◆消費増税で「転嫁カルテル」を容認?
消費税の増税は、中小企業に大きなダメージをもたらします。なぜなら、中小企業は増税分を商品価格に転嫁(上乗せ)できないことが多いからです。
こうした批判を受け、自民党は22日、来年4月からの消費税率の引き上げを前に、大企業の下請けの中小企業が、増税分を適切に価格転嫁できるようにする特別措置法案の素案をまとめました。(2/22 産經「転嫁カルテルを条件付き容認 消費税増税時」)
大企業の「下請けいじめ」を防ぐ狙いで、複数の企業(3分の2以上が中小企業であること)で増税分の製品価格への上乗せを取り決める「転嫁カルテル(協定)」を条件付きで容認するとしています。(29年3月末までの時限立法として今国会に提出する予定)
法案では大企業が中小企業との取引の際に転嫁を拒否することや、他の取引で値引きを迫ったりするなどの行為も禁じます。
悪質な違反があった場合には公取委や所管する官庁が大企業に立ち入り検査を行い、勧告や社名の公表。虚偽報告などがあった場合には、50万円以下の罰金を科すとしています。
◆「転嫁カルテル容認」は責任逃れに過ぎない
しかし、この特別措置はまさに泥縄であり、将来起こるであろう消費増税による大倒産時代到来時の政府の「言い訳」作りにしか過ぎません。
「転嫁カルテル」の容認は、あたかも中小企業救済のように見えますが、消費税施行後20年以上、この転嫁問題を放置し続けた政府が、今更よくも言えたものだとあきれるばかりです。
「消費税の転嫁」問題は、消費税導入直後より訴訟提訴が相次いだ問題です。
そもそも転嫁については、消費税法上、法規定が一切ないのです。消費税法本法の中に転嫁という言葉の意義・規定等の記載が全くありません。
唯一、転嫁について規定されている税制改革法において「消費税を円滑かつ適正に転嫁するものとする」(11条1項)と規定されていますが、適正な施策は何ら講じられてきませんでした。
消費税というものは、事業者が原価に消費税を転嫁し、消費者から消費税を預かり、事業者が納税するものと一般的には理解されています。
一つの例をあげますと、あるビジネスホテルの経営者が、ホテル開業以来、消費税を転嫁せず、徴収していないのであるから、本税を課税されるのは承服できないと主張した裁判(H12鳥取地裁破棄確定)を検証しますと、消費税法は事業者に消費者への消費税の転嫁を義務付けてはいないとの判断でした。
消費税を転嫁してもいいし、しなくてもいい。しかし事業者の納税義務は免除されないということです。
その結果、事業者は自腹を切って負担することになります。(多くの場合、転嫁できるか、できないかは関係者の力関係で決まります)
◆消費税転嫁問題は、官僚の不作為が原因
このように消費税が転嫁を予定している税でありながら、消費税を転嫁できなかった場合の納税義務規定に関し、法解釈が困難な部分がある原因について、以下のような真実をついた指摘がなされています。(上記裁判原告)
「消費税法の法文作成は、国税庁の職員ではなく、大蔵省(当時)の担当者が行ったものであるが、国税庁は、長年、税務通達による課税、徴収を各税務署長に行わせてきたのであり、この習慣のために、消費税法の適用、課税を容易に考えて、租税法律主義を逸脱した法文作成に至ったものと思料され、このような大蔵省及び国税庁担当者の通達に依存した容易な考え方が、玉虫色の解釈が可能な消費税法の作成を招来したものであって、納税者である原告としては納得できない。」
このように長年にわたって消費税法の不備が指摘されてきたにも関らず、放置し、多くの中小企業者を苦しめ、消費税倒産を招来、自殺者も増やしました。
◆転嫁問題の解決は、消費税増税ストップしかない
来年からの消費税増税に際して、付け焼刃的に時限立法で「適正に転嫁できる」環境を整えるといって、過去の不作為の罪が許されるものではありません。
知り合いのスーパー社長は「小売業界では安売り競争が熾烈で、消費税を上乗せした所から潰れていく。絶対に増税分を値上げできない。スーパーか、卸か、生産元か、どこかが増税分をかぶらないといけない」と、消費税増税反対を訴えておられました。
中小企業群が転嫁カルテルを組んだとしても、どこかの店が消費税を上乗せしなければ、その店だけが大繁盛し、他の店は閉店するか、消費税転嫁を諦めて安売り競争に参入するかの二者択一を迫られます。
現状では、「転嫁カルテル」はすぐに崩壊してしまうことは明らかです。
消費税の欠陥はカルテルなどで補えるものではなく、増税を即刻ストップすべきです。
小売業界のリーダーである鈴木敏文・セブン&アイ・ホールディングス会長も「(消費税増税の)導入時期を先延ばしすることも選択肢に入れるべきでしょう」と訴えています。(2/26 日経ビジネス「『消費増税は先延ばしにせよ』鈴木敏文・セブン&アイ・ホールディングス会長に聞く」)
今夏の参院選挙は消費税増税中止のラストチャンスです。幸福実現党は、中小企業を守るために消費税増税中止を訴え戦います。(文責・加納有輝彦)
租税法律主義を逸脱した消費税法――責任逃れの「転嫁カルテル容認」[HRPニュースファイル561]
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「愛国心」は国を発展させる――自国に誇りを持てる教育を実行すべし[HRPニュースファイル560]
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間もなく、東日本大震災から丸二年を迎えようとしています。
その間、現場では様々な教訓や発見がありましたが、中でも最も認識されたものの一つが「絆」の大切さであり、「地元愛」の萌芽です。
発災直後から救援活動や各種支援活動を続けるなかで私自身も目の当たりにしたのは、普段身近な方々との繋がりがいかに大切か、そして故郷や地域、ひいては我が国・日本をかけがえのない存在として愛する気持ちが自然と湧き上がっていった姿でした。
そして、震災後の東北で顕著だったことは、困っている人や国民・国家のために黙々と救援活動をする自衛官・消防・警察の方々等へ注がれる尊敬と感謝の思いでした。
結果、東北では「将来、自衛官になりたい」と言う子供が確実に増えたり、復興に向けて再出発する大人たちの逞しい姿につながっています。
