◆「太平洋は米中のもの」と豪語する習近平氏
「広大な太平洋には米中のような2大国が共存する十分な広さがある。」
6月7日、オバマ大統領と会談に臨んだ習近平国家主席は、このように述べ、日本の頭越しに、「アジア太平洋を米中二カ国(G2)で管轄する」意思を示しました。
「快挙を成し遂げた」――中国共産党機関紙、人民日報が10日付社説でこう論評するなど、中国メディアは習近平国家主席の訪米の成果をそろって強調しました。(6/8 AFP)
しかし、尖閣諸島を含む東シナ海や南シナ海における周辺国との対立問題では、米国に理解と配慮を求めた習主席に対して、オバマ大統領は“ゼロ回答”で応じました。(6/10 夕刊フジ「米中、尖閣で決裂 習近平主席“厚顔主張”」)
特に、尖閣諸島問題では両国で激しい応酬が交わされ、習主席は領有権を主張した上、「日本は挑発を止めるべき」と図々しい発言を行っています。
「盗人猛々しい」とは、まさにこのことです。尖閣領域への領海・領空侵犯などの“挑発”を続けているのは一体、どこの国でしょうか?
それに対して、オバマ大統領は緊張緩和や対話解決への取り組みを促し、議論が決裂して終わりました。
◆中国共産党の腐敗の実態
まさしく、中国共産党は“厚顔主張”で、道徳心や倫理観の欠片も存在しない“世界のバイ菌集団”です。
先日、[HRPニュースファイル651]「中国共産党幹部の腐敗の実態(1)」にて、2011年度に摘発された汚職官僚の数は14万人を超え、更に毎年増える傾向にあることをお伝え致しました。⇒http://www.hr-party.jp/new/2013/38144.html
また、米紙ニューヨーク・タイムズが昨年10月、「中国の温家宝前首相の一族の資産が少なくとも約27億ドル(約2200億円)に上る」と報じたのは記憶に新しいところです。
では、なぜ中国共産党は、かくも上から下まで倫理観に欠け、汚職だらけなのでしょうか?
もちろん、中国の国民性や世界有数の民度の低さも関係していますが、最大の原因は、中国共産党の「一党独裁体制」にあります。
中国の共産党員は、13億の人口の内、わずか6%の約8000万人です。このわずか6%の一握りの共産党員が中国の政治、裁判所、軍隊、行政を掌握しているのです。
そして、共産党員でない残りの94%もの中国国民には、国の代表を選ぶ「選挙権」すら無く、国の政治に意見や批判も許されません。
共産党への批判は、命がけでないと出来ないのです。
例えば中国の公安当局は、共産党を批判した人を、裁判なしに最長4年間、強制労働につかせることができます。
最近、中国の準公務員だった任建宇氏が自身のブログに政府批判記事を書き込んだことで、「国家転覆をもくろむ反逆行為の罪」と断定され、裁判を経ずに強制労働2年に処されてしまいました。
国家の批判を一切許さない「共産党一党独裁体制」が、数え切れない汚職や腐敗の温床となるのは、火を見るより明らかです。
◆なぜ腐敗が起きるのか?
もちろん、中国にも法律は存在しています。しかし中国は、日本や欧米のような「近代的法治国家」ではなく、「人治国家」です。
中国では法律の解釈の基準や細則が決められておらず、権力者の裁量がとても大きいため、許可を出すにしても「その人次第」、つまり「賄賂(わいろ)次第」という仕組みが出来上がっています。
例えば、中国には「灰色収入」といわれる賄賂があります。これは、現金の代わりに、高級なお酒やたばこを贈るやり方で、税金逃れの方法であり、賄賂の手段として重宝されています。
その「灰色収入」は、合計でなんと1年間で約80兆円にも及んでいるといいます。
その結果、中国全国民の内、約20%の特権階級が、中国の富の80%を独占しているのです。(参照:王小魯(中国経済改革基金会国民経済研究所副所長)著『灰色収入と所得分配』)
更には、わずか1%の共産党幹部や政府要人が、中国の富の約半分を独占していると言われています。(澁谷司著『中国高官が祖国を捨てる日』経済界新書)
中国共産党は「政企不分」(政府と企業の不分離)が当たり前で、「縁故資本主義」によって共産党幹部が「超巨大利権集団」となっているのが現状なのです。(文責・岐阜県本部副代表 河田成治)
中国共産党幹部の腐敗の実態(2)[HRPニュースファイル665]
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「第四の矢」という「毒矢」を撤回し、本物の経済成長の実現を![HRPニュースファイル664]
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◆アベノミクス「第四の矢」は「財政健全化」
甘利明経済財政・再生相は安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」の「第三の矢」である成長戦略に続き、財政健全化を「第四の矢」と位置づけました。(5/28 日経)
5月27日に提出された財務省資料には「財政健全化を着実に進めることは、国民の将来不安を軽減し、消費拡大を通じて経済成長を促す」とあります。(5/27 財務省「財政健全化に向けた基本的考え方(概要)」)
しかし、これは「消費税を増税すると、財政が健全化し、国民は将来の不安がなくなり、安心してお金を使うようになるので、経済成長する」という、財務省の「トンデモ理論」であると言わざるをえません。
本来、財政健全化は経済成長の実現を通しての「自然税収増」という形で成し遂げるのが鉄則です。
◆「財政健全化=増税」しかない財務省の発想
しかし、財務省は自らの既得権益拡大と政治家への責任転嫁が可能となる「増税」しか頭に無いようです。
財政健全化の実現には、(1)経済成長、(2)歳出カット、(3)増税の3つの手法がありますが、元財務官僚の高橋洋一氏(嘉悦大教授)は「財務省のいう財政健全化は、はっきりいえば増税である」と指摘しています。(6/4 夕刊フジ「『第4の矢』財政健全化はとんでもない『矢』だ!」)
そして、元財務官僚の立場から「財務省が(3)の増税を好むのは決して経済的な理由ではなく、増税が景気に悪影響であることは承知しながら、官僚の権益拡大のほうを優先しているだけだ」と「増税利権」に走る財務官僚の本音を暴露しています。
「財政健全化=増税」という「第四の矢」が、景気の腰折れをもたらすことは明らかであり、それまでの「3つの矢」によるデフレ脱却、景気回復、経済成長に向けた努力を全て無に帰すことになります。
◆増税によって景気回復が頓挫したイギリス
増税によって景気回復が頓挫してしまうことはイギリスの事例からもわかります。
『正論』の最新号(2013年7月号)には、「アベノミクスの天敵…消費増税を放棄せよ」(産経特別記者・田村秀男氏)と題した記事が掲載されています。
この記事では、イギリスが付加価値税(日本の消費税に相当)を2011年1月に17.5%から20%に引き上げたことにより、景気回復が止まってしまったことが紹介されています。
増税前は、イギリス経済はリーマン・ショック後の不景気から立ち直りかけていたのに、増税後は、経済成長率が実質ベースで0.2%(JETRO、英国の実質経済成長率の推移)にまで落ち込んでしまいました。
田村氏は「イギリスの中央銀行は、リーマン・ショックの後は、お金を増刷し、金融機関から資産を買い取ることで市場に資金を流し、経済成長率を回復させてきたが、増税後は、お金を流しても効果がなくなってしまった」と述べています。
◆増税ではなく、本物の経済成長を!
