氏の政治手法に、国民は一定の不信感を抱いていると言えます。
究極の目的が何であるのか理解できないと言われる小沢氏ですが、2010年9月菅氏と争った民主党代表選での決意表明で、小沢氏は「官僚政治を打破し、政策決定を政治家の手に取り戻さねばならない」と珍しく鮮明な主張を行なっています。
小沢氏は「官僚支配の打破」「政党中心の政治」にあり、小沢氏は「野田官僚傀儡政権」の背後に存在する日本の「官僚支配」と戦う信念は残っているのでしょう。
民主党は「脱官僚」「政治主導」を掲げていますが、実際には、野田首相が財務省の勝事務次官の「操り人形」になっていることから明らかなように、単なる「官僚依存政権」に陥っています。
消費税増税反対を貫く小沢氏に対し、消費税増税法案の衆議院採決直前に『週刊文春』がろくに裏付け取材もせず、小沢氏の妻の手紙を報道し、小沢氏にダメージを与えました。
今回の『週刊文春』の報道があまりにも絶妙なタイミングであったことから、財務官僚の関与を見る向きも強くあります。(小沢氏の事務所は「全くのでたらめ」と内容を全面否定。)
日下公人氏は「(既成権力者の)中心は紛れもなく財務官僚、マスコミ、そして御用学者であり、この三つの「既成権力者」がこの日本の国難を作りだしている張本人である」と述べています。(『日本既成権力者の崩壊』ビジネス社、2/7発刊⇒http://goo.gl/kGp1q)
消費税増税でも一体となって「反増税勢力潰し」に暗躍している「財務官僚―マスコミ―御用学者」という「暗黒のトライアングル」による日本破壊工作が進んでいるのが現状です。
日本国憲法前文には「ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであって、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する」とあります。
財務官僚とマスコミとが一体となって国政を牛耳っている現状は、明らかに「国民主権」を踏みにじる「違憲状態」であります。
「消費税増税」によって、更なる権限と利権拡大を狙う財務官僚の横暴を断じて許してはなりません!
参議院は、党派党略を超えて、良識の府としての本来の使命を果たして頂きたい。
幸福実現党も一貫して主張しておりますが、今は、増税でなく、経済成長による税収増を図るべし。消費税増税は行ってはならないことを国民に説明し、消費税増税関連法案を廃案にし、主権を財務官僚から国民に取り戻すことこそ参議院の使命です。(文責・加納有輝彦)
[HRPニュースファイル329]大津いじめ隠蔽事件「先生は一緒に笑って見ていた」――教室に正義を!学校に善悪の価値観を!
本ブログの内容がメールマガジンでも読めます。(※無料です)
昨年10月、大津市で中学2年生の男子生徒が自殺しました。
自殺直後、市教委が全校生徒(859人)を対象に行ったアンケートで、男子生徒が「暴力」「いじめ」をうけていたとする回答が計227件あったことが分かりました。しかし、市教委は詳しい調査を行わず、約3週間で打ち切りました。
アンケートには「自殺の練習をさせられていた」「毎日殴られていた」「(いじめたとされる同級生が)『家族全員死ね』と言っていた」など生々しい記述がありました。
また、男子生徒が同級生から金を脅し取られていたと複数の生徒が答えていたことが分かりました。アンケートには「同級生が男子生徒を脅して銀行の口座番号を聞き出し、金を取っていた」「銀行の番号を無理やり言わせて遊ぶためにお金を使っていた」と書かれていました。(7/7 NHK⇒http://goo.gl/w8i63)
このように、全校生徒の4分の1以上が、男子生徒が「暴力」「いじめ」を受けていたことを認識していたにもかかわらず、追跡調査を行わなかった市教委の対応が問題となっています。(7/7 産経⇒http://goo.gl/GNges)
これは「責任から逃れたい」という学校側や市教委の保身であり、明らかな「隠ぺい行為」です。今回の事件では、自殺前に学校側がいじめを見逃していた(黙認していた)可能性が強まっています。
学校側は自殺した生徒の家族から「お金遣いが荒くなった」ことについて相談を2度も受けていたといいます。また、自殺した生徒の父親が「暴行があった。何か処罰はできないか」と3回にわたり大津署に相談したのに被害届は受理されませんでした。
実際、多くの生徒も「先生は見て見ぬ振りをしていた」「先生は一度注意をしたけど、その後は一緒に笑っていた」と回答をしています。(7/6 J-CASTニュース⇒http://goo.gl/mjwC1)
自殺した生徒が暴力を振るわれているのに、担任の教師は「隣にいたが止めなかった。笑ってた。『やりすぎんなよ』って」「周りにほかの教師もいた」と証言する生徒もいます。(7/6 朝日⇒http://goo.gl/iN5kE)
どうして、日本の公立学校には、学校・教師ぐるみでいじめを黙認、隠ぺいする体質が根深くあるのでしょうか?