つまり、自分の生まれた地域を愛する心(愛国心)が再認識された時、未来への自助努力が自然と引き出されたのです。
これは戦後の学校教育の場では明らかに封印されて来ました。「愛国心」や「自国に誇りを持つ」ことが教えられない、または逆に自虐的な歴史観を教えられることが多かったと言えます。
実際、アンケートで自国に対する誇りを感じている人の割合を見ると、日本は世界中の中でも一番低い結果が出ています。
2009年に英誌エコノミストが発表した調査結果によると、世界33か国中、自国に対する誇りが最も高い国はオーストラリア、最も低い国は日本となっています。(2009/10/4 レコードチャイナ「自国への誇り、最も高い国は豪、中国は7位、日本は最下位―英誌」)
私たち日本人はもっと自国に誇りを持つべきです。
なぜなら、客観的事実として日本は優れた国だからです。
例えば日本は歴史上、世界で初めて国際社会のなかで「人種差別撤廃」を訴えた最初の国です。
第一次世界大戦後、1919年パリ講和会議の場で、日本の牧野伸顕次席全権大使(大久保利通の子供)は、人種差別撤廃条項を国際連盟の規約に入れることを提言しました。
結果としてこれは他の植民地保有国の反対で却下されましたが、当時この日本の行動は、黒人をはじめとして世界中で差別に苦しむ人々に大きな勇気を与え称賛されました。
また、BBCワールドサービスの調査の中に「世界への貢献度」というものがあり、2005年から3年間日本はトップになっており、欧州では英国の70%を筆頭にすべての国が日本を肯定的に評価している結果が出ました。
一方で、日本人自身が日本に対して肯定的評価を行っている割合は小さくなっており、日本人の自信喪失の姿が浮かび上がってきます。
しかし、震災でも治安が維持され、物資を受け取るのに整然と並ぶ紳士的な姿が世界中で絶賛されたように、もう我々自身も、自国への誇りを正当に持つべきです。
そして「愛国心」を持ち、未来を創る「セルフヘルプ(自助努力)の精神」を湧き上がらせ、国を発展させ、世界の中で真のリーダーとして期待される使命を果たすべきです。
この原点はやはり「教育」にあります。
戦後失われた「自国に誇りを持てる教育」を実行し自助努力が未来を創ることを強く肯定すること。これこそ、2年前の震災の大事な教訓の一つであり、復興のカギそのものではないでしょうか。
また、それは隣国の脅威に負けない毅然とした国防や持続的な経済発展の大事な要諦でもあると思います。
幸福実現党は今夏の参院選では47都道府県に立候補者を擁立し、教育政策としては「自国に誇りを持てる教育」の復活を目指しています。
私の地元、宮城県では皀智子(さいかち・のりこ)氏が候補予定者となっております。同氏の家はなんと江戸時代の寺子屋運営まで遡る代々教育者の家柄です。
日本の力強い復活に向け、「セルフヘルプと愛国心」を育てる教育改革を実現して参りましょう!(幸福実現党宮城県第4選挙区支部長 村上善昭)
中国による尖閣侵攻は目前に迫っている!―政府は早急に尖閣防衛を強化せよ![HRPニュースファイル559]
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◆エスカレートする尖閣諸島での中国の横暴さ
昨年の尖閣諸島の日本国有化から中国の尖閣諸島での中国の横暴さは日増しにエスカレートしています。
中国は持久戦に持ち込み、虎視眈々と尖閣諸島の支配のタイミングを測っています。
1月末には、中国海軍による自衛艦への挑発行為ともとれるレーダー照射がありました。
日本政府に自衛隊艦へのレーダー照射を国際社会に暴露された中国は開き直り、人民解放軍の羅援少将は、東シナ海で日本の艦船などが警告に従わずに中国の艦船を追跡した場合、「射撃管制用レーダーを照射し、危険な行動に出れば断固として自衛する」と断言しています。(2/19 夕刊フジ「中国軍少将、レーダー照射を予告」)
また、2月18日には領海侵入した中国公船が日本の民間漁船を1時間半も追跡、一時、漁船から50~60メートルまで接近しています。(2/20 八重山日報「執拗に地元漁船追跡 領海侵入の中国公船、狙いは『拿捕』か」)
領海侵犯は、23日、24日にも起こっています。中国公船が尖閣領海に侵入したのは、今年で早くも10回目です。(2/24 NHK「中国監視船 2日連続領海侵入」)
◆「海上ブイ」を設置し、日本の潜水艦を監視する中国海軍
更に、2月に入ってからは、中国が尖閣周辺海域の排他的経済水域(EEZ)の「日中中間線」の日本側の海域に日本の潜水艦の動きを監視する「海上ブイ」を設置していることが分かりました。(2/22 産経「中国が尖閣周辺にブイ設置 日本のEEZ アンテナ多数、潜水艦把握狙う」)
日本の潜水艦を監視する海上ブイの設置は、まるで日本との戦闘を想定しているような動きだと言えます。
排他的経済水域の境界線を越えた構造物の設置は国連海洋条約に違反しており、本来であれば、日本側が即刻、撤去すべきですが、菅官房長官は「特に問題ない」と弱腰の構えです。(2/22 共同「中国、尖閣周辺に海上ブイ設置 官房長官『問題ない』」)
中国の国際条約を無視した海上ブイの設置は今回が初めてではありません。
中国は一昨年の5月にも南シナ海の南沙諸島でフィリピンと領海権をめぐる海域に軍艦が突如「海上ブイ」を設置し、フィリピン政府から抗議を受けています。それでも南シナ海でのフィリピンへの中国の挑発は収まりませんでした。
フィリピンは2月22日、南シナ海の領有権を巡って争いが続いている中国を国際裁判所に提訴すると発表しました。
しかし中国政府・外交部の洪磊報道官は23日の記者会見で、問題の根源はフィリピン側にあると主張し、「中国は南沙諸島と周辺海域について争いの余地がない主権を有している。これは歴史的にも法的にも根拠がある」などと主張し反発しています。
今回の中国が尖閣周辺に設置した海上ブイも、日本政府が中国を国際裁判所に提訴したところで南シナ海と同様に「尖閣諸島を中国の核心的利益」と言っている以上、無視をすることは間違いありません。
◆国防の始まりは、「関心」を持つことから
このように、自国の権益を広げるために国際法をも無視し自国を正当化するやり方は中国の常套手段です。
中国公船の尖閣海域での横暴な振る舞いは「またか」と思ってしまう程、多くなっており、日本国民は報道を耳にしても驚かなくなっていないでしょうか?