現在、米中首脳会談に見られるように、米中が急接近し、日本の頭越しで物事が決められていく危険性が増しつつあります。
そのような中、日本が世界に対してプレゼンスを発揮していくためには、もう一段の経済成長を通した「GDP第2位奪還作戦」が不可欠です。
また、経済成長による富の創造は国防強化の原資にもなります。
幸福実現党は、新たな未来産業の創出など、日本経済の本格的パラダイム・シフトを行い、増税ではなく、本物の経済成長によって、財政の健全化を実現して参ります。
「第四の矢」という「毒矢」を撤回し、大胆な経済成長戦略を描くことこそ、今の政治に求められる責任であるのです。(文責・HS政経塾2期生 鈴木純一郎)
北朝鮮が仕掛ける「6カ国協議」再開の罠[HRPニュースファイル663]
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◆北朝鮮の方針転換が意味するもの
開城(ケソン)工業団地とは、韓国が「南北経済協力事業」として始めた、南北軍事境界線に近い北朝鮮の開城の工業団地のことです。
4月、北朝鮮は韓国マスコミの報道や韓米軍事訓練などを理由に、開城工業団地への労働者の立ち入りを禁止し、操業を停止しました。(4/10 産経)
ところが、6月9日、北朝鮮側の提案により、開城工業団地再開をめぐる韓国と北朝鮮の実務者協議が板門店で行われ、12日にソウルで閣僚級会談を行うことで合意しました。(6/9 FNN「韓国と北朝鮮、開城工業団地再開などめぐる実務者協議を開始」)
これまで韓国側からの開城工業団地再開に向けた交渉に応じなかった北朝鮮が、一転して韓国に再開協議を提案した背景には何があるのでしょうか?
◆一転して「対話姿勢」を見せ始めた北朝鮮
再開交渉のタイミングとしては、6月7~8日にかけて行われた米中首脳会談に合わせて、北朝鮮の「対話姿勢」を見せ、米国を交渉のテーブルへと引き込む狙いがあるものと推測されます。(6/7 毎日)
遡ること5月中旬には、北朝鮮は飯島氏の訪問を受け入れ、5月下旬には金正恩第一書記の特使として崔竜海総政治局長を中国に派遣し、中国の習近平主席に6カ国協議に応じる考えを表明しています。(5/24 産経)
中国は、北朝鮮が6カ国協議に応じる条件として、中国側が小麦粉など食料1億ドル、原油1億ドル(計200億円)の支援を提示したことを明らかにしています。(6/7 産経)
また韓国日報は、5月末に米国のキング北朝鮮人権問題担当特使と北朝鮮の6カ国協議首脳代表の李容浩外務次官がドイツのベルリンで接触。昨年4月の長距離ミサイル発射で協議が中断していた北朝鮮への「食糧支援」等が話し合われた可能性があると報道しています。(6/7 毎日)
◆北朝鮮の核放棄は絶対にない!
しかし、過去に2度に渡って行われた6カ国協議では、エネルギー支援と食料支援を引き換えに、北朝鮮に対して核開発の放棄を要求してきましたが、2回とも北朝鮮は約束を破り、今年2月12日には3度目の核実験を強行しています。
もし3度目の6カ国協議が行われ、核開発の放棄と引き換えに、北朝鮮に食糧援を行っても、結局、北は核開発を放棄をするどころか、核実験やミサイル発射実験を繰り返すことは間違いありません。
その第一の理由は、北朝鮮「金王朝」の初代・金日成の建国理念が「強盛大国の実現」にあるからです。「核の放棄」は、北朝鮮からすれば、「建国理念」そのものを否定することに他なりません。
第二の理由は、北朝鮮の核開発は、中国の核開発をモデルにしている点にあります。
かつて、米ソは中国の核開発を封じ込める圧力を加えましたが、中国は「核を持つ米ソに核開発を禁止する資格はない」として、核開発を止めませんでした。
その後、パキスタンやインドも核開発の際には世界から圧力が加わりましたが、現在、パキスタンも、インドも、なし崩し的に「核保有国」として認められるに至っています。
北朝鮮も「核保有国」として世界に認められれば、世界は北朝鮮の核を封じる手立てがなくなることを知っています。ですから、北朝鮮はアメリカに対して、必死に「核保有」を認めさせようとしているのです。
◆北朝鮮の「経済建設と核武力建設」の並進路線
日本でもほとんどの政党が「北朝鮮との対話」路線を訴えていますが、北朝鮮に対して、いかなる支援を行ったとしても、北は核を放棄することはないでしょう。
それどころか、金王朝の延命に力を貸すだけで、北朝鮮は今後ともミサイル発射実験を繰り返し、日米韓に対する威嚇を止めることはないでしょう。
実際、北朝鮮は3月31日の朝鮮労働党中央委員会総会で、「経済建設と核武力建設」を同時に進めるという「新たな並進路線」を打ち出しました。
それを裏付けるように、朝鮮の原子力総局報道官は4月2日、2007年10月の6カ国協議の合意で稼働を中止した寧辺の黒鉛減速炉を改めて整備し、再稼働させる方針を表明しています。(4/2 産経)
「経済建設と核武力建設」の並進路線とは、北朝鮮が「核武力建設」を最優先としながらも、その開発費用を捻出するために、兵を養う食料と外資を呼び込む戦略です。
今回、北朝鮮側から開城工業団地再開に向けた提案がなされたのも、外資を呼び込み、「核武力建設」の費用を捻出するためではないかと推測されます。
◆日本は北朝鮮にどう向き合うべきか?
