◆厳しすぎる除染基準
戦後最大の被害をもたらした東日本大震災から二年あまり。大きな爪痕を残した天災でありましたが、時間を経るに従って、人災の側面も大きかったのが明らかになってきています。
原発事故の起きた福島では、今も数多くの被災者が避難生活を強いられています。
住民の帰還と、地域の復興を妨げている大きな要因に、「年間1ミリシーベルト」という、放射能の厳し過ぎる除染基準がありますので、本日はこの点に絞って言及いたします。
通常、私達が病院で受けるCTスキャン1回あたりの被ばく線量は「10ミリシーベルト」前後と言われています。
この線量が人体に与える影響は一概には判りかねますが、そのせいで病気になったという話は聞きません。
また、「年間100ミリシーベルト」までは特に人体に影響はないとする専門家も多く、実際、インドやイランには高自然放射線量地域がありますが、そこの住民のがん発生率が、他の地域と比較して特に高いという報告もありません。
要は、「年間1ミリシーベルト」で健康被害が発生することはまずあり得ないのですが、いつしか、この厳し過ぎる数値が除染の目標数値になっていたのです。
◆厳し過ぎる除染基準は「人災」をもたらす
そこには、「故郷の美しい山河と、従来の生活を取り戻したい」という地元自治体の強い意向がありましたが(地元としては当然の要求であったと思います)、もっと根深い問題として、正確な科学的知識を提供するのではなく、やたらと放射能の恐怖を煽って視聴率や部数を伸ばそうとしたマスコミの報道姿勢や、根っからの原発反対論者であった菅直人元首相をはじめとする、当時の民主党首脳の意向がありました。
CTスキャン1回分に遠く及ばない、「1ミリシーベルト」という微量の放射線を除染の目標としたことで、必要以上に広大な区域が、放射能による危険な区域となりました。
その結果、(1)緊急ではない過剰な除染作業が税金によって延々と行われ、(2)被災者の帰還がさらに遅れ、(3)福島産の農産物に対する風評被害もいっそう強まることになったのです。まさに、「人災」であります。
◆「除染基準の緩和」を求める
ここはせめて、国際基準に照らし復旧時の許容範囲である「20ミリシーベルト」に、除染基準を変更すべきではないでしょうか。
実際、2011年12月に、福島原発の原子炉が安定状態を達成し、発電所の事故そのものは収束に至ったことから、原子力災害対策本部は「警戒区域」および「避難指示区域」の見直しについて、下記方針を発表しています。(2011/12/16 原子力災害対策本部「ステップ2の完了を受けた警戒区域及び避難指示区域の見直しに関する基本的考え方及び今後の検討課題について」)
・原子力安全委員会は、本年8月4日に示した解除に関する考え方において、解除日以降年間20ミリシーベルト以下となることが確実であることを、避難指示を解除するための必須の要件であるとの考えを示した。
・年間20ミリシーベルトは、除染や食品の安全管理の継続的な実施など適切な放射線防護措置を講ずることにより十分リスクを回避出来る水準であることから、今後より一層の線量低減を目指すに当たってのスタートとして用いることが適当であるとの評価が得られた。
・こうした議論も経て、政府は、今回の区域の見直しに当たっても、年間20ミリシーベルト基準を用いることが適当であるとの結論に達した。
すなわち、原子力安全委員会は「年間20ミリシーベルト」以下は安全であると宣言しているのであり、今のまま「1ミリシーベルト」を除染の目標値とし続けることは、避難住民の帰還を遅らせるばかりか、除染作業にかかる人員・費用の浪費にもなりかねません。
また、先に述べたとおり、そもそも100ミリシーベルト未満では健康への影響はないという専門家の意見も多いことから、年間20ミリシーベルトを超える地域であっても、住民の皆様の帰還が可能かどうかについて、改めて冷静な議論が行われてしかるべきです。
「被災者の方は、つらいでしょうが、広島・長崎は、その後、きちんと復興していますので、“将来的な心配はない。実は、もっと被害は少ないのだ”と思っていただいて結構です。」(大川隆法党総裁著『されど光はここにある』第5章より抜粋)
被災地の一日も早い復興を祈念しつつ、福島県における「除染基準の緩和」を自民党政権に求める次第です。(文責・加藤文康 党総務会長)
福島県における放射能「除染基準の緩和」を求める[HRPニュースファイル579]