恐いのは、中国の横暴な振る舞いに慣れてしまい私たち日本人の危機感が薄れていくことです。
それこそが、中国の持久戦に持ち込む戦略にハマってしまっている証です。
国防の始まりは「関心」を持つことから始まります。決して中国の横暴な振る舞いに慣れてはならないのです!
◆中国による尖閣諸島上陸、実効支配は目前に迫っている!
既に尖閣海域は、中国監視船や中国軍艦の出没で日本の漁船が近づくことが出来ない海になっています。
海上保安庁も日本の民間漁船を近づけさせない対応を取っており、そこに中国漁船が出没すれば実質的に中国の海になりかねません。
今年も海が穏やかになる春から尖閣海域には中国漁船が出没し始めることは間違いありません。
民主党政権から自民党安倍政権になり海上保安庁の装備などが強化されるようになりました。
しかし、大船団で民間漁船が襲来し尖閣に上陸されれば、昨年のように逮捕取締りは厳しくなるでしょう。
2012年12月16日のフジテレビ「特命報道記者X」の「中国の尖閣奪取計画」の中で、中国漁民の尖閣操業は中国当局にコントロール下にあることが明らかになりました。
中国漁船には中国当局から無料で「GPS機材」が配られ、中国当局の命令で尖閣海域での操業が行われ漁船の一隻一隻は、中国当局に位置まで管理され連絡も取り合うことが出来るようになっています。
番組では海保船への中国漁船衝突事件が起きた2010年9月も中国からの操業命令が下されていたことが明らかにされています。
中国は自衛隊との戦闘準備を整えつつ、自衛隊が手を出せない民間漁船を大挙させ戦わずして尖閣上陸を図ることを視野に入れています。
日本が尖閣海域での日本漁船の操業を取り締まることは、中国に「日本漁船は入れさせませんから中国漁船はいつでも漁場に来てください」と言っているようなものです。
日本政府は早急に魚釣島へ灯台の設置稼動や漁船の避難港を整備、それに伴う公務員の常駐化等を進め、早急に尖閣諸島の実質的な実効支配を強化する必要があります。
幸福実現党は現在、日本の国防に生命を捧げている矢内筆勝党首を筆頭に、全国47都道府県の参院選候補予定者が「迅速な自主防衛の確立」を声を嗄らして訴えております。
安倍政権も国防強化に前向きではありますが、中国の侵略が迫っていることに対する危機意識があまりにも足らず、このスピードでは日本は植民地化されてしまいます。
日本には残された時間はもうありません!どうか、私たち幸福実現党の活躍をご支援頂ますよう、深くお願い申し上げます。(文責・佐々木勝浩)
東日本大震災の教訓を無駄にするな!ーー明確になった日米の危機意識の差 [HRPニュースファイル558]
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◆日米首脳会談を受け、TPP交渉参加へ
安倍首相は22日午後(日本時間23日未明)、オバマ米大統領とホワイトハウスで会談しました。
首脳会談ではTPPについて「日米ともに2国間貿易上のセンシティビティー(慎重な検討を要する重要品目)が存在する」との認識で一致、米側から例外品目の可能性を引き出しました。
安倍首相は首脳会談を受け、衆院選公約で聖域なき関税撤廃を前提とする限り交渉参加に反対としたTPPに関し、「聖域なき関税撤廃が前提でないことが明確になった」と説明。TPPへの交渉参加を近く表明する運びです。(2/23 産経「日本、TPP交渉参加へ 首相近く表明『例外』言及の日米声明受け」)
幸福実現党はTPPこそが成長戦略の鍵であり、同時に日米同盟強化、中国包囲網戦略の要であると主張し続けて参りましたが、安倍首相は国内の既得権益勢力の猛反発を乗り越え、毅然としてTPP参加に突き進むべきです。
◆北朝鮮の脅威に強く反応する米国政府
また、両首脳は日米同盟の重要性を再確認し、核実験を行った北朝鮮に対し、追加制裁を含む国連安全保障理事会決議の早期採択を目指すことで一致しました。
北朝鮮は、1万キロを射程とする「長距離弾道ミサイルの発射実験」と「3度目の核実験」を成功させたことにより、米国本土を核攻撃できる能力を手にしました。
北朝鮮・国防委員会は「われわれが継続して発射する衛星や長距離ロケット」が「米国を狙うことになる」と軍事利用を明言し、まさに「事実上の宣戦布告」とでも言うべき状態です。
北朝鮮が核実験を強行した2月12日、オバマ大統領は「北朝鮮の核兵器と弾道ミサイル計画は、アメリカの安全保障上の脅威だ」と激しく非難し、パネッタ国防長官にいたっては「北朝鮮の脅威に対処する準備をしなければならない」と一歩踏み込んだ発言をしています。
これは、米国防総省が「アメリカによる先制攻撃」を検討に入れた可能性が高いと見られています。(2/20 週プレNEWS「北朝鮮の『宣戦布告』にアメリカが先制攻撃を仕掛ける可能性」)
北朝鮮がアメリカ本土を射程範囲とする核攻撃力を持ったニュースを受けて、アメリカでは危機管理のフェーズが変わって来ています。
◆北朝鮮の脅威に鈍感な日本
しかし、日本においては、日本全土が射程となるノドンミサイル300基がすでに配備されているにも拘わらず、政治家をはじめ、日本人の多くは対岸の火事のように危機感を感じていないかのようです。
ここで、東日本大震災での教訓が思い返されます。
それは、津波警報や避難の呼びかけに対して、「自分は大丈夫だ」と認識して、危機感を感じずにいたことが、多くの犠牲者を出した原因になったと言われています。
災害心理学に「正常性バイアス」という言葉があります。「バイアス」とは「先入観」や「思い込み」という意味です。
何か非常事態に遭っても、人はそれを正常の範囲内のことと思い込み、逃げ遅れがちになると言います。
もともと人の心は安定した日常を送るために、外界のささいな変化に過敏に反応せぬように出来ています。
しかし、災害時にはその日常の心の惰性があだとなって、身に迫る危険が認識できなくなるのです。
さらに、この「正常性バイアス」は周りの人への「同調」によって一層強まります。
他人が危険がないかのように振る舞っていると、自分もそれに合わせてしまう「同調性バイアス」です。(2011/3/31毎日)
例えば、レストランで食事をしていて、急に非常ベルが鳴っても、「非常ベルが壊れたんじゃない」とすぐに逃げ出さずに食事を続けて、必死に逃げる人を白けた目で嘲笑うような空気が、日本中に満ちているように思います。
「日常」から「非常」への意識の切り換えが出来るかどうかが、生死を大きく分けたことが報告されています。
このことは、震災だけの事ではなく、危機管理全般に言えることです。
この「正常性バイアス」「同調性バイアス」を打破する方法は、「強く危機感を実感するこ」とが必要です。
誰かが強く声をあげること、実感を伴う所まで突きつけることが必要です。
◆日本は「有事」の最中にあるという認識を!