6カ国協議の再開は、約束を守らない北朝鮮の核実験、ミサイル発射を勢いづける結果に終わるでしょう。
そうならないためには、北朝鮮の巧みな外交交渉に踊らされることなく、国際社会が一貫して経済的圧力を強め、核開発の資金を作らせないことが肝要です。
そのためには、日本としては第一に、米軍と協力した上で武器輸出を目的にする北朝鮮船を徹底的に取り締まるべきです。
第二に、中国の北朝鮮支援を封じるべきです。そのためには、日本は国連に働きかけ、北朝鮮の国境に接する中国遼寧省丹東に国連軍を駐留させ、中国からの北朝鮮への軍事支援物資の流通を取り締まるべきです。
また、中国陸路を通って中東への輸出される北朝鮮の武器輸出を取り締まり、北朝鮮が外貨を獲得する道を封じるべきです。
第三に、それでも北朝鮮への食料支援を行うとするならば、第三国のマスコミなどを入れることを条件に、軍隊ではなく北朝鮮人民に広く食料が行き渡るように配慮することを求めるべきです。(幸福実現党政務調査会 佐々木勝浩)
アベノミクス「第三の矢」は期待外れ?――今こそ「本物の成長戦略」を![HRPニュースファイル662]
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◆安倍政権が成長戦略の素案を発表
6月5日、安倍首相は規制改革を柱とした「成長戦略第3弾」を発表しました。(6/6 読売「成長戦略素案を提示…アベノミクス『第3の矢』」)
安倍首相は成長戦略のキーワードを「民間活力の爆発」と定め、国民総所得(GNI)で年3%を上回る伸びを達成し、10年後には1人当たりのGNIを150万円増やすとの目標を打ち出しました。
成長戦略の柱としては、
・企業の設備投資を促す減税措置や規制緩和
・民間設備投資63兆円→70兆円への回復
・一般の薬のネット販売の認可
・世界の企業が集まる「国家戦略特区」の創設
などが掲げられました。
◆期待外れとなった「三本目の矢」
しかし、今回の第三の矢「成長戦略」は目新しい施策が乏しく、「決意表明」的な要素が強く、例えば、どうやって民間設備投資を増やすのか、民間任せで具体策が曖昧なものが少なくありません。
また、効果が薄いものも多く、例えば目玉政策として打ち出された「市販薬のインターネット販売」は、薬局とのパイの奪い合いに過ぎず、薬の消費量が爆発的に増えるわけではありません。最高裁が薬のネット販売を一律に禁じた厚労省令を違法と判断したことを受けた是正措置に過ぎません。
アベノミクスの「第一の矢(金融緩和)」、「第二の矢(財政出動)」は市場から好感を持って受けとめられましたが、「第三の矢(成長戦略)は期待外れ」との評価が広がり、株価にも影響しています。
安倍首相の「成長戦略」の発表が行われている間、市場の失望感を受けて株価は急落を続け、5日の東京株式市場の終値は、前日より518円89銭下落。今年3番目の下げ幅を記録しました。
政府の成長戦略第3弾の内容が市場の予想を超えず、「法人税率の引き下げなど、日本のボトルネックになっている部分に踏み込まなかったことで失望感が広がっている」(外資系証券)と見られています。(6/5 ロイター)
◆企業の設備投資活性化に向けた法人税減税を!
安倍政権は、民間設備投資63兆円を70兆円に回復することを掲げていますが、企業の民間設備投資を増やしたいならば、なぜ、「成長戦略」で「法人税率引き下げ」を見送ったのでしょうか?