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政府「消費税還元セール禁止」の愚――消費増税による景気後退は避けられない![HRPニュースファイル578]
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◆日銀新総裁に期待する
国会は15日午前、次期日銀総裁に黒田東彦アジア開発銀行総裁を起用する人事案を正式に承認しました。
黒田氏は「15年もデフレが続いており、中央銀行としての責任が果たされてこなかった」として、これまでの日銀の金融政策を批判。(3/11 読売「黒田氏、2%インフレ『必ず果たす』…参院聴取」)
日銀が導入した2%のインフレ目標について、「できるだけ早期に実現することが最大の使命であり、必ず果たす」と述べ、目標実現に強い決意を示しました。
新総裁の誕生を市場も好感を持って受け止めており、15日の東京株式市場は大幅続伸し、日経平均株価の終値は、4年半ぶりとなる1万2500円台への回復を果たしています。
昨年年初より、幸福実現党は『日銀総裁とのスピリチュアル対話―「通貨の番人」の正体―』を発刊し、日銀批判、白川総裁批判を展開して参りました。
幸福実現党の活動が発火点となり、世間でも日銀批判、白川総裁批判が活発になされるようになり、黒田新総裁誕生に結実したと言えます。新総裁の活躍を期待する次第です。
◆アベノミクスの家計への影響は?
アベノミクスは株高・円安をもたらしましたが、これが国内の景気回復につながるか否かについては、様々な議論が沸き起こっています。
景気回復は、企業の業績回復→労働者の賃金上昇→消費拡大→物価上昇というサイクルを生み出すことができるかどうかにかかっています。
今年の春闘では、一部大手企業が一時金を満額回答する動きが相次ぎ、大きく報道されていますが、実際には、今年の賃金全体を押し上げる効果はわずか0.5%程度に過ぎません。(3/14 ロイター「焦点:輸入インフレに追い付かない賃金上昇、円安との兼ね合い難しく」)
むしろ、賃金上昇よりも、エネルギーや食料品など、円安による輸入物価の上昇分の負担の方が大きく、実質所得が減少する可能性の方が高いのです。
実際、スーパーマーケット業界の1月の売上高は4.7%減で、スーパーの大手各社が1000品目単位で値下げを実施しても、今年に入っても値下げ競争は加速しているのが現状です。(3/9 東洋経済「株高は消費につながるのか? 」)
イオンの横尾博・専務執行役グループ商品最高責任者は「一般の消費者は、向こう半年や10カ月ぐらいは電気代やガソリン代など生活インフラの価格が上昇し、可処分所得は厳しくなるだろう」と話しています。(同上)
◆更に可処分所得を大幅に減らす消費増税
物価上昇と賃金上昇の遅れにより、国民の実質可処分所得(実質的に自分が使えるお金)が減少する中、来年4月から消費増税が強行されれば、私たち国民の可処分所得が更に減少します。
大和総研は消費税増税後の2015年の実質可処分所得は、2011年と比較して4~9%減少するという試算を出しています。(2011/12/30 毎日「『社会保障と税の一体改革』に伴い、家計にどの程度の影響が出るのか」)
また、政府が消費税率10%に引き上げた場合の家計負担を試算した結果、年収500万円の4人家族では、増税や社会保険料引き上げ等により、年間33万8千円の負担増が家計にのしかかります。(2012/9/28 朝日「消費税10%で家計負担は…内閣が初試算」)
◆「消費税還元セール」禁止の愚
こうした可処分所得の減少は、消費を萎縮させ、物販を中心とする小売業を直撃します。
私の知り合いの流通業経営者も「流通業界では熾烈な競争があり、1円単位の安売りのしのぎを削っている中、消費増税分を上乗せしたら売れなくなる」と懸念を表明しており、消費増税分を消費者に転嫁できない現状を語っていました。
しかし、そうした中、政府・自民党は12日、消費増税の際に大手スーパーなどによる「消費税還元セール」を禁止することを決定しました。(3/15 日経「消費増税還元セール禁止 政府・自民が価格転嫁対策」)
スーパー側が増税分の値上げをせず、中小の納入業者に消費増税分が転嫁される(消費増税分の値引きが強要される)ことを防ぐ措置ですが、こうした「セール禁止令」に小売業界からは反発が出ています。
消費増税による売上減少を防ぐために、値引きセールを行うこと自体は小売業にとっての最大の自衛手段です。