幸福実現党は、2009年より、北朝鮮からの「飛翔体」を曖昧にせず、「ミサイル攻撃」と認識して警鐘を鳴らして来ました。
日本本土で多数の犠牲者が出る前に、「敵基地先制攻撃」を行なう「抑止力」の必要性を訴え、自主防衛強化の推進を提言して、過激と言われて来ましたが、4年の月日が流れ、事態が深刻化した今、ようやく自民党においても検討されることになりました。(2/20 産経「敵基地攻撃能力保有へ北朝鮮の核ミサイルに対抗政府・自民が本格検討開始」)
「非常ベル」は鳴り続けています。
中国フリケード艦から火器射撃レーザーを照射されても、何も出来ずに回避行動をしている現状。日本はすでに尖閣周辺の領土・領海の実効支配が出来なくなりつつあります。
日本を取り巻く危機的な状況を示しており、「宣戦布告無き開戦」に突入していると言えます。
日本はどうすべきでしょうか?本当に今のままで大丈夫なのでしょうか?
「正常性バイアス」「同調性バイアス」を打ち破る必要があります。
今、日本は「有事の中にある」と自覚すべきです。
健全な危機感があれば、今国会においても、自衛隊法の改正、集団的自衛権の行使、憲法9条解釈改憲、防衛軍の創設など、自主防衛強化を真摯に審議して、毅然とした判断を降すことが当然のことであるはずです。
「安全運転」という逃げ腰では国民を守ることは出来ません。
正々堂々と議論して、独立国としての国家主権を守り抜く責務があります。それが出来ない国会議員には、国政を託すことはできません。(文責・幸福実現党 三重県参議院選挙区代表 小川俊介)
2/23 Happiness Letter936〔本日23日開催!公開講演会「中国の脅威と日本のこれから」〕
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本日、2月23日(土)、公開講演会「中国の脅威と日本のこれから」を開催致します!
講師には、女性誌「Are You Happy?」での連載「これだけ違う!中国人の価値観や行動」でお馴染み、『日本の国益』(幸福の科学出版)の執筆者のお一人でもあられるノンフィクション作家の河添恵子(かわそえ・けいこ)先生をお招きします!
「朝まで生テレビ」「報道ステーション」などテレビコメンテーターとしても活躍されている河添恵子先生は、『中国人の世界乗っ取り計画』(産経新聞出版)など、中国に関する著書も多く、今回は「中国の脅威と日本のこれから」についてご講演頂きます!
党員・一般の方どなたでもご参加頂けます!ぜひ、ご友人をお誘い合わせの上、ご参加ください!
当日参加も大歓迎です!!
【日時】本日2月23日(土) 14:00~16:30(開場13:30)
※講演終了後、名刺交換、書籍へのサイン会がございます。
【場所】ユートピア活動推進館 2階礼拝堂
港区赤坂2-10-8(地下鉄溜池山王9番出口から徒歩3分)
電話:03-6277-6937(休館日を除く10時~18時)
【参加費】1,000円
【主催】幸福実現党
詳細⇒http://www.hr-party.jp/new/2013/35121.html
■河添恵子先生プロフィール
1963年、千葉県生まれ。名古屋市立女子短大卒業後、北京外国語学院、遼寧師範大学に留学を経て現在に至る。ノンフィクション作家。
著書に『豹変した中国人がアメリカをボロボロにした』(産経新聞出版)『中国人の世界乗っ取り計画』(産経新聞出版)、『中国人とは愛を語れない!』(並木書房)、『エリートの条件 世界の学校・教育最新事情』(学研)など。
学研の図鑑『世界の子どもたちはいま』シリーズ、『世界の中学生』シリーズ、『アジアの小学生』シリーズ(以上、学研)をプロデュース、取材・編集・執筆。産経新聞コラム【40×40】、『正論』『WiLL』『週刊文春』『新潮45』『SAPIO』などでも執筆。
TPP参加を「成長戦略」の柱に!――訪米中の安倍首相はTPP交渉参加を決断せよ![HRPニュースファイル557]
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◆安倍首相訪米の焦点となるTPP
安倍首相が2月21日に訪米。22日(日本時間23日未明)に行われる安倍首相とオバマ大統領の日米首脳会談に注目が集まっています。
安倍首相はTPP(環太平洋連携協定)交渉参加に意欲を示しており、その前提として関税撤廃の例外品目が容認されるとの感触を大統領から得られるかが焦点となっています。(2/22 時事「TPP、同盟強化を議論=日米首脳が初会談」)
日本のコメなど農業分野の重要品目を関税撤廃の例外として認める「感触」を米国から得られれば、安倍首相はTPP交渉への参加を判断する見通しです。(2/22 J-CAST「日米首脳会談がTPPのヤマ場 オバマ大統領の発言に注目」)
外務省と経済産業省は米国が関税撤廃の例外品目を認める可能性があり、TPP交渉に早期に参加すべきだとする立場ですが、農林水産省は米国がコメなどを例外品目として認める可能性は低いとみており、オバマ大統領の発言が注目されます。(同上)
◆今回がTPP交渉参加のラストチャンス――
2013年のTPP交渉は3月、5月、9月の開催が予定されていますが、TPP交渉に入るには全ての交渉参加国による承認が必要になります。
特に米国では議会の了承を得る必要があり、手続きに90日超かかります。(2/18 日経ビジネス「安倍首相、TPP交渉参加決断へ」)
そのため、仮に3月に参加表明した場合としても、日本が正式にTPP交渉の席に着けるのは9月からになります。
TPP交渉に参加する11カ国は2013年中の交渉妥結を目指しています。
交渉妥結後に参加表明してもTPPのルールづくりに参画できないため、日本にとっては、今が交渉参加を表明するラストチャンスだと言えます。
安倍首相はTPP交渉に参加する意向を固めているとも言われていますが、TPP交渉参加に反対する自民党議員で作る「TPP参加の即時撤回を求める会」(会員236人)は、日米首脳会談で交渉参加を表明しないよう求める決議を行っており、予断を許さない状況にあります。
◆TPP参加を「成長戦略」の柱に!