現状では個人消費は回復基調にあるものの、企業の設備投資に回復の兆しは見られません。
今年1~3月の企業のの設備投資は、昨年同期比で3.9%減少の11兆3928億円にとどまっており、2期連続の減少となっています。(6/3 NHK「企業の設備投資 2期連続減少」)
景気が本格的なものとなり、経済成長に繋がるためには、企業の設備投資の拡大が不可欠です。
幸福実現党は参院選の公約として「法人税の大幅減税」を掲げており、世界最高水準の法人実効税率を諸外国並みの20%程度に半減し、企業の投資の拡大、雇用の拡大を実現して参ります。
TPPと合わせて、外国資本を国内に呼び込み、国内市場を活性化させるためにも、法人税の大胆な減税が急務です。
◆幸福実現党の未来ビジョン
幸福実現党は、大胆で建設的な未来ビジョンを掲げた、参院選に向けた主要政策を発表致しました。⇒http://special.hr-party.jp/policy2013/
特に政権獲得後3年間を「未来国家建設集中期間」と位置付け、集中的な資本投下により雇用を創出。高度経済成長を実現し、2030年代のGDP 世界一達成を目指すことを掲げています。
具体的な「成長戦略」の柱としては、航空・宇宙産業、防衛産業、ロボット産業、新エネルギー開発など、新たな基幹産業、未来産業となり得る分野に10年以内に100兆円投資。リニア新幹線、新幹線、高速道路網、都市交通網、航空交通網に10年以内に100兆円を投資を掲げています。
資金調達の手段としては、国債を発行するほか、官民ファンドを創設し、金融機関や民間企業、海外ファンド等からの調達を予定しています。
国家が一つにまとまり、力強い発展を遂げるためには、政治指導者が「明るい夢」を語り、国民がその「夢」を共有することが不可欠です。
ケネディ元大統領が「人類を月に送り込む」ことを掲げたことや、池田元首相の「所得倍増」など、国民が燃え上がる希望のビジョンを訴えることが、今の日本の政治家には必要です。
幸福実現党は唯一、明確な将来ビジョンを掲げている政党です。
私たち日本人は、ややもすると「0%成長」が続いていることが当たり前のように感じてしまいますが、世界から見ると、こうしたことが20年間も続いていることの方が異常事態です。
幸福実現党は「第二の高度成長」を掲げ、さらに日本が世界経済のリーダーとなって、世界の繁栄を導いてくことを目指しているのです。(文責・小鮒将人)
習近平氏訪米のねらい――「新型の大国関係」の意図するもの[HRPニュースファイル661]
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◆中米諸国を歴訪した習近平氏のねらい
中国の習近平国家主席は、6月1日からトリニダード・トバゴ、コスタリカ、メキシコのカリブ海・中米の3カ国を公式に訪問。トリニダード・トバゴではカリブ海諸国9カ国の首脳と会談しています。
カリブ海・中米地域地域は「台湾外交の牙城」とも呼ばれており、台湾との関係が深かった地域ですが、近年、中国は同地域に数十億ドルのインフラ建設支援を行うなど、急速に影響力を増しています。
中国は「米国の裏庭」と言われるカリブ海・中米地域への影響力を増すことで、アメリカを牽制することを狙っているものと思われます。
共産党機関紙「人民日報」系の「環球時報」は、今回のカリブ海諸国・中米歴訪は、米国の対中封じ込め政策に対する「お返しの意味合いがある」と報じています。(6/4 毎日「習主席・中米歴訪:訪米前に影響力強化」)
旧ソ連が冷戦時代、「アメリカの喉元」にあるキューバへの経済支援を強化し、共産主義陣営に取り込むことに成功しましたが、中国が中米への影響力を増していることに既視感を抱かざるを得ません。
◆習近平氏訪米のねらい―「新型の大国関係」の意図するもの
中米を歴訪した習近平氏は7日、アメリカのオバマ大統領と就任後初めての会談に臨むため、アメリカに到着しました。
米中首脳会談は、現地時間の7日午後(日本時間の8日午前)から2日間の日程で、パームスプリングス郊外のリゾート施設で行われます。
中国の当局者は昨年12月頃から習主席とオバマ大統領との会談を強く要求しており、米国との「新型の大国関係」を構築することがねらいです。(6/3 ウォール・ストリート・ジャーナル「米中首脳会談、中国側は意欲満々―『新型の大国関係』構築を狙う」)
「新型の大国関係」とは、中国が「大国」として米国と肩を並べたパートナーシップを築き、「米中G2関係」を構築することを意図した言葉です。
すなわち、中国側の「新型の大国関係」という言葉には、米国に「中国と対立するのではなく、共存する道を選ぶこと」を求め、「太平洋を米中で東西に分割し、管理する」という含意が込められているのです。
◆中国がねらう米中の「核心的利益の相互尊重」
米中外交筋によると、習近平氏訪米の最大の目標は、中国の「核心的利益」を尊重してもらえるよう、オバマ大統領から理解を取りつけることにあります。(6/4 日経「米中、首脳会談へ秘めた真の思惑」)
中国が言う「核心的利益」とは、台湾やチベット、ウイグルなど、「いかなる代償を支払っても(武力行使してでも)守るべき利益」という意味であり、4月26日には、中国外務省の華春瑩報道官が、尖閣諸島も「中国の核心的利益だ」と明言しています。
2011年のオバマ大統領と中国の胡錦濤国家主席(当時)との米中首脳会談では、米中共同声明から胡氏が強く要望していた「相互の核心的利益の尊重」という言葉が消されました。
東シナ海や南シナ海での海洋覇権拡大を狙う中国を警戒する米国が、明記を求めた中国側を押し切った形です。(2011/1/21 産経「米中首脳会談『核心的利益』声明に盛らず」)
本年1月18日には、クリントン米国務長官(当時)が、岸田外相に対して「尖閣諸島の最終的な領有権について米国は特定の立場を取らないが、日本の施政下にあると認識している」「日本の施設権を損なうための一方的な行動はいかなるものにも反対する」と明言しています。
中国が尖閣諸島に対して軍事侵攻を行っても、日米同盟が発動されれば、中国は非常に不利な状況に置かれます。