日本のいじめが大きく変化したのは1992年、新・学習指導要領の実施年です。日教組の主張である「子供に価値観を押し付けない」教育指導がより強調され、道徳の授業でも善悪を明確に教えなくなりました。
教師側の倫理観や正義観、善悪の考え方が弱まると、いじめが発生しても、「話し合いで解決しよう」となります。
しかし、「いじめから子供を守ろう!ネットワーク」(http://goo.gl/QoppJ)代表の井澤一明氏は、「学校側に『悪を正そう』という強い意志があれば、いじめは一日で止まることもある」と言います。
いじめを解決できないのは、善悪の判断ができず、教室に「正義」が無くなっているからです。
飛び降り自殺をした男子生徒は階段を使って自殺の練習をさせられていたこともアンケートで分かりましたが、市教委も学校も「いじめは認識できていなかった」と繰り返し、自殺前にいじめ情報が生かされることはありませんでした。
結局、多少の波風が起こったとしても「正義」「価値観」を掲げて問題を解決しようとするのではなく、「なあなあ」にしようとする「戦後民主主義」の悪しき部分が、いじめを増殖させていると言えます。
それは戦後、公教育の現場から宗教を排除したことの結果です。「善悪の基準」とは、突き詰めれば宗教に行き着くからです。
1966年に中央教育審議会会は宗教教育について「生命の根源すなわち聖なるものに対する畏敬の念が真の宗教的情操であり、人間の尊厳と愛もそれに基づき、深い感謝の念もそこからわき、真の幸福もそれに基づく。」と文部大臣に答申しています。⇒http://goo.gl/qNb36
しかし、公教育の現場においては、日教組によるタブー視もあり、戦後、宗教教育はおざなりにされて来ました。その意味でも、日本は、宗教教育の重要性をもう一度、見直す時期に来ています。
「いじめ対策」の根本は、道徳では足りません。仏神や天国・地獄について教える必要があります。善悪の判断をしなければ一見、全て平等になるように見えながら、実は悪に加担していることになるからです。
幸福実現党は教育政策として「いじめのない学校づくり」「宗教教育の復活」を掲げています。
「大津いじめ隠蔽事件」で明らかになったように、学校や教育委員会による内々のお手盛りの調査やチェックでは、とても教育界を浄化することはできません。
外部からのチェックが全く入らない「聖域」としての学校に、「不正がないか」をチェックし、是正していく必要があります。
幸福実現党は「いじめ防止法」の制定により、学校の善悪を明確にし、是正する枠組みをつくって参ります。そして、その善悪の根拠となる「宗教教育」を、教育の現場に取り戻して参ります。
「教育は国家百年の計」です。教育とは人生を切り拓く魔法のような力があります。教育界の浄化は、日本の未来を切り拓く鍵であります。(文責・竜の口法子)
[HRPニュースファイル328]「脱原発」に向けた政府の茶番――真のエネルギー政策論議を喚起せよ!
