政府・民主党は30日、消費税率を2014年4月に8%、15年10月に10%に引き上げることを柱とする「社会保障と税の一体改革」の素案を確定しました。
今回、野田首相は、「増税への国民の理解」を得るため、政治家や公務員が「自ら身を切る改革」を行うと宣言。衆院議員定数の80削減や公務員人件費削減、公益法人改革への取り組みを進めると宣言しました。
この事に関し、野党からは「公約違反の消費増税を野田首相自ら決めた。無駄排除などで財源を賄うと国民と約束して政権を獲得した民主党政権の正当性の自己否定だ」等、強い反発が出ており、協議拒否の構えを取っています。(12/30産経)
野田首相は、民主党内における消費増税反対派の勉強会の立ち上げや離党者が続出し、分裂含みであることや、世論の反発を抑えるために、「国会議員定数の削減」と「公務員給与の削減」を付け加えた形です。
しかし、そもそも行財政改革は民主党が政権公約として掲げて来たことであって、それを増税実施の前提条件にするやり方には納得できません。増税の「地ならし」として行財政改革を使おうとしているに過ぎません。
また、復興増税前に、「まず国が身を削る」と宣言していた野田首相は、民主党の最大の支持勢力である労働組合の連合の反対を受け、公務員の給与削減をあきらめ、また、国会議員定数の削減は、先の臨時国会に法案提出すらできませんでした。
こうした経緯を踏まえると、今回、野田首相が宣言した、衆院議員定数の80削減や公務員人件費削減、公益法人改革への取り組みは、国会議員や公務員労組の激しい抵抗を受け、なし崩しになることは目に見えています。
大阪市の橋下徹市長は、次期衆院選について「衆院選は消費税選挙といわれているが、消費税を上げるだけでは対症療法で、国自体は変わらない。国のかたちを変える道州制選挙になる」と発言しており、注目を集めています。
確かに、「二重行政」などの行政の無駄を無くし、「小さな政府」へと国のかたちを見直すことは大事です。しかし、「道州制」や「地域主権」は、外交・防衛、災害救援などの妨げになるため、北朝鮮や中国の脅威が迫っている今、取るべき政策ではありません。
徹底した「行財政改革」を目指すのであれば、幸福実現党が提言しているように、年金制度の抜本的見直し、予算の単年度制の廃止、参議院の廃止、あるいは参議院の「廃法府」化(法律を廃止する機関)にする、不要な省庁の廃止等、大胆なイノベーション、創造的破壊が必要です。
日本には「人・物・金」という経営の三要素が揃っています。「勤勉で誠実で優秀な国民」「世界最高峰の技術や合理化された生産施設」「世界最大の債権・金余り」という強みを有しています。
その強みを最大限に活かすためには、民間企業が最大限に活躍できるように、大胆な「減税」「規制緩和」「金融緩和」等を断行すると共に、バラマキや補助金や保護を撤廃し、「小さな政府」を目指すべきです。
その結果、企業家精神を持った企業、ベンチャーが数多く誕生し、付加価値を創造し、新しい仕事、新しい雇用を生み出していくことで、社会全体が豊かになっていくのです。そのためには、がんじがらめの法律や規制、複雑な税金等を一掃する必要があります。
政府は「社会保障と税の一体改革」の素案を出しましたが、野田政権は「重税国家」「福祉国家」への大きな転換を図ろうとしています。増税は経済的自由の縮小であり、ハイエクが示したように、経済的自由の放棄と全体主義体制、隷属体制は表裏一体です。
2012年、日本はこのまま「重税国家」への道を歩んでいくのか、それとも「自由の大国」への道を歩むのか、大きな分岐点に立っています。
幸福実現党は、野田政権の「国家社会主義への道」とは正反対の「自由の大国」「自由からの繁栄」を掲げています。
日本が国難を突破し、世界の「リーダー国家」となっていくためには「第二の明治維新」が必要です。いや、かつての「明治維新」以上の大胆な改革を成し遂げ、戦後、築きあげて来た様々な政治・経済システムを大胆に見直していく必要があります。
2011年、欧米の低迷が顕著になり、中国はバブル崩壊の予兆を見せ、世界経済は混沌たる時代に入りました。今、日本が世界の「リーダー国家」とならなければ、もはやどの国も世界を救い、導くことはできません。
2012年、国内外の様々な「国難」が予想されていますが、されど、「ピンチはチャンス」でもあります。今こそ、大胆な国家のイノベーションのチャンスです!
昇る太陽よ、輝け!――幸福実現党は2012年、眠れる竜、「臥竜・日本」を目覚めさせ、「新しい国づくり」元年として参ります。(文責・小川俊介)
[HRPニュースファイル138]激動の2012年――昇る太陽よ、輝け!
12月 31st, 2011
本ブログの内容がメールマガジンでも読めます。(※無料です)
本ブログの内容がメールマガジンでも読めます。(※無料です)