にもかかわらず、値引きを規制することは「統制経済」「社会主義」に繋がります。(参考:3/13 Liberty web「『消費税還元セール禁止』 安倍政権は『統制経済』への道を開くつもり?」)
自由主義経済の「政府は価格統制を行わない」という原則を壊してまで、小売業者に消費税増税を強要したとしても、その結果、消費者は「買わない」という選択肢を選ぶだけです。そうなれば、ますます景気は悪くなります。
実際、ある大手スーパーは「消費者の重税感を減らすことにもつながる『還元』をセールでうたえないのはいかがなものか」と不満をあらわにしています。(3/13 Business Journal「消費税還元セール禁止へ 反発する小売り業界」)
政府がいかなる小細工をしようとも、消費増税による景気後退や中小企業への転嫁は避けられません。
幸福実現党は消費増税廃止をお約束します。次期参院選で「消費増税廃止」の声を私達に託して頂きたいと存じます。(文責・黒川白雲)
3/15 ハピネスレター943〔3/12 山口でかわい美和子氏の事務所開き開催!!〕
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皆さま、おはようございます!
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「長生きをしたければ、くよくよしないことが大事です。」
※『生涯現役人生』(大川隆法著)より
http://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=837
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■3/12 山口でかわい美和子氏の事務所開き開催!!
3月12日(火)、山口県参議院補欠選挙に立候補を表明している、幸福実現党山口県参議院選挙区代表のかわい美和子氏の後援会事務所開きが開催され、山口県各地から熱心な支持者約100名が集まりました!
また、当日はテレビ局4社、新聞社8社が集まり、ニュース番組や新聞にカラー写真付きで報道されるなど、大きな注目を集めました!
写真&動画⇒http://www.hr-party.jp/new/2013/35957.html
かわい美和子氏は挨拶で、早逝されたご主人から未来を託されたエピソードを披露し、多くの方が感動の涙を流しておられました。
かわい美和子氏は「政治は欲得のためでは決してありません。国民を幸せにするためのものです。
主婦として、母親として、働く女性の立場で、この国を守り、国民お一人お一人を豊かにするために、私ははっきりと物を言い戦ってまいります。
今こそ、女性の目線で、女性の力で、政治に新しい風を吹かせる時です!
そして誰よりも、この国の未来を守りたい。子どもたちの未来を守りたい。与えて下さったたくさんの愛へのせめてものご恩返しの気持ちも込めて、頑張ってまいります!」と力強く決意表明を行いました!
かわい美和子氏ブログ⇒http://ameblo.jp/kawaimiwako/
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3/14 ハピネスレター942〔本日14日(木)「豊かで強い薩摩復活!」生放送! 〕
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皆さま、おはようございます!生涯現役推進政党・幸福実現党が送る本日の格言です!
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「平均寿命は百歳ぐらいになる」と思って、どのように生きるか、計画を立てておく必要があります。いまから「人生百歳時代」に耐える準備をしておきましょう。
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■本日14日(木)21:00~《新・幸福実現TV》生放送!
「命もいらず、名もいらず、官位も金もいらぬ人は、始末に困るものなり。この始末に困る人ならでは、艱難をともにして国家の大業は成し得られぬなり。」(西郷隆盛)
本日の幸福実現TVは「豊かで強い薩摩復活!」と題し、西郷どんの故郷、薩摩出身の熱血漢・松澤力(まつざわ いさお)幸福実現党鹿児島県参議院選挙区代表と小島一郎 幸福実現党幹事長代理と共にお送りいたします!どうぞお見逃しなく!!
