◆「骨太の方針」の本質は「選挙対策」
政府は14日、「再生の10年」に踏み出すための経済政策の羅針盤にあたる「骨太の方針」を閣議決定しました。(内閣府「経済財政運営と改革の基本方針」)
この内容を見れば、自民党がいかに「複雑骨折」している政党であるかが分かります。
「骨太の方針」では大胆な構造改革は打ち出されず、むしろ「財政再建」に重きが置かれ、「国と地方の基礎的財政収支を2020年までに黒字化する」という政府の財政健全化目標が重視されています。
基礎的財政収支(プライマリーバランス)とは、一般会計における、歳入総額から国債(地方債)発行収入を差し引いた金額と、歳出総額から国債(地方債)費を差し引いた金額のバランスのことですが、現在、約34兆円の赤字となっています。
高齢化により、今後、毎年約1兆円ずつ増加するとされる年金・医療・介護等の社会保障費、公共事業費、地方財政も「聖域」とせず、歳出を削減するとしていますが、数値目標は示されていません。
これは参院選を控えているからであり、参院選後の8月に中期財政計画を策定して具体策を示すとしており、自民党のポピュリズムぶりが遺憾なく発揮されています。
つまり、「骨太の方針」の本質は目先の選挙対策であって、中長期的な国家のグランドデザインが決定的に欠落しているのです。
◆経済成長と財政健全化(=増税)は両立しない
そして一番気がかりなのは、「持続的成長と財政健全化の双方の実現に取り組む」としている点です。
これは、「アクセルを踏みながら同時にブレーキも踏むことで車を前進させます」と言っているに等しく、矛盾しています。
「今後10年間、平均でGDPの成長率を名目3%、実質2%」を目標としていますが、これは消費増税法の景気弾力条項の努力目標値と同じであり、「消費増税を首尾よく実行すること」が目的であることが分かります。
安倍総理は今月4日の参院経済産業委員会で、来年4月からの消費税率引き上げに関して、「4~6月(の景況)がどうかも見なければならない。引き上げの半年前に名目および実質の成長率、物価動向などの経済指標を確認し、総合的に勘案して判断する」と述べています。
すなわち、今年10月頃に消費増税最終判断をする考えですが、金融緩和によるデフレ脱却に要する期間は一般的に1年程かかるため、ここ3カ月の成長率や物価指数が多少上向いただけで消費増税を決めるというのはあまりにも短絡的で性急です。
◆消費税は長期不況をもたらす
これまで日本経済が経験している通り、消費税増税を断行すれば、長期不況がもたらされ、税収が減り、財政再建が更に遠のくことは明白です。
自民党の標語の「日本を取り戻す」は、「日本の不況を取り戻す」ことになるでしょう。
幸福実現党の大川隆法総裁は、松島ひろのり研修局長(兼)千葉県本部参議院選挙区代表(http://matsushimahironori.blog54.fc2.com/)との対談『野獣対談 ―元祖・幸福維新』(幸福実現党発刊)において、次のように述べています。
「一九九〇年以降、『十年不況』、あるいは『十五年不況』と言われる長期不況が始まりました。これは、消費税の導入と、当時の大蔵省(現財務省)による、『総量規制』に関する通達と、当時の三重野日銀総裁のバブル潰し、この三つが主な原因です。」
大川隆法総裁は、バブル崩壊の真相を明快に指摘していますが、政府はまたしても消費増税によって長期不況を“創造”しようとしているのです。
第二次安倍内閣の滑り出しの好調さは、表面的にではあっても「幸福実現党の政策を実行した」からでした。
しかし、株価の乱高下に表れている通り、「真実の理想に基づく未来ビジョン」という名の一番大切な「信仰心」の骨がスカスカなために、アベノミクスの限界が近づきつつあります。
◆経済成長は福祉政策でもある
幸福実現党は、法人税減税や増税に依らない「200兆円未来国家建設プラン」によって高付加価値の未来に富を生む基幹産業への投資や、ヒトとモノの移動時間を3分の1に縮める交通インフラへの投資を通じ、高度経済成長を実現します。
この経済成長こそが、真の福祉でもあります。
経済成長すれば、雇用も賃金も増え、失業保険や生活保護等の社会保障費も軽減されます。
高齢者の雇用が増え、「生涯現役社会」を実現できれば、社会保障費も激減します。
個人が豊かになれば自活できる範囲が広がりますし、企業も業績が回復して余力が生まれれば、福利厚生等、社員を守る力も出てきます。
大事なことは「国の力があまりなくても、うまく回っていく社会をつくること」です。(参照:大川隆法著『国を守る宗教の力』幸福実現党発刊)
そのためには、未来をデザインする幸福実現党という「愛国心」と「信仰心」に満ちた宗教政党が国家の精神的支柱を打ち立てていくことが不可欠です。
本日も力強く、幸福実現党の候補者の素晴らしさを有権者に伝えてまいりましょう!(HS政経塾2期生、千葉県13選挙区支部長古川裕三)
骨抜きの「骨太の方針」――今こそ、国家に宗教的背骨を![HRPニュースファイル671]
6月 18th, 2013
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