オリックスの宮内義彦会長は、日本が国際的に他国と同等の競争環境に身を置くことが日本の成長戦略に欠かせず、TPPに参加しない場合はアベノミクスの構想は崩れると指摘しています。(2/22 ロイター「TPP不参加ではアベノミクスは崩れる」)
実際、宮内会長が指摘しているように、今は金融緩和を行なっても、お金が日銀、銀行、国債の中でぐるぐる回っているだけで、株価は上がれども、インフレ効果、景気回復効果が出づらい経済環境にあるのは事実です。
日本経済がデフレ脱却、景気回復軌道に乗るためには、金融緩和だけでは足りず、金融緩和と同時に、安倍首相の言う「三本目の矢」、すなわち、「成長戦略」の実施が不可欠です。
TPPによって、世界成長の中核を担うアジアに、日本との自由貿易圏が誕生することは、輸出立国・日本にとっては市場が拡大することを意味し、工業製品、輸出産業の投資が拡大することは間違いありません。
「TPPによって、日本の農業が危機に追い込まれる」という不安も聞かれますが、TPP参加を機会に、日本の農業は腰を据えた「構造改革」に取り組むことで、むしろ飛躍のチャンスとなります。
農業の規制緩和、自由化を図ることで、意欲と能力の高い個人や企業が農業の担い手となり、農業分野に企業家精神を導入すれば、日本の農業は価格面においても、品質面においても国際競争力が高まり、日本の農業を輸出産業に転換することも可能です。
実際、1991年から牛肉の輸入自由化で海外から安い牛肉が入ってくると、牛肉の消費量は上がりましたが、経営努力と高い品質によって国内牛肉の生産量は横ばいです。
オレンジ、リンゴ、サクランボなど自由化された農産品の国内生産量も、卓越した経営努力によって大きくは減っていません。野菜も関税はたった3%ですが、競争に生き残っています。
日本の農産品の美味しさ、安全性は国際的にも高く評価されており、TPP参加を機に、農業の国際競争力の強化、農業の輸出産業化を図れば、農業を成長戦略の柱の一つにしていくことも可能です。
◆安倍首相は、幸福実現党の複合政策から学べ!
いずれにしても、大胆な金融緩和や財政政策は景気回復の刺激策、突破口にはなりますが、本質的には、民間企業の投資拡大や、GDPの約6割を占める個人消費が本格的に回復・増大しなければ、景気は回復しません。
そのためには、TPP参加、大胆な規制緩和(規制撤廃)、法人税半減、未来産業の創出等により企業の投資意欲を増大させると共に、消費増税を中止し、消費の拡大を図るべきです。
幸福実現党にはポリシー・ミックス(金融政策+財政政策+減税+未来産業創出)に基づく革新的な経済政策があります。安倍首相はTPP参加を決断すると共に、幸福実現党の経済政策を真摯に学ぶべきです。(文責・黒川白雲)
2月22日「竹島の日」――「安全運転」で脇道に逸れる安部政権[HRPニュースファイル556]
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島根県の条例で、2月22日は「竹島の日」と定められています。
「竹島の日」は島根県条例で2005年に制定され、今年で8回目の式典となります。
幸福実現党も全国各地で「竹島の日」街宣等を実施致しますが、日本の領土を考える上で大切にすべき記念日です。
しかし、安倍政権の今回の式典への対応は、妥当とは到底、言えません。
今回は、政府から島尻安伊子・内閣府政務官が参加します。政務三役の出席は、竹島の日式典が始まって以来のことであり、また、国会議員の参加者は18名で過去最多です(2/18 産経「国会議員の参加、過去最多の見込み 竹島の日式典」)
過去の式典では、閣僚が式典に招待されても、「日程上の都合」で欠席し、代理の出席者も出していませんでした。
そのことを考えると、今回は、安倍首相をはじめとする6閣僚が招待された中で、政務官1人だけを派遣することは、十分な対応ではありませんが、前進であると評価する意見もあります。(2/21 産経「政務官の派遣を支持する」)。
しかし、「日本国民のために、本来、主張するべきことをしていない」ことは明らかです。
◇車の安全運転だけに終始する安倍政権
自民党は2012年の総選挙の「総合政策集」で「政府主催で、2月11日の建国記念の日、そして2月22日を『竹島の日』、4月28日を『主権回復の日』として祝う式典を開催します」という公約を掲げています。
「政策集の中では時期は明示していないから、今回は政務官の参加で精一杯だ」ということは、言い訳でしかありません。
今まで他国に配慮をするばかりで、日本として大切なことを主張せずに、日本の国益が損なわれていきました。
自民党がかつて土台を築き上げてきた、日本外交の悪い癖がまた出ています。残念ではありますが、自民党政権では、過去の反省がまだ十分ではないようです。
参議院選挙まで「景気一本」で人気を取り、外交・安全保障の持論を先送りにする安倍政権は、車の安全運転だけに集中して、「国民の安全」という通るべき目的地から脇道に逸れています。
◇竹島の歴史
竹島では、江戸時代から日本人が漁業を営んでおり、1905年1月28日の閣議で「竹島」と正式に命名され、島根県に属することとなりました。
第二次大戦後の1946年1月、連合国総司令部覚書(SCAPIN)第677号において、GHQの下、日本が政治上・行政上の権力を行使しうる地域に「含まない」地域として竹島も列挙されましたが、同第6項には「この指令中のいかなる規定も、ポツダム宣言の第8項に述べられている諸小島の最終的決定に関する連合国の政策を示すものと解釈されてはならない」と明記されていました。
また、1946年6月、連合国総司令部覚書(SCAPIN)第1033号においては、「マッカーサー・ライン」と呼ばれる日本の漁業及び捕鯨許可区域を定めました。
第3項には「日本船舶又はその乗組員は竹島から12マイル以内に近づいてはならず、またこの島との一切の接触は許されない。」と記されましたが、同第5項には「この許可は、当該区域又はその他のいかなる区域に関しても、国家統治権、国境線又は漁業権についての最終的決定に関する連合国の政策の表明ではない」と明記されていました。