そこで、習近平氏は「新しい大国関係」の構築を前面に押し出しつつ、「核心的利益への不介入(=尖閣をめぐる日中対立への不介入)」の言質を取ることがねらいと見られます。
尖閣をめぐる日中対立が激化する中、米中首脳会談の行方に注目すると共に、日本政府は「日米同盟」を基軸とした自由主義国の連携によるアジア・太平洋の秩序形成、「中国包囲網」を強化していくことが急務です。(文責・政務調査会長 黒川白雲)
原発再稼働、待ったなし[HRPニュースファイル660]
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◆原発再稼働について「やる気」が見えない安倍政権
安倍首相は6月5日に都内で成長戦略の第3弾について講演しましたが、その中では「原発再稼働」についての言及がありませんでした。
産業力競争会議が示した「成長戦略」の素案には「原子力発電の活用」が盛り込まれており、原発の再稼働に向けて「政府一丸となって最大限取り組む」とも明記されていましたが、結局のところ、首相の肉声として「原発の早期再稼働」を打ち出すことはできなかったのです。
安倍政権は、原発について「原子力規制委員会が安全認定を出した原発を再稼働していく」という姿勢ですが、現在の体制では安全認定が出るかどうかはこの委員会次第になっており、原発の審査にどのくらいの時間がかかるのかも全く見えない状態になっています。
自民党は昨年の衆院選で「すべての原発で再稼働の可否を3年以内に判断する」と公約しましたが、原発は全国に50基あり、原子力規制委員会の田中氏は審査について、「通常なら1基で半年から1年かかる」とも述べていました。
規制委員会任せにしていては、3年で全ての原発の審査が終わるとは考えにくく、規制委員会が恣意的な危険認定を出し続けているために、現在、燃料費の上昇に苦しむ電力各社や、電気料金の上昇に堪えかねている産業界からは、原発の「早期再稼働」を求める声が高まっています。
◆原発「廃炉ドミノ」が起きれば電力各社は経営危機に
フジサンケイビジネスアイは、6月5日の記事で、原子力規制委員会と日本原電の対立関係を解説していました。
5月15日に敦賀原発2号機の下にある断層が「活断層」と認定されたことで、廃炉の可能性が高まったのですが、この判定に対して、日本原電側は「規制委員会を提訴しなければならない局面が出てくるかもしれない」と発言しています。
日本原電は三基の原発を持っていますが、敦賀一号機は稼働開始から「原則40年」という運転制限期間を越えており、茨城県の東海第二原発は地元が強硬に再稼働に抵抗しているため、敦賀二号機を止められたら、もはや後がないのが現状だからです。
この三基の原発が止まると、電力5社から受け取る年間千数百億円の維持管理費がなくなりますし、二号機が廃炉になれば、そのために千億円の損失が出ます。
政府が原子力規制委員会を野放しにした場合、規制委が審査権限を錦の御旗にして、「活断層認定」を連発することによって、次々と原発再稼働の見通しが立たなくなり、最後には廃炉にせざるをえなくなる可能性があるのです。
そうなれば各地の電力会社は経営危機に追い込まれていきます。
この記事は、「廃炉ドミノ」から電力会社の「破綻ドミノ」が生じる可能性に警鐘を鳴らすと共に、「国内にある原発50基を現時点ですべて廃炉にした場合、原発を保有していない沖縄電力以外の電力9社と日本原電で、合計約4兆5000億円の特別損失が発生。北海道、東北、東京、北陸、九州、日本原電の6社は債務超過に陥る」という経産省の試算を紹介していました。
政府が何も主導権を握らず、規制委員会任せの原子力行政が続けば、「活断層認定」が原発再稼働への道を遮り、原発の「廃炉ドミノ」から生まれた電力会社の「破綻ドミノ」が日本の景気回復をつぶしてしまう恐れがあるのです。
※原子力規制委員会の権限は安全か否かの審査に限られ、廃炉にする権限はないとされていますが、左翼側の批判を恐れ、自民党が活断層認定に対抗しない現状では、活断層認定が出た時点で再稼働の見通しを立てることが困難になっています。
◆原発再稼働により、与党は景気回復への責任を果たすべき
安倍政権は、原発再稼働を強硬に打ち出した場合にマスコミに攻撃されることを恐れて、規制委員会任せの原子力行政を続けていますが、こうした自民党に政策の変更を迫るためには、「原発早期再稼働」という正論を主張し続ける政党が必要です。
しかし、自民党以外の政党を見ると、公明党は段階的に原発への依存を減らし、最終的には脱原発を実現しようとしていますし、日本維新の会の橋本徹氏も脱原発路線です。
時事通信社のニュース(6月4日付)では、「関西電力株の約9%を保有する筆頭株主の大阪市」が、「関電の大口株主の約140法人・自治体と議決権行使助言会社に対し、『可及的速やかな全原発の廃止』などを求める同市の株主提案への賛同を呼び掛ける橋下徹市長名の文書を、発送した」ことを報道しています。
こうした、脱原発に伴う経済リスクを無視する政党には与党入りする資格はありません。与党は、日本経済の発展に対して責任を負わなければならないからです。
幸福実現党は、政権を担うことを目指す責任政党として、原発の早期再稼働を訴えます。
現在、原子力規制委員会が活断層を根拠に原発に危険認定を出していますが、その一方では、中央防災会議が南海トラフ地震について、地震の確実な予測は困難とする見解を盛り込んだ最終報告書を提出していました。(5/29 産経)
現在の地震学に基づいて、確度の高い予測を行なうことができないのならば、原子力規制委員会は、一体、何に基づいて、原発再稼働を止め、日本経済に多大な損失をもたらしているのでしょうか。
自民党は、選挙への影響を考慮して、こうした矛盾に沈黙していますが、本当に景気を回復させたいのならば、原子力規制委員会の暴走にいち早くストップをかけるべきです。
幸福実現党は、無責任な脱原発論を打ち破り、責任政党としての使命を果たすべく、原発早期再稼働を訴えて続けてまいります。(文責・HS政経塾 遠藤明成)
中国に利用された野中広務氏の「尖閣諸島棚上げ合意」発言の愚[HRPニュースファイル659]
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◆日中間の「尖閣諸島棚上げ」合意?