幸福実現TVの生放送(ニコ生・Usream)は、放送時間帯(14日(木)21:00~)に 下記よりご覧頂けます。
ニコニコ動画生放送⇒
http://live.nicovideo.jp/watch/lv129150768
Usream生放送⇒
http://www.ustream.tv/channel/%E5%B9%B8%E7%A6%8F%E5%AE%9F%E7%8F%BEtv
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習近平氏、中国国家主席に選出――習近平政権で加速する中国の「宇宙軍拡」[HRPニュースファイル577]
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北京で開催中の全国人民代表大会(全人代)で14日、中国の新しい国家主席に胡錦濤氏に代わって習近平・党総書記が選出されました。(3/14 朝日「習近平氏、中国国家主席に選出 名実ともに最高指導者」)
本日15日に閉会を迎える「全人代」は日本の国会に相当し、向こう5年間に関わる中国の国家戦略が明らかとなる極めて重要なイベントです。
さらに今年は習近平氏が国家主席に選出されるという権力の移行期ということもあり、内外のメディアの注目が集まっていました。
今回も「解放軍報」などの中国側の官報をベースに、全人代後の中国の動きを読み解いてみたいと思います。
◆そもそも「全人代」とは?
日本人になじみのない「全人代」について、はじめに簡単に解説させていただきます。
「全人代」とは、毎年一回、北京で開催される、全国の省・直轄市・自治区・特別行政区・軍の代表からなる一院制の立法議会です。
12回目を数える今回は全体で2987人が参加し、解放軍からは268名が参加しました。
国防費を含む軍事予算が決定されるだけでなく、権力移行期には、国家主席・国家中央軍事委員会などが選挙によって選出されます。
昨年の党大会で党総書記と党中央軍事委員会主席のポストを受け継いだ習氏は、今回、国家中央軍事委員会主席に選出されたため、「党・軍・国」のすべてのポストを掌握したことになります。
◆全人代開催直後、胡錦濤氏の名前が消えた
国家主席のポストは、形式的には14日の選挙で決定する事になっていましたが、実際はそれより以前から権力闘争には決着がついており、大会が開催するころには習氏が主導権を握っていたと思われます。
というのも、「人民日報」「解放軍報」共に全人代開会を告げる3月6日付のトップ記事までは、胡錦濤氏を先頭に習近平、呉邦国…と名前が列挙されておりましたが、早くも3月7日付の「人民日報」「解放軍報」では、全人代の記事から胡氏の名前が消え、習近平・李克強らの次期権力者の名前に入れ替わっていたのです。
1面に最も大きく掲載されるトップ写真も、7日の時点で習近平を中央に置くものが使われ、すでに大会の主役が習氏らのグループに移行したことを示していると言えます。(解放軍報:3/6「十二届全国人大一次会議在京開幕」、3/7「習近平李克強兪正声分別参加全国両会一些団組審議討論」)
◆軍のトップも習近平を指示している
また、「習近平は軍隊を掌握しきれていない、弱いリーダーだ」という見方もされていましたが、実際は中国軍のナンバー2である中央軍事委院会副主席の支持を受けており、そのような見方が誤りであることが明らかとなっています。
具体例を挙げると、習氏らが主役として取り上げられ始めた3月7日の解放軍報の一面には、范長龍、許其亮の二名の中央軍事委員会副主席が、それぞれ「党中央、中央軍事委院は習主席の指揮に従い、国防強化を進めていく」と、代表団の分科会で発言したことが記事として取り上げられました。(解放軍報:3/7「范長龍代表在分組会上発言強調」「許其亮代表在分組会上発言強調」)
◆習近平政権で「天軍」開発が加速する
それでは、軍を掌握した習近平氏は、この5年間でどのような軍事拡張を行うつもりなのでしょうか?