マッカーサー・ラインは講和条約締結前に廃止され、1952年4月28日のサンフランシスコ講和条約で、竹島は日本領として確定したのです。
韓国側は、連合国総司令部覚書をもって、GHQは竹島を日本の領土と認めてなかったと主張していますが、領土帰属の最終的決定に関する連合国側の政策を示すものと解釈してはならないことが明示されており、そのような指摘が全く当たらないことは明らかです。
一方、韓国は、サンフランシスコ講和条約の発効する直前、1952年1月に「大韓民国隣接海洋の主権に関する李承晩大統領の宣言」を発表し、竹島を含むと見られる海域に対する主権宣言を一方的に行いました。
この宣言によって、日本海・東シナ海での韓国の領有権を主張する軍事境界線(李承晩ライン)が強引に主張されましたが、1965年の日韓基本条約締結に伴って、既に廃止されています。
それにも関わらず、韓国は竹島に有人灯台やヘリポートを建設して、不法占拠の既成事実を積み重ねています。
竹島の問題を解決するために、日本は過去3度、韓国側に国際司法裁判所に共同提訴することを要求してきましたが、韓国側は拒否しています。
正当な理由があるならば、韓国は国際司法裁判所への共同提訴に応じるべきですが、韓国側にそれをしては困る後ろめたい理由があることは明らかです。
◇日韓の協力を深めるためにも、わだかまりは解消すべき
このような歴史的経緯を押さえた上で、日本はどうすべきでしょうか?
やはり、北朝鮮が3度目の核実験を行うなど緊迫した情勢であるからこそ、日本は韓国と協力関係をわだかまりなく深めるべきであり、それは韓国側にとっても同じことが言えます。
そのためには、表面的な配慮ではなくて、日本として主張すべきことは主張し、韓国とのわだかまりを解消に努めるべきです。
自民党・石破幹事長は「(竹島は)わが国の主権の問題なので、国内的に姿勢を示すことが必要だが、このことで両国関係の悪化を避けるのは当然だ」と説明しています。(2/19 産経「『竹島の日』政務官派遣は『韓国への配慮』石破氏」)
しかし、石破幹事長の「わが国として最大限配慮していることを(韓国側に)認識していただけると思う」という気持ちは、残念ながら伝わってはいないようです。
というのも、韓国外交通商省の報道官は、定例記者会見で、「(竹島の日の式典は)歴史に逆行するもので、韓日間の友好増進のためにあってはならない行事だ」と述べており、開催の中止を要求しているからです(2/21 産経「韓国・竹島の日開催なら対抗措置 高官出席に警告」)。
腫れ物に触るように相手国の反応をばかりを見て、日本側の主張をあえて伏せることは、国民の幸福を大きく損ないます。
安倍政権は公約通り、「竹島の日」に政府主催の式典を開催するべきでした。
幸福実現党は、2月22日「竹島の日」と25日「韓国大統領就任式」を「全国一斉活動デー」として、全国各地で街宣活動等を行い、「ありがとう」と言える日本の防衛実現に向けて訴えてまいります!
政局を重視して、本当にやるべきことをやらない政治は、もうやめにしなくてはなりません。
政治は、安全運転が目的ではありません!国民の幸福にこそ向かっていくべきです。(HS政経塾1期生、幸福実現党東京第9選挙区支部長 吉井としみつ)
どうなる日銀新総裁人事?課題は増税ショックの対処[HRPニュースファイル555]
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◇株価リーマン・ショック後最高値更新
日経平均株価は、2008年9月30日以来約4年5ヶ月ぶりに1万1500円まで回復し、リーマン・ショック後最高値を更新しました。世間では、引き続き「バブル」だとする論調も目立ちますが、順調な回復過程にあるだけであり、一喜一憂する必要はありません。
国内外の投資家が、順調に円が安くなっていることと次期日銀総裁が金融緩和論者という見通しも出ていることが円売り材料となっているのでしょう。
さて、気になる日銀総裁人事は以下の通り4人に絞られた模様です。
岩田一政・日本経済研究センター理事長(元日銀副総裁)、岩田規久男・学習院大学教授、黒田東彦・アジア開発銀行総裁、伊藤隆敏・東大教授の4氏(読売新聞2月20日)。
岩田一政氏は、日銀副総裁を経験しているだけではなく、デフレ脱却に関しては長期国債の残存期間が長い国債の購入を主張。白川方明日銀総裁よりも積極的な金融緩和を主張すると思われます。地味で典型的な学者肌である同氏の個性は、著書『デフレとの闘い』でも余すところなくにじみ出ていますし、実務面では同氏が一歩リードとしていると言えるでしょう。
岩田規久男氏は、かねてから日銀批判の急先鋒として活躍してきた学者です。最新刊『日本銀行 デフレの番人』(日経プレミアム)をはじめとして関連著書も多く、リフレ派の代表的論客でもあります。特に、経済成長による税収増の効果を強調していますし、4人の中では最も急進的な日銀改革論者が同教授です。同氏と浜田宏一氏がタッグを組んだ場合、日銀法改正はかなりの前進となるでしょう。
伊藤隆敏氏は、国際的にも知名度が高い学者で、インフレ目標政策が持論です。内閣官房参与の浜田宏一氏も絶賛している学者の一人であり、毎回日銀総裁候補に挙がっています。
最後に、黒田東彦氏は元財務官僚ですので、金融緩和というよりも為替介入や外債購入を好むタイプです。ただ、安倍首相の金融緩和路線は踏襲されることでしょう。黒田氏の場合は、財務省と日銀の間で行われる日銀総裁「たすき掛け人事」のケースに当たり、日銀出身の白川氏の次は財務省出身の黒田氏が最優力だとも言われていたのはこうした理由からです。
いずれにしても、今回安倍首相が選出した日銀総裁候補はどれもアベノミクスを体現する見解を持っているため、投資家が期待を膨らませたのでしょう。
