自民党・安倍総裁の大胆な金融緩和政策、国土強靭化計画による公共投資拡大などの財政政策による「アベノミクス」が話題となり、円安株高効果をもたらしていると言われています。
自民党の安倍総裁は17日、今月下旬に召集する特別国会で首相に指名された場合、エール大学の浜田宏一名誉教授を経済担当の内閣官房参与に起用する方針を固めました。
浜田氏は、かねてより日本銀行の金融政策を批判し、「リフレ派(主に金融緩和、インフレ政策で景気回復を図る)」の一人とされます。
また安倍総裁は鳩山内閣から開催されなくなった内閣府に設置されている「経済財政諮問会議」を復活させ、マクロ経済の司令塔にすると明言。安倍政権誕生後の経済政策は、浜田教授の経済理論が反映されると考えられます。
自民党総裁就任後、安倍総裁はデフレ脱却のため日本銀行と政策協定を結び、インフレ目標を定めたうえでの大胆な金融緩和を進める方針を打ち出しました。
それに対し、日銀の白川総裁や野田首相が反発、是非をめぐって論争になった際、浜田氏は「日銀の対応は結局うまくいかなかった。安倍発言は全面的に正しい」との激励のファクスを安倍総裁に送った経緯も報じられています。
浜田氏は日銀総裁白川氏の東大での恩師でもあり、2010年に発刊された著書の中で教え子たる白川総裁に対する公開書簡を認め、各界で話題になりました。
「いまの日銀は、金融システム安定化や信用秩序だけを心配して、本来のマクロ金融政策という『歌』を忘れたカナリヤだ」と批判する内容だったからです。
「経済学者としての責務」から、やむにやまれず筆を執った浜田教授の真摯な気持ちに対し、日銀側の取った態度は大変大人げないものでした。
公開書簡入りの著書を献本された白川総裁は、「自分で買う」との私信をつけて送り返し、日銀は米国在住の浜田教授に日本での経済学会議への招待を打診しましたが、なんと「日本への旅費は自腹」という、学問の世界の常識からはほど遠い失礼なものでした。(週刊現代「日銀白川総裁の器量に?」)
ここに日本の大半の経済学者が、日銀の政策を支持する御用学者になってしまう理由が浮かび上がっているのではないかと思います。このような大人げない日銀の「意趣返し」を恐れて、自分の保身のために、日銀の軍門に下っているのです。
この点、毀誉褒貶の世界から超越した浜田氏の経済担当の内閣官房参与への起用は画期的といえるでしょう。浜田氏自身も「自分達がこのように出てこられる環境になった事が嬉しい」とTVインタビューで語っていました。
インフレ・ファイターたる日銀から、距離を置かれてきた浜田氏のようなリフレ派が政権の中枢に登用されるという環境は、いかにして形成されてきたのでしょうか。
これは、2009年立党時より一貫してインフレ目標の設定、日銀国債引受けによる大胆な金融緩和を訴え続けてきた幸福実現党の存在を無視することは出来ないと自負しています。
とりわけ、『日銀総裁とのスピリチュアル対話~通貨の番人の正体~』『平成の鬼平へのファイナル・ジャッジメント~日銀・三重野元総裁のその後を追う~』等(いずれも大川隆法著、幸福実現党発刊)による日銀の問題点の開示は、政治家、官僚、マスコミ等に大きな影響を与え、世論形成に多大な役目を果たしました。
また、10年間で総額200兆円をインフラ整備などに集中投資する自民党の「国土強靭化計画」の原型は、幸福実現党が2010年の参院選で公約(マニフェスト)掲げた「200兆円未来投資プラン」にあります。(参考:5/27 Liberty Web「幸福実現党に続き自民も200兆円大型投資構想」)
幸福実現党が環境づくりをした上に、今、安倍総裁は金融緩和政策と財政政策で景気回復を実現しようとしているのです。
幸福実現党のモノマネをお得意とする安倍総裁ですが、批判を浴びるとすぐに後退してしまう気の弱さが気掛かりです。
実際、安倍総裁は当初、インフレ目標3%を表明していましたが、批判を浴びると公約では2%に引き下げ、国債の日銀引き受けについても、「日銀が直接買うとは言っていない。市場から買うということだ」と述べています。(11/21 共同「建設国債の日銀引き受け修正 安倍氏、インフレ目標もダウン」)
また、幸福実現党のついき秀学党首はGDPの名目成長率7%(インフレ率3%、実質成長率4%)を目標とすべきと述べていますが、安倍総裁が公約に掲げた「名目3%以上の経済成長」(インフレ率2%、実質成長率1%)は余りにも目標設定が低過ぎ、景気の浮揚感は現れて来ません。金融政策のみで経済成長政策が欠けているのです。
安倍総裁におかれましては、幸福実現党の経済政策を更によく学習された上で、強い信念で大胆な金融緩和を断行し、デフレ退治を貫徹して頂きたいと願います。(文責・加納有輝彦)
[HRPニュースファイル491]「アベノミクス」は、幸福実現党の政策そのもの
12月 18th, 2012
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