本ブログの内容がメールマガジンでも読めます。(※無料です)
関西電力は7月5日、大飯原発3号機の発電を開始し、送電を始めました。
9日にもフル稼働に到達し、それによって8月の関電管内のピーク時における電力不足は14.9%から9.2%へ縮小する見込みです。
3号機のフル稼働により、関電管内は2010年夏に比べた節電目標を15%から10%に引き下げますが、依然、綱渡り状態は続きます。需給が厳しい九州は10%、四国と北海道も7%の目標をそれぞれ維持します。(7/7 中国新聞⇒http://goo.gl/dKOJg)
そのような中、大飯原発の再稼働に反対する抗議活動が、6月末から7月にかけての金曜日に首相官邸前で行われてきました。
特に、再稼働直前の6月29日には抗議行動を激化させ、官邸前から霞が関への車道が人で埋め尽くされました(主催者発表は20万人、警視庁発表は約1万7000人)。
以前より、虎視眈々と日本から国防の要となる原子力エネルギーを排除しようとして来た左翼勢力は、菅前首相の「脱原発」路線に乗じた形で日本の世論を乗っ取り、「全原発廃止」に追い込もうとしているのです。
こうした「脱原発の空気」に対して、京都大学原子炉実験所・山名元教授は「『原子力性悪説』を前提としたメディア報道など、正当な議論を排除するような『異常な言論空間』が形成されてしまっている」と警鐘を鳴らしています。(6/15 産経「原発『不信と否定の空気』変えよ」⇒http://goo.gl/FE9aI)
エネルギー政策は国家を支える基盤です。しかし、今の日本は、「魔女狩り」的な感情的な原発への「不信と否定の空気」の中で、政治においても、マスコミや言論においても、冷静なエネルギー政策論議がなされていません。
幸福実現党が主張して来たように、「脱原発」は(1)電気料金の大幅な値上げ、(2)電力供給の不安定化・脆弱化、(3)産業の国外移転の加速、(4)GDPの減少と失業者の増大、(5)エネルギー安全保障の崩壊等をもたらしますが、こうしたことがほとんど議論されていません。
こうした中、政府の「エネルギー・環境会議」が6月29日に、今後の原発政策について、2030年のエネルギー・環境に関する「3つの選択肢」(原発依存度を基準に、①原発ゼロシナリオ、②原発15%シナリオ、③原発20~25%シナリオ)を取りまとめました。⇒http://goo.gl/qXUad
議事録を調べると、元々選択肢にあった原発依存度「35%」の案は、5月28日の案までは残っているのですが、6月5日以降は消されています。「脱原発依存を掲げる政府方針と合わない」という理由で、大勢を占める左翼系の委員が強く反対したことが原因です。
国民の意見を聞く前に、原発を維持・増強していく選択肢自体を消したことは大問題であり、「脱原発ありき」の茶番劇であることを露呈しています。
その結果、いずれのシナリオを選んだとしても、原発の発電減少分を再生可能エネルギーで補っているため、発電コストが14.1円/kWh~15.1円/kWhと大幅に膨らみます(参考:8.6円/kWh(2010年))。
また、地球環境産業技術研究機構(RITE)の試算によれば、上記シナリオの場合、GDPは自然対比(原発維持した場合との比較)28~45兆円も減少する見込みです。
また、いずれのシナリオも、実質経済成長率を2010年代は1.1%、2020年代は0.8%と低成長を前提としており、その結果、節電も1割も進むとしています。
これは大問題であり、経済成長率が仮定を上回った場合、電力不足が発生することを意味します。電源の開発は10年も20年もかかりますので、経済成長が起きてから建設を始めても手遅れになります。
また、この選択肢では、エネルギーの補給路が有事の際に絶たれる可能性をほとんど想定していません。「エネルギー安全保障」という国家の最重要事項を考慮していない欠陥シナリオであることは明白です。
国家戦略室は、この「3つの選択肢」について、年7月2日から7月31日までの間、意見(パブリックコメント)を募集するとしています。(募集要項⇒http://goo.gl/4DkBh、パブリックコメント投稿フォーム⇒http://goo.gl/KkbPU)
国民からのパブリックコメントを元に、エネルギー・環境会議が8月に2030年までのエネルギー政策を定める「革新的エネルギー・環境戦略」を答申し、政府が最終決定する予定です。
この選択が、2030年までの日本のエネルギー政策を決定します。エネルギー政策の選択を誤れば日本の没落は避けられません。
私たち国民は、政府が誤った選択をしないよう、しっかりと意見を伝えていく必要があります。(文責・佐々木勝浩)