今、「尖閣諸島棚上げ」論が大きな話題となっています。
1月21日、公明党・山口代表が香港のフェニックステレビで、尖閣諸島の領有権について「容易に解決できないとすれば、将来の知恵に任せることは一つの賢明な判断だ」と述べ、「尖閣棚上げ論」を中国側に投げかけました。
そして、中国人民解放軍の戚建国副総参謀長は6月2日、シンガポールで開かれていたアジア安全保障会議で、尖閣諸島について「解決は、我々よりも知恵のある次の世代に委ねるべき」だと述べ、「尖閣棚上げ」論を展開しました。(6/3 J-CAST「中国軍幹部、尖閣問題『棚上げを』」)
この発言に歩調を合わせるように、自公連立の立役者である野中広務元官房長官が北京の人民大会堂で中国要人と会談し、日中国交正常化交渉時、当時の田中角栄首相から尖閣諸島をめぐり、日中首脳が問題を“棚上げ”するとの共同認識に達したとの趣旨の話を聞いたと述べました。
これに対して、岸田文雄外相は記者会見で「わが国の外交記録を見る限り、そういった事実はない」「尖閣諸島は歴史的にも国際法的にも日本固有の領土だ。棚上げすべき領土問題は存在しない」と日本の立場を強調しました。(6/4 産経「野中氏の『尖閣棚上げ』合意指摘、外相と官房長官が全面否定」)
しかし、中国の国営テレビや通信社は、野中氏の「棚上げ合意があった」とする発言は日本政府の立場とは異なり、「中国の主張と同じものである」と報道しています。(6/4 NHKニュース)
野中氏は、帰国してからも発言を否定せず、中国側が野中氏の発言を利用して尖閣諸島には領土問題が存在することを内外に主張するために利用されたと言っても過言ではありません。
◆なぜ、「尖閣諸島棚上げ」が問題なのか?
そもそも、「尖閣棚上げ論」とは、1978年、当時の中国の最高実力者であるトウ小平氏が訪日した際に、尖閣諸島について「問題は一時棚上げしても構わない、次の世代は我々より、もっと知恵があるだろう」と話したことに端を発するものです。
日本政府としては、「領土問題が存在していない以上、棚上げの合意もない」として、「尖閣棚上げ論」は「鄧小平の一方的発言」という位置づけとなっています。(※日本側が応じれば「領土問題は存在しない」との従来の主張が崩れます。)
「棚上げ論」は一見、平和的主張に見えますが、ここに中国の巧妙な策略が隠されています。
「棚上げ論」は日本の尖閣諸島の実効支配を一時ストップさせ、その間に、中国がジワジワと実効支配を進めてくることは火を見るより明らかです。
実際、中国は南シナ海でも領有権をめぐって「棚上げ論」を持ち出しつつ、共同開発を進めるなどして、巧妙に南シナ海の実効支配を進めています。
日本が領有権を有する尖閣諸島に対して、「言い争いはやめて、お互い、尖閣諸島に手をつけないようにしましょう」などという言葉は詐欺まがいです。
「尖閣諸島棚上げ」論とは、言葉を変えれば「日本は尖閣諸島の領有権をあきらめよ」と言っているに等しいのです。
◆尖閣が日本の領土である動かぬ証拠
中国が公然と尖閣諸島の領有を主張し始めたのが、1969年に尖閣近海で豊富な海底資源があると調査の報告がなされた2年後の、1971年からです。
尖閣諸島の帰属については、様々な検証から日本のものであることは明らかになっています。幸福実現党出版<HRPブックレット『尖閣・沖縄が日本の領土である動かぬ証拠』>にその証拠の数々が記載されています。⇒http://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=947
(1)1965年に台湾が発行した『世界地図集第1冊 東亜諸島』で国境線の位置を見ると、尖閣諸島は明らかに日本領として表記されている。
(2)1960年に北京市地図出版社が発行した『世界地図集』では、尖閣諸島は、日本の領域に表示され、「尖閣諸島」「魚釣島」という日本表示になっている。1971年以前には中国共産党も、尖閣諸島を日本領と認識していた。
(3)1919年(大正7年)、暴風雨で遭難し、魚釣島に流れ着いた中国福建省の漁民達が救出しました。これに対し、当時、大陸を支配していた中華民国の長崎領事から、石垣島村長や島民らに感謝状が届きました。その文面にははっきりと「日本帝国沖縄県八重山郡尖閣列島」と記載されていた。
ブックレットでは、そのほかにも26個に及ぶ『尖閣・沖縄が日本の領土である動かぬ証拠』を挙げています。
私たち幸福実現党は、今後とも「真実の歴史認識」に基づき、「時代変革のリーダー」である参院選候補予定者を先頭に、力強く正論を訴えて参ります。(文責・小鮒将人)
天安門事件24周年――天安門事件を風化させてはならない![HRPニュースファイル658]
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◆天安門事件24周年を迎え、中国当局が警戒を強化
6月4日、中国は天安門事件24周年を迎え、北京市内は天安門広場を中心に厳重な警備体制が敷かれました。
遺族や民主活動家らの外出が禁じられ、インターネット上では事件に関する書き込みが次々と削除されているほか、海外のテレビ局のニュースが突然見られなくなるなど、中国当局は警戒を強めています。(6/4 TBS「天安門事件から24年、中国当局は警戒感示す」)
中国で視聴できるNHKなど海外のテレビ放送は、天安門事件に関するニュース項目になると画面が真っ暗になり、中断しました。天安門事件について中国のメディアは一切報道していません。
天安門事件24周年に先立ち、習近平政権は、共産党は北京や上海の大学に対し、「七つの禁句」を授業で使わないよう通達したと言います。
「七つの禁句」とは、(1)「人類の普遍的な価値」(2)「報道の自由」(3)「民主的な社会」(4)「公民の権利」(5)「中国共産党の歴史的誤り」(6)「特権資産階級」(7)「司法の独立」だそうです。(5/24 相馬勝のチャイナウオッチング)
日本では普通に使われている用語が大半ですが、このことからも習近平政権が統制色を強めていることは明らかで、中国社会の実態を露呈しています。
◆中国の本質を世界に露見させた「天安門事件」
では、「天安門事件」とはどのような事件だったのでしょうか?
