米連邦準備制度理事会(FRB)はとうとう25日、インフレ率2%を長期的なゴールと位置づける「インフレ目標」の導入に踏み切りました。同時にゼロ金利を2014年まで延長することも決定しました。
26日の朝日、読売、毎日、日経、東京の夕刊はどれも、このニュースを一面で取り扱っています。27日の朝刊各紙にも大きく報道されました。
FRBのバーナンキ議長は「インフレ目標」導入について、「2%の目標を明確にすることで、物価の安定化や適度な長期金利を促すことができる」と説明しています。
「インフレ目標」とは、政府や中央銀行がインフレ率(物価上昇率)の目標を設定・公表し、その達成に主眼を置く金融政策のことです。
インフレ目標は、1990年にニュージーランドが採用して以来、カナダ、イギリス、韓国など20カ国以上で採用されています。先進国でインフレ目標を取り入れていないのは、日本と米国だけでした。
幸福実現党は2009年の立党当初より、「3%程度のインフレ目標値を設定」することをマニフェストに掲げて来ました。しかし、日本では日銀を筆頭に「インフレ目標」に対して否定的な論調が主流を占めています。
日銀が反対している理由について、嘉悦大学教授の高橋洋一氏は「インフレ目標にすると、それを達成できない場合には、日銀に説明責任が発生するが、日銀はそれを嫌っていたのだ」と述べています。(高橋洋一の民主党ウォッチ「FRB、ついにインフレ目標導入『取り残された』日銀どうするのか」⇒http://p.tl/2F2n)
日銀は、これまでもデフレに対して無策でしたが、「インフレ目標」に対しても、自らの責任回避のために避けて来たのです。
今回、FRBがインフレ目標の導入に踏み切った事で、日銀の「米国もインフレ目標をやっていない」という主張は説得力がなくなります。
一方で、「今回のような法的拘束力のない『インフレ目標』なら、日銀は既に設定している」という日銀擁護論も出ています。
しかし、東京大学大学院教授の伊藤隆敏氏は「日本銀行も1%程度の上昇率を示しているが、それはあくまで『望ましいと考える水準』にすぎない。デフレから脱出するためには『いつまでに何%にするのか』を示すべきだ。それに、海外では2%の目標が一般的で1%は低すぎる」と述べています。(1/27 朝日)
日銀のデフレに対する無策ぶりに対しては、例えばノーベル経済学賞を受賞したポール・クルーグマン博士は「今、日銀が重い腰をあげないというなら、日銀総裁は銃殺刑に処すべき」とまで酷評しています。(2010年08月20日週刊『現代』独占インタビュー)
日銀の白川総裁の東大時代の恩師であるエール大学の浜田宏一教授は、2010年に出版した著書の中で、教え子たる白川総裁に対し、「いまの日銀は、金融システム安定化や信用秩序だけを心配して、本来のマクロ金融政策という『歌』を忘れたカナリヤ」だと警告しています。
白川総裁はこれらの批判に耳を傾けることなく、「私は日本の政府・国民は財政バランスを回復する意志を持っていると信じている。これがマーケットの信任に繋がる」と、非常に抽象的な表現で煙に巻き、緊縮財政デフレ路線を正当化してきました。(2011/4/25 NHKクローズアップ現代「復興の道筋 日銀・白川総裁に問う」)
白川総裁は積極的な金融緩和に対しては「通貨の信認を守る」の一点張りで、何もしないことの言い訳にしています。「デフレ放置」が仕事であるかのような日銀白川総裁の石頭に、もはやなす術がないかの如きです。
奇しくも、米国のインフレ目標導入が大々的に報道された1/27日に『日銀総裁とのスピリチャル対話』(大川隆法著、幸福実現党発行)が店頭発売となりました。一種の「神仕組み」と言えましょう。⇒http://p.tl/lidn
本書は白川日銀総裁の本心を明らかにする「守護霊インタビュー」であり、抽象的な表現、煙幕の奥にある白川総裁の本心が見事に解き明かされており、今、日本を貧しくしている「元凶」が白日の下に晒されています。
「日銀のメンツをつぶしたくない」という白川総裁のメンツなど、どん底の日本経済を救うことに比べれば瑣末なことであります。
もちろん、「インフレ目標」は万能ではありません。「インフレ期待」を醸成しつつ、日銀の金融緩和とのコラボで、政府が効果的な財政政策や大胆な規制緩和を打ち出し、経済を回復・成長軌道に乗せることが不可欠です。
幸福実現党は、リニアモーターカー等の高速交通網の全国整備、航空宇宙産業等、ロボット産業等、新たな基幹産業振興に向けた、確かな未来ビジョンを有しています。
幸福実現党は必ずや、大胆な金融政策と財政政策のミックス政策を通じて、「新・所得倍増計画」を実現して参ります。(文責・加納有輝彦)
[HRPニュースファイル165]FRBの「インフレ目標」導入であらわになる「日銀の無策無能」
1月 27th, 2012
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