解放軍報を読み解いていくと、その重点は「海洋」と共に「宇宙」にあることが分かります。
今回は、日本のメディアが全く取り上げない「宇宙軍拡」について取り上げたいと思います。
習氏への権力移行を印象付けた7日付の解放軍報では、有人宇宙船「神舟10号」と、宇宙ステーション「天宮2号」の大きな記事が掲載されていました。
記事は、全人代に参加した総装備部・某基地政治委員の王兆宇氏へのインタビューと言う形を取り、今年の6月から8月にかけて、有人宇宙船「神舟10号」の打ち上げを実施する事を明かしています。(解放軍報:3/7「神舟十号将実現新跨越」)
また中国の有人宇宙ステーションである「天宮2号」設計部門責任者である周建平氏は、「天宮2号の主要目標は、空間戦の部分となる新技術を検証する事だ」と取材に応えています。
この「空間戦」については、同日、解放軍代表団が「空・宇宙・インターネットに及ぶ安全保障に注意を払う」と発言している事から、宇宙とインターネットを利用した「米軍型の戦闘様式」であることは間違いないと言えるでしょう。(解放軍報:3/7「両座中国“天宮”或将併存太空」「解放軍代表団挙行第一次全体会議」)
◆野心に満ち満ちている中国の宇宙軍拡
さらに別の記事では、中国軍が「1隻の中心船と、2隻の実験船からなるT字型の宇宙ステーション」の建設に取り掛かっており、それらのステーションを打ち上げるための新たな宇宙ロケット発射センターが、二年後の完成を目指して海南島に建設中であると明らかにされています。
ここからは貨物船と宇宙ステーションの打ち上げ能力を有する、長征五、長征七号などのロケット打ち上げが可能で、中国最大の打ち上げステーションとなることが予想できます。(解放軍報:3/13「中国(之に萬)向空間戦時代」)
同記事の最後で、設計部門責任者の周建平氏は「地球は人類の揺りかごであるが、人類が永遠に揺りかごの中で生活するということはありえず、絶え間なく新しい天体と空間を探求する。大気圏の突破を果たしたら、太陽系の空間を征服する」という驚くべきビジョンを語っています。
中国の軍拡が、すでに尖閣はおろか太平洋をも超え、宇宙空間の征服に向けて進行していることは明らかです。
日本は宇宙開発の高いポテンシャルを有していますが、産業化していくビジョンと政治家の決断がないため、宇宙開発に踏み出せずにいれば、中国の後手に回る可能性があります。
日本政府は尖閣や集団的自衛権問題で思考を停止することなく、中国の軍拡の実態を見据えたうえで、宇宙開発も視野に入れた日本の国家戦略を考えるべきではないでしょうか。(文責・HS政経塾一期生・神奈川四区支部長 彦川太志)
成長戦略はどうあるべきか。[HRPニュースファイル576]
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政府の経済政策を立案する際に必ず出てくるのが「成長戦略」という言葉です。
一般的には、今後の成長が見込まれる分野に資源を配分することを指します。近年では、環境や医療、福祉が代表選手です。過去には、「鉄は国家なり」と呼ばれたように、鉄鋼業に重点的に資金や人材が投入された時代がありました。このように、成長戦略は「傾斜生産方式」と呼ばれた産業政策のイメージに近く、政府主導の政策であることは間違いありません。
最近では、城山三郎氏の『官僚たちの夏』(新潮社文庫)がTVドラマ化されたこともあり、熱血官僚の奮闘記が記されています。この本には通産省(現経済産業省)がモデルとなっており、城山氏は官僚の優秀性と国家のために命懸けで働く男の姿を表現しようとしたのでしょう。
とまれ、安倍政権の経済政策にも入り込んでいる成長戦略について様々な角度から検証する必要はあると思います。
第一に、成長戦略とは官僚主導が多いということ。
実際には官僚が法案作成原案や事務処理を行っています。また、官僚主導になると非常に面倒な手続きや規制が多くなることも事実です。
例えば、エコカー減税や電化製品のエコポイント。