◇2014年4月以降の増税ショックにどう対応する
アベノミクスが功を奏して名目GDPが3%以上を達成した場合、消費税増税が2014年4月に5%から8%へと上昇することになります。その1年半後には、10%へと上がります。
2014年4月の時点ならば、まだまだ景気は回復途中であり、たとえ経済指標が揃ったといっても増税による悪影響は避けられません。つまり、数値だけは上向きとなっても、中小零細企業の経営や大卒の就職率などは依然として厳しいままである可能性が高いということです。また、デフレによって低下している平均所得が数年で回復するのは至難の業です。
さらに、規模が小さいとは言え復興増税が始まっています。今後は富裕層増税も加わり、日本経済には「増税ラッシュ」がやってきます。増税が景気回復に冷水を浴びせることになれば、元の木阿弥です。
増税による経済縮小の効果は、早ければ3ヶ月以内に出てきます。増税は、景気回復をする上での重い十字架となるのは必至です。新しい日銀総裁は、増税による経済のマイナスショックを和らげるためにどこまで金融緩和を続けられるかが腕の見せどころとなります。あとは、就任後に日銀内部からのゼロ金利の早期解除といった金融引き締め圧力をどうハンドリングしていくかも課題となるでしょう。
◇実体ある景気回復を目指して
現在の金融緩和は、株価上昇という即効薬にはなっています。ただし、実体ある景気回復をもたらすまでには長い時間を要します。例えば、庶民が「景気が良くなった」と実感できる状態と定義しましょう。給料が上がる、食卓に一品が増える、お父さんのお小遣いが増えるなど、日常生活に明確な変化が現れてくると考えてもらって結構です。
そのためには、どうしても増税法案が邪魔になります。いくら増税が自公民三党合意による既定路線とはいえ、最後は政治家が判断をすればいくらでも覆すことができます。実際、みんなの党や日本維新の会には減税論者がいます。まだまだ希望は捨てたものではありませんし、幸福実現党が次の参院選で議席を取ることで、増税法案を中止に弾みがつきます。
上記のように、財務省による増税路線はまだまだ雪解けには遠いですが、日銀の改革は良い方向に向かい始めています。新しい日銀総裁には、どうか不退転の決意で日銀改革と日本経済再生に取り組んで頂きたいと願う次第です。(幸福実現党参院選静岡選挙区代表:中野雄太)
「アベノミクスに足りないもの」――新たな地平を開く未来ビジョン[HRPニュースファイル554]
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18日、平成24年度補正予算案の本格審議が参院予算委員会で始まりました。参院で最大勢力を誇る民主党は、安倍晋三首相との論戦に臨みました。
民主党のトップバッターとして質問に立ったのは小川敏夫元法相でした。
小川議員は安倍首相が2%の物価安定目標(インフレ目標)などを「これまでとは次元が違う新しい金融政策」と強調していることに対し、民主党政権下でも政府との協議により日銀が「2%以下のプラスの領域、当面は1%」とする物価安定の「目途」を定めていたことを指摘し、「民主党が掲げていた政策と変わらない」と述べました。
物価安定目標を当面1%とするか2%とするかの違いだけであって、民主党政権下の経済政策とアベノミクスは何ら変わらないという論理です。
これに対し、安倍首相は、日銀に対して目標を決めて2%の数値目標を示し、日銀の責任でやってくださいという点は明らかに違うと答弁しました。更に民主党政権の物価安定目標1%目途では、全く市場が反応しなかったと切り返しました。
すると小川議員は、民主党と自民党の違いは、アピール力の違いであり、民主党はアピールが弱かった。首相は言葉で期待を持たせるだけの「アベのマジック」だと皮肉るのが精一杯でした。
また小川議員は、物価上昇はすぐには止まらず、慣性の法則でどんどん上がる可能性がある。よって2%の物価上昇が得られたら、安倍首相の金融政策はすぐに止めるのですねと確認した。
安倍首相は。「目標以上の物価上昇にならないために歯止めとして2%の目標がある。第一次安倍政権においても、麻生政権においても、少しでもインフレ期待が高まり、景気が回復しそうになると金融を引き締め、景気回復の芽を摘んでしまった。
その反省に立ち、物価安定目標を持った。今回、目標があるから日銀が簡単に引き締めに転じない。同時に2%以上の物価上昇にもならないように調整できる。」と答弁しました。
「財政再建をどうやってやるのか」という質問には、安倍首相は、「財政再建の為には税収を増やさなければならない。まず来年から予定している消費税増税により税収を増やす。経済成長(アベノミクス)により税収を増やす。そして歳出削減により財政を健全化する」と答弁しました。
質疑の後半「首相の発信力はなかなかだ。それに反応して円安になり、株価が上がったのは事実だから正しく評価しよう」という発言まで小川議員から飛び出し、かつての「抵抗野党」の面影はありませんでした。
空しさを覚える発展性のない質疑ではありましたが、自民党、民主党二大政党の本質があぶりだされました。
民主党は、物価安定目標が2%を超えたら、ただちに金融緩和政策をやめるべきと考える、未だ財務省と一体となった財政再建至上主義の政党である、経済成長に向けた未来ビジョンが全く語られないことが分かりました。
一方、自民党は、消費税増税で税収が増えるという財務省のプロパガンダを素直に信じています。
一方で増税をしながら、一方でアベノミクスによる景気回復を図る。同じ首相の下でブレーキとアクセルを同時に踏み込もうとしています。
両党とも、経済成長の本質が分かっていません。幸福実現党は、アベノミクスの金融政策には同意しますが、金融政策と全く同時に、減税(増税中止)、財政政策、未来産業の創出を行わなければ、金融政策の効果は出て来ないと考えます。
むしろ、消費税増税は、明らかなデフレ政策であり、アベノミクスに逆行します。