24年前の1989年6月4日、中国が自国の国民をどれほどひどく扱うのか、その実態が世界に知れ渡りました。
そもそものきっかけは、中国の自由と民主化を求めて、大学生が天安門広場でデモを始めたことです。これが中国全土に広がり、大きな民主化運動に発展しました。
デモは大きな盛り上がりを見せ、北京市内でも、民主化を求めた100万人デモが起きました。まさしく「革命前夜」といった雰囲気だったと思われます。
この民主化運動に危機感を持った中国政府は1989年5月19日、戒厳令を敷き、人民解放軍を動かしました。
一方、民主化に理解のあった改革派の趙紫陽元総書記などは「学生達の理にかなった要求を、民主と法律を通じて満たさなければならない」等と演説しましたが、趙紫陽氏は全役職を解任されて失脚、自宅軟禁されてしまいます。趙氏は2005年に亡くなる最近まで、ずっと自宅軟禁されたままでした。
政府と民衆の対立が激化する中、学生達は強硬に運動を続け、北京美術学院の学生によって作られた、ニューヨークの「自由の女神」を真似た「民主の女神」像が、天安門広場に建てられたりしました。
しかし、ついに「悲劇の日」がやって来ました。6月4日の未明、戦車や完全武装の兵士が、天安門広場の学生や民衆に突入し、無差別に発砲しました。
兵士が学生に発砲したり、戦車が学生を轢こうとしている動画は今もyoutube等に残っています。⇒http://www.youtube.com/watch?v=c4Hc9Fjrfl4
◆「天安門事件」を風化させてはならない
この事件による死傷者については、中国共産党の報道規制によって正確な人数が分かっていませんが、数千人規模と言われています。
ウィキリークスが2011年8月に公開した米外交公電の1990年3月の内容には、軍兵士の「無差別発砲」で、1000人以上の学生を死亡させたと記載。ソ連公文書のソ連共産党政治局が受け取った情報報告では、「3000人が殺された」と見積っています。
この事件の後、中国国内では天安門事件の報道が厳しく制限されています。
そのため、現代の中国では、天安門事件そのものを知らない若者も増えています。日本に留学してきた若い中国人の方が、「日本に来て初めて知る」という状態です。
日本に対して「歴史を振り返っての反省と謝罪」を強く求め続けている中国共産党政府は、この事件については、反省や謝罪が全く無いどころか、この事件が存在しなかったかの如く振舞っています。
天安門事件で拘束された男性は刑務所の中で、頭を壁に何度も打ち続け、こう叫んだと言います。
「聞こえるものは聞いてくれ。俺は今度生まれ変わるとしたら中国人には絶対生まれてこない。中国人なんて嫌だ。悲しすぎる。」
中国の言論統制に負けることなく、幸福実現党は天安門事件と中国共産党政府の実態を全世界に訴え続け、中国13億人を解放すべく、中国の自由化、民主化を支援して参ります。(文責・岐阜県本部副代表 河田成治)
アジア最後のフロンティア「ミャンマー」支援に向けて[HRPニュースファイル657]
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◆注目されるミャンマーの現状
5月25、26日、安倍首相は東南アジアのミャンマーに行き、400億円の新規援助を含む大規模な経済支援を約束しました。(5/27 ウォールストリートジャーナル「安倍首相ミャンマーに大型援助と投資を提案―首脳会談」)
年初には麻生副総理もミャンマーを訪問しており、日本政府として「アジア最後のフロンティア」と称され、注目されているミャンマーとの関係を強化し、経済的互恵関係と「中国包囲網」構築につなげる狙いがあると思われます。
実際に現地を視察すると、まるで終戦直後の日本にタイムスリップしたかと思うような情景に出会います。
ミャンマーは軍事政権下で長らく実質的鎖国状態だったせいで、国民の生活は貧しく、何もかもが遅れています。
しかし、日本の戦後のように、何もないところから経済が立ち直っていく中で、多くの起業家が生まれ、活気に溢れていく予感があり、人々の希望と夢が溢れています。
◆加速する「脱中国依存」と日本の役割
今後の発展のボトルネックと思われるのが、長らく続いた「中国依存」からの脱却です。
ミャンマーが軍事政権下で西側諸国から経済制裁を受ける中、ほぼ唯一、関係を続けていたのが中国です。経済的にはあらゆる分野でミャンマーの基幹産業の中核を中国人が握っています。
インドとタイの間に位置し、中国と接しているミャンマーはインド洋に出るための重要な地域であり、中国にとっても地政学的に外せない地域です。
さらに国内での宗教対立(仏教勢力とイスラム勢力)、政府と少数民族の対立が絡み(または中国側がこれを利用し)、今後も安定した政権運営ができるかはまだ不透明な状況です。
しかし、中国人流の商売の仕方は多くのミャンマー人が嫌っており、ミャンマー政府が徐々に中国依存から日本や西側への依存度を高めようとする兆候が見えています。
特に日本の強みである仕事のきめ細かさ、技術の高さ、人材育成のノウハウは、ミャンマー発展の大きなカギとなっています。
◆ミャンマーの発展を支援するために
現在、日本国内では自虐史観によって憲法9条改正もままならず、国防を強化し、中国や北朝鮮に対する正当な抑止力を持てない状況にあります。
これでは「国民の生命・安全・財産」を守ることができないのみならず、今後、中国や北朝鮮の覇権主義によって脅威に晒されているアジア諸国を守り、支援することができません。
また今後、ミャンマーをはじめ、海外に渡航し、仕事を行う邦人が増えたとしても、有事が起こった際、邦人救出のために自衛隊機を派遣することができません。
こうした現状では、真にミャンマーとの経済的互恵関係をつくり、両国の繁栄を築くことは不可能です。
「対中国包囲網」を形成するためにも、ミャンマー支援強化は大いに勧めるべきですが、日本がアジアの平和と安定に貢献することが、両国間の力強い繁栄の基になると考えます。
現在、ミャンマーの日本語学校の生徒はインターネット経由で日本のテレビニュースを見ている人が増えています。
彼らは将来、日本で仕事をすることを夢見て、勉強の一環として日本のニュース番組を見ていますが、出てくるのは自虐的内容が多く、中国・北朝鮮に何もできない日本政府の姿に落胆しているそうです。
日本が強くなること、これこそミャンマーのみならず、中国の脅威にさらされるネパールや東南アジア諸国の繁栄を守るカギであり、日本の政治が目指すべき道となると考えます。(文責・宮城県本部第4選挙区支部長 村上善昭)
日本は侵略戦争をしたのか?――日本の戦争に対するアジア諸国の声[HRPニュースファイル656]
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◆韓国・中国だけがアジアではない
韓国と中国は、これまで「アジア諸国に多大な迷惑と苦痛を与えた日本は謝罪すべきだ」と日本に責め続けてきました。
アジア諸国は韓国と中国だけではありません。では、東南アジア諸国は日本の戦争をどのように見ていたのでしょうか?