これらの制度は定額給付金や子ども手当などのような減税措置と違い、納税者が実際に消費をしてこそ効果がでます。面倒な書類の提出をガマンできれば、企業や関連業界の活性化にはなっているでしょう。ただし、当該商品に興味を持たない方にとっては意味をなさないのも事実です。ある意味、政府による強制的な消費促進が本当に良いのかどうかの検討は必要です。
次に、「成長戦略そのものを政府が決めることが本当にできるのか?」という根源的な問題があります。ケインズ経済学には政府の市場介入を正当化する論理が含まれていますが、自他共に優秀性を自負する官僚にはケインズモデルとの親和性が高いようです。
上記の『官僚たちの夏』のモデルとなった通産省は、海外ではMITI(Ministry of International trade and Industry )と呼ばれたほど有名でした。日本の高度成長は、MITIの存在があったからだと考える海外の学者もいますが実際はどうだったのでしょうか。
東京大学の三輪芳朗教授とハーバード大学のマーク・ラムザイヤー教授との共同研究書である『産業政策の誤解』(東洋経済新報社)では、明確に産業政策を否定する結論を導いています(P・クルーグマン著の教科書『国際経済学』のコラムでも同じ結論を紹介している)。
なぜなら、産業政策を実施しようとした官庁には、民間経済に影響を及ぼす有効な政策手段が欠落していたこと。例外的にも有効な手段を有する場合にもその行使には慎重であったこと等が触れられています。両教授の見解に従えば、産業政策を実施しなかった産業の方が発展しているということです。
早稲田大学の若田部昌澄教授の著書『もうダマされないための経済学講座』を使い、もう少し詳細を見ていきましょう。
例えば、通産省が作成した特定産業振興臨時措置法案があります。この法案が通ると、新規参入ができなくなります。この時、後に世界のHondaの礎を作った本田宗一郎氏は、四輪車の生産に踏み切ります。さもなければ、本田技研工業は今後自動車産業へ参入できなくなります。現実は道路上でのテスト走行までは成功したものの、量産体制まではできないというのが現状でした。幸いなことに、この法案は廃案となり、以後、本田技研工業は腰を据えて自動車生産をすることができるようになったわけです。
要するに、成長戦略と称する産業政策を行うと新規参入が阻害されるため、技術やビジョンをもった中小企業の芽を摘む可能性があるわけです。
また、当時の本田技研工業が世界のHondaへと成長できると、誰が想像できたでしょうか。このように、成長産業は官僚でなくとも見極めることは極めて難しいのです。ましてや、最近は新規有望産業のブームが過ぎると消えることが多く、有望産業の見極めはますます困難になりつつあります。
さらに、R・ビーソンとD・ワインシュタイン教授の研究によれば、補助金、関税、税控除、政府金融の四つに関して、支援度が低いほど産業の成長率が高いことが示されています。言い換えれば、政府が支援すれば成長産業が育つわけではないと読むことができるのです。
このように、長年の経済学の実証研究によれば、産業政策は極めて分が悪い結論が出ています。要するに、政府が成長戦略を採用する必要はないということです。もし実行するならば、民間企業が活動しやすいように規制緩和や減税などを行い、民間の自由な発想と創意工夫を邪魔しないことです。発明や発見は現場で起きており、イノベーションは現場で起きている以上、政府が市場に介入する必要性はありません。
シカゴ大学教授であり、ノーベル経済学者でもあるG・ベッカー教授は「最良の産業政策とは、何もしないことである」(上記の三輪教授の著作に引用あり)と述べています。まさに言い得て妙だと言えましょう。(文責:中野雄太)
TPP参加で、農業後継者を地方に呼び込むチャンスとしよう![HRPニュースファイル575]
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全国農業協同組合中央会(JA全中)などの農林漁業、消費者関連の8団体(4千人規模を動員)は12日、環太平洋連携協定(TPP)交渉への参加に反対する緊急集会を東京都内で開きました。