日銀がどれだけマネタリーベース(日銀が民間金融機関に供給する貨幣量)を増やしても、民間の消費と投資が活発化し、資金需要が旺盛にならなければ、マネーストック(世の中に出回っているお金の総量)が一向に増えず、景気は良くなりません。
その意味で、アベノミクスによる景気回復への期待感、実績は「消費税増税」で全て吹っ飛び、再び長期低迷を招くことになります。
自民党も、民主党も共に「増税政党」であることは変わりません。今、必要なのは「消費税増税」ではなく、「消費税増税中止」であり、「増税のための似非経済成長」ではなく、「未来ビジョンに基づく経済成長戦略」です。
また、アベノミクスは「三本目の矢」である「成長戦略」が曖昧であることが指摘されています。
それは、「未来ビジョン」に欠けているからです。「未来ビジョン」なきところ「真の経済成長戦略」はありません。
1980年代、アメリカは日本や西ドイツ等の経済成長によって、自動車や製造業が衰退し、「アメリカの没落」と言われました。
それは、中国や韓国、台湾などの製造業に押されて、電機産業などの製造業が衰退しかけている今の日本の姿にそっくりです。
アメリカが復活したのは「新産業の創出」によってです。アメリカは、自動車産業等の第二次産業中心の産業構造から離脱し、IT産業、金融産業、第三次産業等を「新しい基幹産業」に育て、世界に進出し、「アメリカの没落からの復活」を遂げました。
日本も今、未来産業を創出し、新しい地平を開かなければいけません。
高度経済成長を支えて来た旧来の産業を維持するだけでは、アジア勢の安い労働力に支えられた価格攻勢に敗北し、「日本の没落」は避けられません。
日本も産業構造をイノベーションし、リニア、航空産業、宇宙産業、防衛産業、ロボット産業等、無限の可能性を持った未来産業型に移行すべきです。
幸福実現党は、パラダイム転換を図り、新たな未来産業を創出してまいります。(文責・加納有輝彦)
各国からの、日本の金融緩和政策への批判に屈するな![HRPニュースファイル553]
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G20財務相・中央銀行総裁会議がロシアのモスクワで開催されました。
皆様ご存じのとおり、同じ時期にロシアに隕石が落下しました。非常に衝撃的であり、「まさか各国の代表が集う時に、その場所(国)で」という、曰く表現しがたいものを感じた事件がありました。
この会議の開催前から、日本では「円安に対する新興国の警戒感が高まる中、大胆な金融政策を柱とする安倍晋三政権の経済政策『アベノミクス』に対する理解を得られるかが焦点となっている」「日銀の金融緩和策を背景に円の独歩安が加速し、海外から『通貨安競争』を招いているとの批判が出ている」(2/15 産経)などと非常にナーバスな報道がなされていました。
しかし、そもそも「円の独歩安」などというのは全くの言いがかりで、リーマンショック以降、各国が大胆に金融緩和を進める中、日銀が思い切った金融緩和を進めず、「円の独歩高」が進んでいただけのことです。
ここにきて、野田前首相が衆院を解散した後から、安倍自民党政権の誕生による、積極的な金融緩和政策への期待から円が値下がりしましたが、もともとリーマンショックが起きる直前の2008年8月のドルの為替相場は月中平均1ドル109.25円、ユーロは1ユーロ153.16円でした(七十七銀行の為替相場情報より)。
それが野田政権末期の2012年10月の月中平均が1ドル79.03円、1ユーロ102.48円(同)まで円高が進行していたわけです(2/19現在、1ドルが約94円、1ユーロが約125円の水準)。
その間、アメリカの中央銀行FRBのバランスシートは約3倍に膨れ上がり、ユーロ圏のECBのバランスシートも2倍以上になっています。
つまり、日銀がデフレを放置し金融緩和をためらっていたため、円高が急激に進行したという側面があるということです。その結果、輸出企業は収益を悪化させることとなりました。
しかし、ここではっきりとさせておかなければならないのは、日本は「デフレ脱却」のために金融緩和を行うのだということです。
安倍首相も18日の参院予算委員会で「現行の金融緩和はデフレ脱却が目的だ。為替操作でいたずらに円安に導いているわけではない」と述べています。(2/18 産経「『円安誘導ではない』安倍首相強調 参院予算委」)
デフレ脱却のための金融政策を行おうとすることに対して、結果的に「市場判断」によって為替相場が円安に振れているにすぎません。
金融政策は日本の国家主権に属するものです。他国が金融政策についてまで干渉するならば、それは内政干渉ではないでしょうか。
日本の金融緩和政策を批判する国がありますが、こんなものは断固として退けなければなりません。
毎日新聞は社説で「確かに、政府や与党の要人が具体的な相場水準にまで言及して円高是正を唱えていた点で日本は突出していた。だがこれを別とすれば、先進国はどこも極端な金融緩和を進めている」と指摘しています。(2/17 毎日「G20金融会議 本質曇らせた円安論争」)
実際、政府が為替操作を目的にしていると捉えられるようなことはすべきではないと思いますが、ここでも述べられているように、先進国は日本よりもはるかに金融緩和を進めて来ました。
例えば、ドイツのメルケル首相が日本の金融緩和政策を批判するなどというのは、行き過ぎた行為だと思いますし、はっきり言えば「あなたに言われたくはない」というところです。
今、日本には「強い外交力」が必要です。簡単に言い含められてしまうと、本当に国益を損ねることになります。
そして断固として、デフレ脱却に向けた金融緩和を進めるべきです。実行力が求められます。
日本は独立国家として、外交・防衛問題は当然のこと、経済政策においても、他国からの不当な圧力に負けない気概と、正しい政策を断固やり抜く信念と実行力が必要です。(HS政経塾第2期生 兼 京都府本部参議院選挙区代表 曽我周作)