これから紹介する東南アジア諸国の声と比べてみてください。そこには韓国や中国が非難する「侵略国家・日本」とは全く違う姿が浮かび上がってきます。
◆日本の戦争に対する東南アジアの声
【タイ】ククリット・プラモード元首相
「日本のおかげでアジア諸国は全て独立しました。日本というお母さんは、難産して母体を損ないましたが、生まれた子供はすくすくと育っています。
今日、東南アジアの諸国民が、米英と対等に話ができるのは、一体誰のおかげであるのか、それは身を殺して仁をなした日本というお母さんがあったからです。」(タイの新聞『サイアム・ラット紙』)
【マレーシア】ガザリー・シャフィー元外務大臣(ASEAN創設によりハマーシェルド賞受賞)
「(日本政治家の「大戦において貴国に対しご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした」との挨拶に対して)日本はどんな悪いことをしたというのですか?
マレー半島で南下したときの日本軍はわずか3ヶ月でシンガポールを陥落させ、我々にはとてもかなわないと思っていたイギリスを屈服させました。
あの時は神の軍隊がやってきたと思いました。日本は敗れましたが、英軍は再び取り返すことができずマレーシアは独立したのです。」(1988/7/19 於・赤坂プリンスホテル)
【インドネシア】サンパス元復員軍人省長官
「特にインドネシアが感謝することは、戦争が終わってから日本軍人約1000人が帰国せずインドネシア国軍と共にオランダと戦い、独立に貢献してくれたことです。
日本の戦死者は、国軍墓地に祀り、功績を讃えて殊勲賞を贈っているが、それだけですむものではありません。」(1957年来日の際の発言)
【インド】グラバイ・デサイ弁護士会会長・法学博士
「インドは程なく独立する。その独立の契機を与えたのは日本である。インドの独立は日本のお陰で三十年早まった。これはインドだけではない。
インドネシア、ベトナムをはじめ東南アジア諸民族すべて共通である。インド4億の国民は深くこれを銘記している。」(1946年 デリーの軍事裁判に参考人として召還された藤原岩市F機関長に対する挨拶)
【ビルマ】バーモウ元首相
「歴史的に見るならば、日本ほどアジアを白人支配から離脱させることに貢献した国はない。
真実のビルマの独立宣言は1948年の1月4日ではなく、1943年8月1日に行われたのであって、真のビルマ解放者はアトリー率いる労働党政府ではなく、東条大将と大日本帝国政府であった。」(自伝『ビルマの夜明け』)
(参考)『アジアと日本の大東亜戦争』(日本を守る国民会議)、名越二荒之助著『世界から見た大東亜戦争』(展転社)
◆「大東亜戦争」とは何だったのか?
戦後日本は、学校教育で先の大戦の名称を「太平洋戦争」と教育で教えてきました。しかし、「太平洋戦争」はアメリカが戦った戦争であり、日本が戦った戦争は「大東亜戦争」です。
占領軍は「大東亜戦争」という言葉を検閲し、「太平洋戦争」の言葉を日本に使うよう、押し付けました。
その理由は、「大東亜」という言葉には日本の聖なる理想、すなわち、「西欧の植民地支配で苦しんでいるアジアの独立を手助けし、東亜に真の平和を実現する」という願いが込められていたからです。
実際、今回紹介した東南アジア要人の言葉は、韓国や中国が戦後繰り返し非難してきた「悪魔のような日本軍」の姿とは全く違うものです。
日本は戦闘では負けましたが、「多くのアジア諸国を白人の植民地支配から解放する」という戦争の大義は果たしました。
日本という国がなければ、アジア、アフリカのほとんどの国々は、未だに人種差別と略奪にまみれた白人による植民地支配の下にあったことでしょう。
このことについて、歴史学者のアーノルド・J・トインビー氏は、こう述べています。
「第二次大戦において、日本人は日本のためというよりも、むしろ戦争によって利益を得た国々のために、偉大なる歴史を残したといわねばならない。
その国々とは、日本の掲げた短命な理想であった大東亜共栄圏に含まれていた国々である。」(1956/10/28 英国紙『The Observer』)
いわゆる「南京大虐殺」や「従軍慰安婦」のウソが昨今、明らかになって来ましたが、私たち日本人は「大東亜戦争」を検証し、再評価する時期に来ています。
最後に、東京裁判の判事の中で唯一の国際法の専門家であり、唯一、日本のA級被告全員に無罪の判決を下したパール判事(インド法学博士)の言葉で締めくくらせて頂きます。
「時が熱狂と偏見とを和らげた暁には、また理性が虚偽から、その仮面をはぎとった暁には、その時こそ正義の女神は、その秤を平衡に保ちながら、過去の賞罰の多くにそのところを変えることを要求するであろう。」(「パール博士顕彰碑」(靖国神社))
(文責・幸福実現党政務調査会・佐々木勝浩)