JA全中は、2月のTPPに関する日米共同声明で「全ての物品が交渉の対象とされる」「最終的な結果は交渉の中で決まる」などとされたことを問題視。
政府が早期に交渉参加を表明することになれば「聖域なき関税撤廃を前提とする限り交渉参加に反対」とした自民党の政権公約に反すると怒りを露わにしました。(3/12 産經)
昨年12月の総選挙で当選した自民党議員295人(復党議員含む)のうち、205人が選挙公約でTPP参加に「反対」を表明していました。これは、全体の約70%を占めています。(3/4 赤旗)
「これでは公約違反だ」「自民党は政権公約を守れ」の怒りの声が全国各地であがっています。
「国益を考えたらTPPには参加すべきだが、総選挙で農家、医療関係の票はほしいので、例外品目を勝ち取るべくTPPに参加します」というのが自民党の本音(公約)でした。
それを「例外なき関税撤廃が前提ならば、TPP反対」という選挙公約を掲げたことにより、今、そのツケがまわってきたといえましょう。
選挙で論点をぼやかし、先送りすることが、「人気の秘訣」なのか、「不誠実の象徴」なのかは、議論の分かれるところでしょう。
幸福実現党は、TPPに参加すべきとはっきり主張しています。(3/8 サンケイビジネスアイ 矢内筆勝党首コラム「TPP参加で日本を強く、豊かに 」)
農業従事者の平均年齢は66歳です。放っておけば10年後には後継者難から自然崩壊するのは火を見るより明らかであり、TPPを日本農業変革の好機とすべきであることは衆目の一致するところと思います。
規制緩和により、農地の集約化、大規模化、あるいは工場生産化によって国際競争力をつけ、日本の優秀な農業技術によって付加価値の高い農産物を輸出し、農業を輸出産業に育てることも可能であると訴えています。
しかし、一方で高低差の激しい日本の地形から大規模化にそぐわない農地が多いのも日本の現状です。美しい日本の風景として後世に残したい棚田などはその典型でしょう。
農地法第3条は、北海道では2ヘクタール、都府県では50アール以上でないと農地を購入することが出来ないとされています。(実際は、市町村ごとに別途条件を定めている)
私の知人(会社員)の配偶者は、約10アールの耕作放棄地でブルーベリーの生産を行い、収益を上げています。
しかし、50アール未満なので農地を購入することが出来ず、農家と認定されません。借地で小作農としての立場に甘んじ続けなければならないのです。
この事例は兼業農家の形になりますが、耕作放棄地が有効に活用されています。
兼業農家の存在が、保護農政の悪しき果実と批判される向きもありますが、大規模化にそぐわない高低差のある山間部においては、農地法3条の規制などを緩和し、逆に兼業農家を呼び込むことで耕作放棄地の増大、山間地の荒廃を防ぐことが可能です。
さらに、補助金農政の代りに農家の所得税を減税・フラット化し、大きな収益をあげても累進課税されないことで、後継者育成の大きなインセンティブとなります。
要するに、規制緩和により、大規模集約化も推し進め、大規模化のそぐわない山間地は兼業農家を後継者として呼び込む施策を考え、荒廃を防ぐことも十分可能であるのです。
前述の知人は「狭い農地でも収益をあげる自信はある。それが規制で足かせをはめられている。余計なお世話だ」と規制に不満を漏らしています。
TPP参加を機に、規制緩和を推し進め、国際競争力をつけると同時に、山間地域の環境保全も実現するWIN-WINの道が存在するのです。(文責・加納有輝彦)
震災の教訓――海外との「絆」に見る日本の新しい使命[HRPニュースファイル574]
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◆海外174カ国・地域との「絆」
震災から丸2年の節目を機に、あらためて被災地の現状や当時の状況などが盛んに報道されています。
その中で必ず出て来るキーワードが「絆(きずな)」です。
私も被災地・宮城県の人間として、日々こうした報道に関心を持ち、また自分自身も現場でNPO法人の一員として様々な活動を行ってきて、「絆」の大切さを毎日実感しております。
ただ、この「絆」については、マスコミの報道は国内が中心であり、この間、海外から受けた支援とその絆についての報道はあまり多くありません。
しかし、震災から一年間で日本が受けた海外からの支援は175か国に上ります。(3/5 朝日「震災支援、海外から1640億円 174カ国・地域」)
話題にのぼりやすいのは、アメリカによる「トモダチ作戦」や、台湾からの多額の義捐金や支援ですが、その他の数多くの国々との「絆」についても、被災地をはじめとして日本全体であらためて振り返り、感謝し、次の行動へつなげていくべきだと思います。
◆日本への恩返し
私自身も宮城の沿岸部で救援活動する中で出会った中に、例えばトルコの方々がいらっしゃいました。
トルコは明治時代に船が和歌山近海で座礁した際、日本の村人が船員を救助したことから日本への敬意を表すようになったと言われており、震災後も人的・物的、両面で大きな支援をしてくれました。私が見たのはトルコ政府派遣の救援隊でした。
また、フランスによる支援は宮城県の特に牡蠣養殖の現場においては、今も身近な存在です。
その元は、やはり昔日本が行った支援にあるようで、1970年代にフランスの牡蠣が病気蔓延で危機に陥ったとき、宮城から種牡蠣を提供し、現在のフランス市場に流通する牡蠣の90%は宮城産が元になっているそうです。
そのご縁で、震災直後だけでなく現在までもフランスから漁具の支援や新たな牡蠣養殖の共同開発支援などが行われています。
このように、私たちの先祖や先輩の方々の日本人としての徳高き行動が、今、世界からの「恩返し」という形で、震災支援となって帰ってきているのです。
その意味で、日本人の先達の方々との「絆」も深く実感する次第です。
◆「最貧国」と呼ばれる国々からの支援
また、こうした海外からの支援は、恵まれた国からだけではありません。「最貧国」と呼ばれる国々(先の朝日新聞の報道によれば35か国)からも頂いています。
例えば東南アジアのミャンマーという国があります。アウンサン・スーチー氏の件や最近開放路線になったことでの成長可能性が話題にのぼる国ですが、実際にはまだまだ貧しい国です。
最近、私も縁あって渡航しましたが、第一都市ヤンゴンの中心部から車で一時間も走ると粗末な家々が並び、貧しい生活環境の地域がたくさんあります。
ミャンマーでは2008年に大規模なサイクロン被害があり、そうした貧しい地域の人を中心に10万人以上が亡くなったと言われます。
その復興自体もまだ進んでいない中で、日本の震災への支援も行ってくれたことは感謝に絶えません。
ミャンマーは先の大戦をきっかけに、当時イギリスから独立する際に日本が支援したこともあり、「親日国」として知られています。
実際、ミャンマーで私が個人レベルでも感じたのは、日本人への信頼であり、日本への期待の大きさです。
◆日本人よ、強き使命感を持て!
今後、我が国が東北の復興を成し遂げ、日本の再建を行うためには、まず「志」が必要だと思います。
それは自分たちの生活や仕事を再建するためだけでなく、「世界の中で日本が新しい使命を果たす」という志です。
経済だけでなく、思想、文化、政治、科学、教育、あらゆる分野で、日本は優れたものを持っており、優れた先人たちの蓄積があり、世界の友人に伝えるべき内容を持っていると思います。
震災を契機として大切さを実感した「絆」を、国内だけでなく、海外にも広げ、日本が世界にさらに貢献する国家づくりを行うべきです。
最後に、最貧国の一つと言われるミャンマーで現地の友人が語った言葉が忘れられません。
「国は何もしてくれない。自分たちで努力して成功するしかない。」
生活保護もない、社会保障も整備されてない場所で、逞しく自助努力し、明るく元気に、日本を目指して頑張っている海外の友人たちに、少しでも日本として、日本人としてできることをしていきたいと思います。
そして、それを被災地・東北における震災の教訓としていきたいと考えます。(文責・宮城県本部第四選挙区支部長 村上 善昭)